アサヒグループ様は2021年以降、「最適な場所で、能力を最大限に発揮し、期待を超える価値を創造する」ことを目的に、社員の気づき、知の共有、コミュニケーションといったエクスペリエンスを体現する場として、全国でグループシェアオフィスの再構築に取り組まれてきました。恵比寿オフィス(地上10階地下1階)の全面リニューアルもその一環。グループが目指す新しい働き方「Asahi work Life innovation」を実践する拠点の1つとして、グループの事業会社8社の主に首都圏営業部門(約1,100名)が集結するグループシェアオフィスとして新たな一歩を踏み出しました。このプロジェクトのパートナーに選定いただいた内田洋行は、ウチダグループの総力を発揮し、PM業務から空間設計、ICT構築、工事に至るまで、全面的にサポートさせていただきました。
「同じアサヒグループとはいえ、それぞれに特性や個性がある8社が集結するにあたっては、大小、さまざまな課題がありました」と、磯沼宏幸様。磯沼様は、プロジェクトの事務局を務められ、現在はアサヒグループ全体の管理業務を受託しているアサヒプロマネジメント株式会社の恵比寿ビル管理グループのリーダーのお立場で運用に携わっていらっしゃいます。
単に同じビルに入居するだけならば、割り当てられたスペースで個社が各々に使い勝手のよい空間を構築すれば済みますが、今回のプロジェクトはグループシェアオフィスの創造。グループが目指す新しい働き方「Asahi work Life innovation」を実践し、新たなアイデア創出やこれまでになかった視点を獲得するために、これまで交流のあまりなかったグループ社員同士の交流や、日々の議論の更なる活性化をいかに図るかが大きなテーマでした。
そこでキックオフから入居開始までの7カ月間、リアル+オンラインの総勢70名規模の定例会を週に1回実施。議題が多く、毎回、長時間に渡ったといいます。「内田洋行さんのご担当者は、そこで場を盛り上げながら実にうまく進行してくださいました。働き方変革、ワークプレイス変革において多くの知見や実績をお持ちなのは承知していましたが、今回、ご一緒してさすがだなと実感しました。当グループのことをしっかり理解して、調整役も担ってくださったおかげで、全社が納得しながらプロジェクトを進行できたと感謝しています」(磯沼様)。
定例会でまず決定したのは、ビル全体のコンセプトです。さまざまな情報や知見・知識が集まり、そこからグループ内の協働・共創が始まる最前線拠点ということで「E-BASE Camp」に決定。「E」には、Ebisu の他、Everyone、Enjoyといった意味も込められています。このコンセプトからフロアごとの展開テーマを導き出し、特性を実現する機能を実装していきました。
今回、このビルの象徴ともいえるのが、2階に設けたセレンディピティを生むフリースペースです。テーマは、新たな開拓や根付きをイメージした「地」。エリアに広がりを持たせ、ビッグテーブルやソロワークテーブル、ソファ、ドリンクカウンターといった多様な什器を備えることで、ビジネス、プライベートに関わらず、情報と人との偶発的な出会いにワクワクするような空間を構築しました。パーソナルロッカーを集結した2階に設けたことで、誰もが一度は立ち寄る場所となっています。さらに、グループフリーアドレスを採用したプロジェクトワークスペースの中央部分には、ビルに勤務する誰もが利用できるフリーディスカッションエリアを設置。フロアごとにテーマを設け、その特性を実現する空間設計を施し、プロジェクトの進行状況に合わせて議論の場が選択できるなど、ABWの効果を高めることに努めました。
ABWの実践にあたっては「誰がどこにいるかがわからない」ということが問題視されます。そこで、内田洋行は、オフィスワークナビゲーションシステム「SmartOfficeNavigator(スマートオフィスナビゲーター)」をご提案しました。これにより、コミュニケーションを取りたい相手が今どこにいるか、このあとの予定はどうかをリアルタイムに把握することが可能に。「今日は出社している?」といった確認いらずで、スピーディーなコンタクトを実現します。さらに、名前だけでなく所属会社や所属部署を検索し、新しいコミュニケーションの後押しにもなります。
