新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、3密(密閉、密集、密接)を避けるオフィスづくりが進みました。今後のアフターコロナを視野に入れた、テレワークにも対応できるオフィスづくりのポイントをご紹介します。
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、働き方は大きく変化しました。在宅テレワークが急増し、オンラインコミュニケーションが活発化するとともに、オフィスのあるべき姿も変化しています。
コロナとともに生きる時代、そしてその先のアフターコロナには、どのようなオフィスが求められるのでしょうか。コロナ前のオフィスのあり方と比較しながら、今、必要とされる「3密を避けるオフィスづくり」「テレワークに対応できるオフィスづくり」のポイントをご紹介します。
新型コロナウイルスの感染が拡大する前、各企業では、働き方改革の実現が大命題でした。働き方改革を実現するため、さまざまなオフィス環境の変革が実施されてきました。
コロナ前には、「アクティブ・コモンズ/ABW(Activity Based Working)」を実現する生産性の高いオフィスを目指す企業が増加していました。内田洋行では、アクティビティに応じて社員が最適な場所を選ぶ働き方を「アクティブ・コモンズ」として提唱し、多くの企業に導入してきました。また、IT環境ではクラウド化の推進、サイバー対策が進められ、業務のさらなる効率化が図られていました。
各企業は、こうした物理的な環境を整備する一方、職場風土の活性化や仕事の見える化、マネジメントスタイルの見直しなどによって社員の行動・意識の変革にも注力しました。支援環境の整備と行動変革の両軸により、創造性・効率性の向上、躍動性の強化を追求してきたのです。
新型コロナウイルスの感染が拡大した後、働き方は大きく変化せざるを得ませんでした。政府から出社を控えるよう要請され、企業はオフィスに出社する社員数を大幅に絞りました。一方で、在宅でテレワーク(リモートワーク)をする社員は急激に増加し、WEB会議、グループ通話が標準的なコミュニケーション方法になりました。
「ウィズコロナ」の初期の時期には、感染症対策として3密を避けるオフィスづくりが優先的に求められてきました。現状では新型コロナの終息は見通せず、少なくとも2022年中は3密を避けるオフィスづくりが必要であると、内田洋行では考えています。
では、密閉、密集、密接の3密を防ぐため、オフィスはどのような対応をすべきなのか、改めて確認したいと思います。
コロナ感染を予防するオフィスづくりについて、押さえるべきポイントを見ていきましょう。
WEB会議が増加、定着しているため、部分的に開放しつつも外部との遮断性・防音性のある空間づくりが求められます。ファミレス席のような半クローズド会議室や、セミオープンのブースなどを用意する必要があります。一方で、会議室・応接室などの密閉した空間は、レイアウトを変えて少人数用の執務室にするなどして有効活用します。
また、定期的に2方向の窓を開放するなど、十分な換気を行います。空気が停滞するようなエリアがないかを確認することも必要です。
打ち合わせは風通しのいい場所で距離を取りつつ行う、休憩場所の席を間引いてソーシャルディスタンスを保つ、といった工夫が求められます。
大人数で会議やプレゼンテーションをする場合には、2m間隔で座席を用意します。資料は大型ディスプレイや個々の端末に表示するなど、紙媒体を使わない方法が安心です。
オフィスに出社する人数を制限し、2m間隔を維持する座席レイアウトにします。プランニングに際しては、オフィスの間取り図や座席表に2mの円を描き、利用できる座席数をカウントしてみましょう。2mの円が少し重なってしまう席には、アクリル板のデスクトップパーテーション(パーティション)やローパーテーションを活用します。
密接を防ぐため、デスクを壁側に向けて設置したり、デスク間のスペースを空けたりする方法もおすすめです。パーテーションで囲った個別ブースを設置し、集中できる環境をつくりながら、密接を防ぐのもいいでしょう。
コロナ禍において、働き方、オフィスのあり方は大きく変容しました。今後も、オンラインコミュニケーションを活用したり、3密を避けたりしつつ、業務を行う必要があります。しばらくの間は、感染状況に応じて出社人数を調整しなくてはならず、オフィスのレイアウト変更がたびたび必要になるでしょう。今回のコロナ禍により、オフィスの柔軟性、可変性の重要性がはっきりと示されたといえます。
新型コロナの感染拡大を受け、オフィスづくりは大きく変容しています。一部では「オフィスが不要になる」といった論調も見られますが、オフィスは今後も従業員同士のコミュニケーションやコラボレーションが取れる場、その先にあるイノベーションの創造を促す場として重要な役割を持ち続けるでしょう。
ここで、実際に内田洋行がお手伝いをさせて頂いた事例をご紹介します。ぜひご参考にしながら自社オフィスをご検討ください。
ニューノーマルな働き方「Work Life Shift」のもと、研究員がイノベーションと価値を創出し続けるためのボーダレスオフィスを構築されました。
「働く場」から「人と情報が交流する場」へ。アフターコロナのワークスタイルを見据えて新しいオフィスのあり方にチャレンジされました。
ウィズコロナのタイミングでは、オフィスに求められる機能が変化していくため、企業ではさまざまな対応が必要となります。感染状況や世の中の情勢を見極めながら、よりよいオフィスを求めて柔軟に対応し、PDCAを回すことが大切です。
[2020.06.01公開]
働き方改革を実践しているUCHIDAのオフィスを見学できます。柔軟性があり、生産性が高く躍動的なワークスタイル実現に挑戦しています。
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