テレワーク導入企業に勤める方に、WEB会議の実施状況や課題についてアンケート調査を実施しました。WEB会議が増えるなか、今後のオフィスにどのような対策が求められるのでしょうか。アンケート調査結果をもとに解説します。
新型コロナウイルス感染拡大は、人々の日常生活だけではなく、働き方も大きく変えました。3密を避けるため、テレワークの導入、出張の取りやめなどを多くの企業が実践するようになっています。また、在宅の社員や取引先とのコミュニケーションに、多くの企業でWEB会議が活用されるようになりました。
WEB会議が定着するなかで、問題点や課題も明らかになってきています。そこで今回、テレワークを導入している企業に勤める方を対象に、WEB会議の問題点や、WEB会議を効果的に活用していくためにオフィスに必要なものについてアンケート調査を行いました。
「テレワーク時代のオフィスに関する実態調査」は以下の要領で実施しました。
調査の目的 | テレワーク時代のオフィスのあり方について実態、課題を把握 |
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対象者 | 関東地方でテレワークを導入している従業員500名以上の企業に勤めている20~59歳の経営者、役員クラス、本部長(事業部長)クラス、部長クラスで、経営責任を(一部でも)負う立場にある方 |
調査時期 | スクリーニング調査:2020年7月3日~7月9日 本調査:2020年7月10日~7月12日 |
調査方法 | インターネットリサーチ |
調査実施期間 | 株式会社内田洋行 |
有効回答数 | スクリーニング調査:17,330 本調査:333 |
新型コロナウイルス感染拡大により、2020年4月に緊急事態宣言が発令され、テレワークを導入する企業が急増しました。コロナ感染拡大の前後でWEB会議の頻度はどうなったのでしょうか。
実に86.8%がWEB会議の頻度が高まったというアンケート結果でした。そして、頻度が変わらないと回答したのは8.7%で、「減った、WEB会議はしていない」はわずか3.9%という結果になっています。
9割近くがWEB会議の頻度が増えたと回答していることからも、コミュニケーション手段としてWEB会議が重要な役割を果たすようになったといえます。
離れた場所のいる人とのコミュニケーション手段としてメリットの多いWEB会議ですが、いくつかの課題も見えてきています。アンケートでは次のような点が多く挙げられました。
最も多かった回答は、「テレワーカー各自の通信環境にバラつきがある」であり、「オフィスの自席では、WEB会議に参加しづらい」「対面での会議に比べコミュニケーションが取りづらい」と続いています。
テレワーク社員の通信環境の整備に加え、オフィスでWEB会議をするときに適した環境づくりが必要とされていることがわかりました。また、WEB会議は対面での会議に比べて表情や雰囲気が読み取りにくかったり、発言の機会が偏ってしまったりといった問題があると考えられます。
最も多かったのは、「WEB会議に適した、個人用ブースが必要」という回答でした。次いで「周囲の音や声を遮断しながらも、密閉にならない空間づくり(WEB会議用)」「WEB会議時に、簡単に情報共有・画面共有ができるツール」と続いています。
WEB会議を有効に活用するためにオフィスに必要なものとしては、WEB会議用の専用スペースのほかに、効率アップを実現するWEB会議システム、マイクや大画面ディスプレイ、録音・録画ツールなどが上位に挙がっています。
WEB会議システムや関連ツールは、それぞれのオフィスに合ったもの、使いやすいものをしっかりと検討することがポイントとなります。オフィスに合ったWEB会議専用のブースを設置したり、WEB会議を効率的に行うためのICTツールを導入したりすることがおすすめです。
新型コロナウイルスの影響により、WEB会議の需要は日に日に増加しています。しかし、通信環境のバラつき、オフィスの自席では参加しづらいといった問題もあらわになってきています。
そこで、これからのオフィスに求められるのは、「WEB会議に適した個人用ブース」や「周囲の音や声を遮断しながらも、密閉にならない空間づくり(WEB会議用)」です。また、複数人同士でのWEB会議でも一体感を生み出せるICT環境づくり、通信の遅延や切断がなく、クリアにつながるICTツールの選択が重要となります。社内会議はもちろん、取引先との商談もスムーズに進められるよう、新しいオフィスのあり方を考えてみてはいかがでしょうか。
[2020.09.04公開]