「限られた時間の中で、グループ各社から出たいろいろな意見をまとめ、コンセプトに沿ってしっかりと形にしていただけました。あとは、この恵比寿オフィスをいかに運用していくかです」と磯沼様。
入居から1年経過したことで見えてきた課題もあるともお話くださいました。例えば2階のフリースペース。「本来のコミュニケーションやシナジーの活性化という目的に沿った運用が追いつかないままスタートしてしまったので、自由にソロワークができる場という認識に捉える人が増えてしまったんです」。みんなで、和気あいあいとコミュニケーションを取りながらランチをしようという時にソロワークの人が座っていると、使える場所が限定されます。そこで、磯沼様は11時半から2時間はランチ専用席を設けるなど運用面から対応。加えて、グループ間のコミュニケーションを活性化させるために、各社から選出したメンバーで構成された、通称「コミ担」の活動もスタートさせました。
9月には、異動に伴い恵比寿オフィスに勤務されるグループ社員の皆様の歓迎会を開催し、2日間でのべ100名を越える方に参加いただき、グループの垣根を超えたコミュニケーションが図られたということです。「運用に関して、最初が肝心ということを痛感していますが、その一方で、実際に入居してからこそわかる課題もあると思います。内田洋行さんはそうした部分のアフターフォローもしっかり行ってくださるので心強いです」と磯沼様。アサヒグループ様のチャレンジに対し、内田洋行は今後もご支援をさせていただきます。
今回の恵比寿ビルのグループシェアオフィスの構築に関し、我々のことを理解し、親身になって一緒に取り組んでくれるパートナーを選ぶことの重要性を再認識しました。このプロジェクトが無事に完了したのは内田洋行さんの導きがあってこそ、と感謝しています。あとは、このビルの機能を活用して「Asahi work Life innovation」を実践し、いかに成果を上げていくか。2階や各フロアのフリースペースを有効に利用できるよう、しかけづくりを積極的に行うなどコミュニケーション、コラボレーションの強化を実現したいと思っています。
アサヒプロマネジメント株式会社
総務業務部 恵比寿ビル管理グループ グループリーダー 磯沼 宏幸 様
グループ8社が集結し新たな価値創造を行うオフィス構築というビックプロジェクトに、内田洋行をパートナーとして選定いただき大変光栄でした。アサヒグループの皆様は良いオフィスを作り上げようと熱い気持ちを持った方々ばかりで、一緒に頭を悩ませた日々はとても楽しく大変貴重な経験となりました。ありがとうございました。これからもアサヒグループ様のより良いオフィスづくりをサポートさせていただきます。今後ともよろしくお願い致します。
株式会社内田洋行
オフィスエンタープライズ事業部 梶原 美希
今までにない新しい働き方、それを実践する場を追求されるアサヒグループ様の意向を汲み取り、それをオフィスのデザインとして表現することにとても頭を悩ませました。いろいろやりとりをさせていただきましたが結果的に、アサヒグループ様にご満足いただける仕上がりになったのではないかと自負しています。自分自身、とてもやりがいのある仕事でした。ありがとうございました。
パワープレイス株式会社
デザイナー 高柳 博成
グループ理念“Asahi Group Philosophy”のもと、アサヒグループが世界に大きく飛躍するために、日本におけるさらなる成長を目指されているアサヒグループジャパン様。アサヒビール、アサヒ飲料、アサヒグループ食品をはじめとする事業会社それぞれが、ステークホルダーとの共創を大切にする中で培ってきた知見を結集することで、次代へ向けた価値創造による成長と社会との共生を実現するべく注力されています。今回のグループシェアオフィスの構築のねらいもそのひとつ。すべての社員が「One Asahi」となって手を取り合い、お客さまに寄り添ってご期待に応えられる唯一無二の企業になるための挑戦はまだまだ続きます。
アサヒグループジャパン株式会社 企業サイト※記事内容や役職等は取材当時のものです。(2023年7月取材)