テレワーク特有の課題が浮上 ~テレワーク過労を防ぐには?【社労士インタビュー vol.1】 [コラム]

テレワーク 過労 うつ 労働時間

テレワークがニューノーマルな働き方となる中、「テレワーク過労」「テレワークうつ」といった、今までにない労務問題が浮上しています。テレワーク過労を防ぐにはどうすればいいのか、社会保険労務士の新井将司さんに聞きました。

テレワークがニューノーマルな働き方となる中、「テレワーク過労」「テレワークうつ」といった、今までにない労務問題が浮上しています。今回は、テレワーク過労が起きる要因と対策を、実践例を交えてお伝えします。

都内を中心に上場企業から中小企業まで年間300社以上の相談実績がある汐留社会保険労務士法人の社会保険労務士/行政書士 新井将司さんと特定社会保険労務士 濵田まりえさんに、テレワーク過労を防ぐためのポイントをお聞きしました。

(1)テレワーク過労の要因は?

テレワークで働きすぎ、すなわちオーバーワークになりやすいことは、以前から指摘されています。これまでテレワークをしていなかった会社ほど、社員がテレワーク過労に陥る傾向も強いようです。理由として、働き方がオフィスでの仕事からテレワークに移る過程で、次のような不具合が起きやすくなるためです。

・コミュニケーションが減って不安が強まる
テレワークになることで、同僚や上司とリアルなコミュニケーションをとる機会が激減しました。周りの仕事の状況が見えず、上司の意向もくみ取りにくい状況になります。自分だけが取り残されていないか、自分はきちんと成果を上げているだろうかと不安になり、働きすぎになってしまうのです。

・会社側がテレワークでの管理に慣れていない
オフィスなら、上司も部下の仕事ぶりや表情を見ながら仕事の指示を出すことができます。しかし、テレワーク下では、社員の仕事が可視化できないケースもしばしば起こります。部下の仕事の状況が把握できないので指示の出し方やコントロール法がわからず、結果としてオーバーワークを見逃してしまうことになります。

・テレワークではオンオフの切り替えが難しい
テレワークでは、仕事で移動する時間や手間が省ける代わりに、プライベートとの区別がつきにくくなります。仕事に集中できる環境やスペースを作れないこともあります。日中は家事や育児、介護などに時間をとられ仕事を深夜や休日に持ち越してしまう、オンとオフの切り替えが上手にできずだらだらと仕事をしてしまうなどで、疲労をため込んでしまうこともあります。

心理的な負担も増大 テレワークうつになるケースも

こういった業務の負担に加え、一部の人にとってテレワークは心理的な負担が大きくなりやすい傾向があります。チームや上司とのコミュニケーションが不足しがちになり、次のような心理状態になりやすくなります。

・仕事を振られても「できない」と断れない
周りの仕事の状況が見えないため、オーバーワークの状況でも、仕事を頼まれたとき「できない」と断ることが難しくなります。 特に注意したいのは、スキルが高いハイパフォーマーです。上司や同僚は仕事ぶりが見えないので、仕事が速いハイパフォーマーについ仕事を振ってしまいがちです。

責任感の強い社員ほど、責任を果たして成果を上げなければと精神的にも負荷がかかり、メンタルヘルス不全に陥りやすくなります。

・孤独を感じる
テレワークでコミュニケーションが減り、孤独を感じてしまう社員は少なくありません。仕事の合間に同僚と雑談して息抜きすることができない、困ったときに上司に相談できない、一日中一人で仕事をするため孤独感が募るといったストレスが、テレワークうつの原因となりえます。抑うつ、睡眠障害、頭痛など、テレワークうつの症状はさまざまです。

(2)テレワーク過労を防ぐ対策

テレワーク過労を防ぐために、どのような対策をとればいいのでしょうか。実践例を挙げながら考えてみましょう。

<対策1>適度なコミュニケーションをとる
テレワークでは、干渉しすぎず、放任しすぎない、適度なコミュニケーションがカギとなります。 実践例として、ある会社の女性のワーキングチームでは、テレワークの休憩中にチャットで雑談する時間を設けたところ、リフレッシュ効果が見られたそうです。以後、週1~2回は、テレワーク中に雑談する時間を取り入れるようにしました。

<対策2>会社の代表者がテレワークを肯定する考え・姿勢を伝える
必要により出社している社員もいる中で、真面目な社員ほど「テレワークをしていていいのだろうか」と思い詰めてしまうことも。そんなとき、会社の上層部がテレワーク勤務を肯定することで、社員の気持ちが楽になります。テレワークを肯定する指針を、文書やメール、WEB会議で伝えるようにするといいでしょう。

<対策3>柔軟な働き方・評価方法を導入する
柔軟な働き方を認め、評価方法などを変えていくことがカギになります。
ある会社では、育児や介護で中抜けをしても、成果が出ていればよしとする方針を表明しました。成果を上げていれば、テレワーク中の育児や介護により労働時間が短くなってもいいと認めることで、社員の精神的な負担を軽減できたそうです。

<対策4>社員自身も働き方への意識を変える
社員や家族の意識も変えていく必要があります。例えば、テレワーク中に家族から何かと家事を押し付けられるのであれば、執務中であることを伝えて理解をしてもらうことが重要です。また、テレワークで働きづらいところがあれば、社員自ら積極的に声を上げるようにするといいでしょう。こうして、ストレスを内にため込まないようします。また、指示を待つだけでなく自己管理能力を高めることも大切なポイントです。

<対策5>オフィスに出勤する日を確保して、社員の状態を確認する
オフィスに出勤する日を確保して、社員が適度にリフレッシュする機会を設けます。
オフィスでしかできない業務を切り分けて、週に何日か出社する日や機会を設けることがおすすめです。その際、上司が部下と定期的に面談する場を設けて、声がけなどでコミュニケーションを図りながら、部下の勤務状況、健康状態などを対面でチェックします。オフィスは、社員の深い情報を得られる貴重な場。上手に活用したいものです。

テレワークとオフィスのメリットを考えて使い分けていくことが重要

テレワークには、どこでも仕事ができる、通勤時間が減って仕事が効率的になるなどのメリットがある一方、コミュニケーション不足が生じるなどの特有のデメリットがあることが浮き彫りになってきました。

テレワークとオフィスワークを併用するニューノーマル時代には、それぞれのメリットを生かしていく仕組みづくりが重要になります。特に、深刻なテレワーク過労を防ぐために、丁寧なコミュニケーションや社員の健康チェックを行う場として、オフィスを最大限に活用するべきでしょう。

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