ABWで実現するウェルビーイングなオフィスとは

従業員の働きやすさ 生産性の向上 オフィス環境の改善

従業員の働きやすさや健康、生産性の向上などを目的とした新しいオフィスの形態「ウェルビーイングなオフィス」をご存じですか?この記事では、ABWとウェルビーイングを組み合わせたオフィスの特徴やメリット、空間デザインや設計のポイントなどを解説します。他社の成功事例も紹介するため、オフィス環境の改善や移転・リニューアルを検討している人は参考にしてはいかがでしょう。

ABWで実現するウェルビーイングなオフィスとは?

ABW(Activity Based Working)は、業務内容や状況に応じて最適な場所を選んで働くという柔軟なワークスタイルです。集中作業・チームでの協働・リフレッシュなど、それぞれの活動に合った空間を選択できる点が特徴であり、従業員一人ひとりのパフォーマンスを最大化します。

このABWの考え方を基盤にした「ウェルビーイングなオフィス」は、従業員の健康や生産性を最大化する新しいオフィスの形態です。快適な作業環境を提供することにより、心身の健康を支え、仕事の効率を高めることができます。

具体的には、自然光を取り入れたデザインや、リラクゼーションスペースの導入、サーカディアン照明などの技術を活用し、作業環境を快適にします。さらに、オフィス内でのコミュニケーションの活性化や、フレックスタイム制度、リモートワークの導入によって、柔軟な働き方を促進します。これらの要素を組み合わせることで、従業員満足度や企業の競争力の向上に寄与します。

企業がABW型のウェルビーイングなオフィスを導入する理由

企業がABWとウェルビーイングを組み合わせた オフィスを導入する理由は、従業員の健康と幸福を支援し、結果として生産性や企業の競争力を向上させるためです。ABWによる柔軟な働き方が集中力や効率を向上させるとともに、健康的なオフィス環境により、ストレスを軽減することで、従業員エンゲージメントの向上につながります。さらに、ウェルビーイングを重視することで、優秀な人材の確保や定着も期待ができます。例えば、自然光の取り入れやリラクゼーションスペース、柔軟な勤務制度の導入により、より良い働き方が実現できます。

近年の働き方改革においては効率だけでなく、健康や幸福感を両立させることが求められており、ABWとウェルビーイングを統合したオフィスは、その実現に向けた有効な手段といえるでしょう。

ABW型のウェルビーイングなオフィスの特徴とは?

ABW型のウェルビーイングなオフィスは自然光や植物がもたらす開放感と、時間帯に合わせて変化する照明による心地よさが融合した、居心地のよい雰囲気をつくり出します。さらに、ICTを活用したスマートな環境設計によって、利用シーンに応じた快適性と効率性が実現されます。代表的な要素として、バイオフィリックデザインやサーカディアン照明が挙げられます。以下でそれぞれ解説します。

バイオフィリックデザインとは? 自然を取り入れたオフィス空間の作り方

バイオフィリックデザインとは、自然環境を取り入れることで、従業員の心身の健康を促進するオフィスデザインの手法です。このデザインは、自然光を最大限に活用し、室内植物や水の要素、自然素材を積極的に取り入れることが特徴です。これにより、ストレスの軽減や創造性の向上が期待できます。例えば、室内に観葉植物を配置したり、大きな窓から外の景色を見渡せるようにすることで、自然との繋がりを感じさせることができます。バイオフィリックデザインは、働く人々のモチベーションや集中力を高めるため、ウェルビーイングなオフィスの重要な要素となっています。ABWの考え方と組み合わせることで、集中作業スペースやリラックスエリアなど、活動に応じて自然を感じられる空間を選べるようになり、より快適で多様な働き方が実現します。

サーカディアン照明の導入で生産性が向上する理由

サーカディアン照明は、自然光のリズムに合わせた照明を使うことで、従業員の体内時計を整え、健康的な睡眠サイクルをサポートします。この照明は、日中は明るく、夜間は暖色系に変化することで、体内のメラトニン分泌を調整し、集中力や生産性を向上させます。特に、オフィス環境で長時間働く従業員にとって、自然光に近い照明は疲れを軽減し、作業効率を高める効果があります。サーカディアン照明の導入により、従業員の心身の健康が改善されるため、全体的なパフォーマンス向上が期待できます。

