第10回:チームメンバーの心得 2 【澤円の連載コラム】

【澤円の連載コラム】働き方の再定義 ~なりたい自分になるためのヒント~
五月病 モチベーションを高める方法

いま、働き方が再定義されようとしています。テレワークから出社回帰、働く場も多様化し人とのかかわり方も変わっていくなか、自分らしく、よりハッピーに働くにはどうしたら良いのでしょうか?連載コラム「働き方の再定義 ~なりたい自分になるためのヒント~」では、株式会社圓窓 代表取締役 澤円(さわ まどか)さんと一緒に「はたらく」について考えていきます。

こんにちは、澤です。

前回に引き続き、メンバーとしての仕事に対する心構えについて考えてみましょう。
古来より、日本の組織で働く人たちにとって、大型連休後に襲ってくるとある疾病があります。
そう、「五月病」です!
なんとなくモチベーションが上がらなくて、仕事に向き合う気合が入らない・・・なんて経験をお持ちの方も少なくないと思います。
また、新社会人としてこの記事を読んでいる方の中にも「まさにそれ!」って人もいるかもですね。

モチベーションって、仕事をする時にちょくちょく出てくるキーワードなのですよね。
「モチベーション高く仕事をする」って、なんとなくポジティブな響きですけれど、モチベーションって、どうやれば上がるのでしょう?
そもそも、モチベーションって高めなくちゃいけないものなんでしょうか?

ChatGPTさんに、こんな質問を投げてみました。

    「仕事におけるモチベーションって、どういう意味ですか?」

これに対して、こんな答えが返ってきました。

    仕事における「モチベーション」とは、仕事に向かう意欲や動機づけの力を指します。もっと噛み砕いて言うと、

    「なぜ自分はこの仕事をやるのか?」
    「何のために頑張ろうと思えるのか?」

    といった、“働く理由”や“エネルギーの源”のことです。

なるほど、これは仕事をする上で大事そうなものですね。
では、モチベーションを高める方法ってあるのでしょうか?

モチベーションを高める話をする前に、
まず自分のモチベーションの源泉について考えてみることをお勧めします。
楽しい仕事をしたいのか、社内でのポジションを上げたいのか、
高い給料を手にしたいのか、世間で有名になりたいのか・・・
「このためなら頑張れる!」と思えることが明確でなければ、モチベーションを高めるためのきっかけがなかなかつかめなくなります。
まずは、自分のモチベーションの源泉となるものをしっかり見極めることが大事です。
そして、「モチベーションは与えられるものではない」ということを理解しておくのも大事です。
「マネージャーがなかなかモチベーションを高めてくれない」なんていう発想は、前提がおかしいと思った方がいいでしょう。
マネージャーの役割は、モチベーションを高めることではありません。
強いて言うなら、「メンバーが生産性高く仕事ができるような環境を整える係」と表現するのがちょうどいいのではないかと思います。
環境によってマインドセットが変化するのは、多くの人にとっては自然なことです。
(時々、どんな環境でもマインドセットが一定に保てる強者もいますけどね)
なので、それぞれのメンバーがどんなマインドセットであっても生産性高く仕事ができるようにすることがマネジメントの本質だと言ってよいでしょう。
乱暴な言い方をあえてするなら、マネージャーからすればメンバーのモチベーションなんてものはどうでもよくて、仕事さえして貰えばいいわけです。
ただ、モチベーションが低いメンバーがいると、全体の生産性が下がるのは自明の理なので、モチベーションが下がりにくい環境を作ることは大事な仕事ではあります。

「なんだ、やっぱりマネージャーはモチベーションを高くするのが仕事なんじゃないか!」って思うかもしれませんが、それは違います。 繰り返しになりますが、マネージャーはメンバーに「生産性高く仕事をしてもらう」ことが大事なのであって、「モチベーションを高める」ことは仕事ではないのです。
マネージャーがメンバーのモチベーションを高める手伝いをするのは、「このメンバーのモチベーションを高めることが、会社や組織に直接的に大きな貢献をすることと一致している」場合だけです。

「もっと高い給料をくれたらモチベーションが上がります!」と声を上げたところで、給料をアップするだけの価値がある働きをすると証明できなければ、その主張が受け入れられるわけはないのです。
「もっと有名なビジネスパーソンになりたいのです!」と叫んでも、対外的に名前を出すことと自社の売り上げとの相関関係が明確でなければ、むしろリスクと捉えられてしまうかもしれません。

ということで、モチベーション高く仕事をしたいのであれば、「自分のモチベーションが上がる要因」と「所属組織への貢献」が一致していることが絶対条件になります。
そして、「所属組織への貢献」が可視化できるような「行動」が必要になります。
実は、モチベーションというのは気持ちの問題と捉えられがちですが、ボクの考えでは「行動が先」です。
モチベーションは、行動によって引き上げられていくのです。
自分がモチベーションを上げられる行動を見つけることが、デキるビジネスパーソンになるためには必須アクションといえます。

ちなみに、ここで見つける行動は二種類定義しておきましょう。
一つが、前述の「会社に対する貢献との関係が証明できる行動」。
もう一つが、「自分がご機嫌になれる行動」です。
ご機嫌であることは、モチベーションが高まりやすい状態とも言えます。
ご機嫌でいることの重要性は、最近のビジネスシーンでもかなり話題になっています。
自分をご機嫌にする行動は、自分で見つける必要があります。
他の人がご機嫌になる行動が、自分にマッチするとは限らないからです。
仕事終わりに飲みにいくのか、それともジムに行くのか、すぐに家に帰って推しの動画を見るのか、週末にアウトドアで楽しむのか、ひたすらベッドの妖精になってゴロゴロするのか・・・
自分をご機嫌にする行動を見つけておくのは、とても大事なことです。
そして、これは不機嫌な時やモチベーションがどん底の時にはなかなかできません。
「モチベーションとは気持ちの問題ではない」と前述しましたが、気持ちがついてこないと行動はできないですからね。
ある程度元気がある時に、是非とも見つけておきましょうね。

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[2025.5.13公開]

澤 円(さわ まどか) 氏
著者澤 円(さわ まどか)氏
株式会社圓窓 代表取締役
武蔵野大学 アントレプレナーシップ学部 専任教員(教授)
元・日本マイクロソフト株式会社業務執行役員。マイクロソフトテクノロジーセンターのセンター長を2020年8月まで務めた。DXやビジネスパーソンの生産性向上、サイバーセキュリティや組織マネジメントなど幅広い領域のアドバイザーやコンサルティングなどを行っている。複数の会社の顧問や大学教員、Voicyパーソナリティなどの肩書を持ち、「複業」のロールモデルとしても情報発信している。また、ファッションや美容、自動車などのインフルエンサーたちとも積極的に共創活動を行っている。
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