また、ICTを活用した照明制御システムを導入することで、会議や集中作業などシーンに応じた最適な照明環境や、雑談やリフレッシュといったカジュアルな交流の場にふさわしい雰囲気を演出することで、ABWの柔軟な働き方の効果的なサポート、偶発的コミュニケーションの促進を実現します。

ABW型のウェルビーイングなオフィスを実現するための具体的なオフィス設計方法

ABW型のウェルビーイングなオフィスを実現するためには、空間デザインとICT活用を両立させることが重要です。以下でそれぞれ解説します。

オフィス移転とウェルビーイングの統合を成功させるためのポイント

オフィス移転時にウェルビーイングを統合するには、従業員の健康と働きやすさを最優先に考えた設計が必要です。まず、自然光の取り入れや換気の改善を行い、快適で健康的な空間を作ることが重要です。また、休憩スペースやリラクゼーションエリアを設けることで、従業員のストレス軽減やリフレッシュを促進します。さらに、オープンスペースを活用して、チーム間のコミュニケーションを活性化し、生産性向上につなげます。ABWの考え方を取り入れることで、集中作業・会議・雑談やリフレッシュといった多様な活動に応じたエリアを設計でき、移転後も柔軟かつ効率的なオフィス運用が可能になります。

移転前に従業員のニーズをヒアリングし、ワーカーが求める環境を反映させることも成功の鍵です。このように、ABWとICT活用を前提としたウェルビーイング志向のオフィス移転が、企業全体の健康的な働き方を支える基盤となります。

関連記事:オフィス移転はコンセプトが重要|成功させるためのポイントや事例を解説

従業員の心身の健康をサポートする設備と施設の選定

ウェルビーイングなオフィスでは、従業員の心身の健康をサポートする設備が欠かせません。まず、快適な空調と換気システムは、空気の質を保ち、集中力を高めるために重要です。さらに、リラクゼーションスペースやフィットネスエリアを設けることで、従業員が心身をリフレッシュできる環境を提供します。また、健康的な食事を提供するためのカフェテリアやフードサービスも効果的です。加えて、静かな個室や集中できる作業スペースを設けることで、集中力や仕事の効率を向上させます。ABWを前提とした空間設計では、これらの設備を「どの活動に適した空間に配置するか」が重要であり、ICTを用いた利用状況の可視化や最適化により、従業員の満足度と効率を両立できます。

これらの設備を選定する際には、従業員のニーズを反映させることが、ABW型のウェルビーイングなオフィスを実現するための鍵となります。

フレックスタイム制度とリモートワーク導入によるウェルビーイング向上

フレックスタイム制度とリモートワークの導入は、ABW型オフィスの柔軟性と組み合わせることで、従業員の心身の健康をさらに高める効果があります。以下でそれぞれ解説します。

フレックスタイム制度の導入で従業員のストレスを軽減

フレックスタイム制度は、従業員が自分のライフスタイルに合わせて勤務時間を調整できるため、柔軟な働き方を実現します。これにより、通勤ラッシュを避けたり、家族やプライベートの時間を確保したりすることが可能になります。結果として、時間に縛られず働けることで、ストレスが軽減され、心身の健康にも好影響を与えます。さらに、個々のピークパフォーマンスに合わせて働けるため、集中力が向上し、業務の効率アップにつながります。ABWの「活動に応じて働く場所を選ぶ」仕組みと組み合わせれば、時間と空間の両面で最適化が可能となり、ICTによる勤怠管理や業務可視化ツールを導入することで、柔軟性を維持しつつ組織全体の効率性も確保できます。

フレックスタイム制度を導入することで、従業員満足度の向上に繋がり、企業全体の生産性向上が期待できます。この柔軟な働き方が、ウェルビーイングなオフィスの実現において重要な役割を果たします。

リモートワークとオフィスのウェルビーイングの融合

リモートワークは、従業員に柔軟性を提供し、仕事と生活のバランスを保つための重要な要素です。しかし、オフィスでのコミュニケーションやコラボレーションの機会も重要です。ウェルビーイングなオフィスでは、リモートワークとオフィス勤務のバランスを取ることが求められます。例えば、オフィス内にリモートワーク環境に適した静かなスペースを設けることで、集中できる場所を提供します。また、リモートワーク時にも従業員の健康や生産性をサポートするツールや環境を整えることが大切です。

また、ABW型のウェルビーイングなオフィスでは、リモートとオフィス勤務をシームレスにつなぐ設計が求められます。オフィス内にオンライン会議に最適な個室ブースや静かな集中スペースを設け、在宅勤務者ともストレスなく連携できるようにすることが効果的です。これにより、従業員はフレキシブルに働きながらも、心身の健康を保ち、企業全体のウェルビーイングを向上させることができます。

ウェルビーイングなオフィスの成功事例

ウェルビーイングなオフィスを導入した企業の事例をご紹介します。

東日本旅客鉄道株式会社

JR東日本様が所有する「鉄道林」を自社のオフィス什器に活用。雪や風を防ぐために枝が多い鉄道林を集成材や三層パネルに加工することで、通常の木材と同じように使うことができます。従業員の目に触れるベンチやテーブル、執務スペースのWooD INFILL、図書室の本棚に活用され、豊かなオフィス空間となりました。

ウェルビーイングなオフィスを導入した企業のオフィスのイメージ
事例の詳細はこちら

マックス株式会社

オンラインのミーティングも可能なソファータイプのミーティングスペースは、リラックスしながらコミュニケーションがとりやすいところが魅力。執務スペースとは緩やかに仕切られていて、グリーンをあしらったローパーティションは視覚的なリフレッシュ効果も期待できます。

ウェルビーイングなオフィスを導入した企業のオフィスのイメージ
事例の詳細はこちら

アサヒグループジャパン株式会社

アサヒグループの事業会社8社の主に首都圏営業部門(約1,100名)が集結するグループシェアオフィス。11フロアに渡る広いオフィスの中で、「誰がどこにいるかがわからない」課題を解決するのは SmartOfficeNavigator。コンタクトと取りたい人の出社状況やステイタスが一目でわかり、スピーディーなコミュニケーションを実現します。

ウェルビーイングなオフィスを導入した企業のオフィスのイメージ
事例の詳細はこちら

まとめ:ABW型のウェルビーイング オフィスの導入で企業の未来を切り拓こう

ABW型のウェルビーイングなオフィスは、従業員の心身の健康と幸福を支えつつ、生産性と柔軟性を両立する新しいオフィスの形態です。バイオフィリックデザインやサーカディアン照明といった環境整備に加え、ICTを活用した空間管理やコミュニケーションツールによって、ストレスを軽減し効率的に働ける環境を実現します。

また、フレックスタイム制度やリモートワークの導入によって、柔軟な働き方が促進され、働きやすい環境が整います。企業がこれらの要素を取り入れることで、従業員満足度が向上し、競争力を高めることができます。ABWとウェルビーイングを融合した オフィスの導入は、企業の未来に向けた重要な投資となるでしょう。

関連記事:ハイブリッドワークはABWに沿った理想的な働き方|メリットやデメリット、事例を解説


[2025.11.4公開]

著者
著者オフィス分野 コラム編集チーム
内田洋行オフィス分野のコラム編集チームです。オフィス空間づくりやオフィスデザイン、働き方に関するお役立ち情報やトレンド情報をお客さまにご紹介します。

こちらの記事もご覧ください

お役立ち資料(働き方改革)

お役立ち資料

働き方改革のヒントとなる
資料・冊子をご用意しました。

ショールーム

ショールーム

「Change Working」実践の場を
ご覧になれます。
[ 内田洋行 新川第2オフィス]

お問い合わせ・資料請求

お問い合わせ・資料請求

お電話での
お問い合わせ
  • フリーダイヤル
  • 0120-077-266
  • 祝祭日を除く月曜日から金曜日
    午前9時~午後5時

TOP