いま、働き方が再定義されようとしています。テレワークから出社回帰、働く場も多様化し人とのかかわり方も変わっていくなか、自分らしく、よりハッピーに働くにはどうしたら良いのでしょうか?連載コラム「働き方の再定義 ~なりたい自分になるためのヒント~」では、株式会社圓窓 代表取締役 澤円(さわ まどか)さんと一緒に「はたらく」について考えていきます。
こんにちは、澤です。
今回は、一旦仕事を離れて「なりたい自分」にフォーカスしてみましょう。
皆さんは、子供の頃に何になりたかったですか?
よくある答えは、男の子ならサッカー選手やパイロット、女の子ならお花屋さんやケーキ屋さんが王道でした。
今では、YouTuberやイラストレーターなども入っているようですね。
ボクは子供の頃はとにかく運動神経が鈍くて、強いコンプレックスを感じていました。
なので、なりたいものが「運動会のリレーの選手」という、実にささやかなものでした。(結局なれなかったけど)

「なりたいものになる」という観点において、最近の動画生成AIは恐ろしいパフォーマンスを発揮してくれます。
動画生成AIとして話題をさらっているSORA2を使って、ボクもずっとやってみたかったバック転をする動画を作ってみました。
このように、AIは「なりたい自分」を簡単に作り出してくれるようになりました。
まずは、ChatGPTに、以下のようなお願いをしました。
「サンフランシスコの海岸で、ボクが体操選手のように連続でバック転を連続で決めている動画を作るためのSORA2用のプロンプトを作って欲しい」
また、プロンプトは英語で作った方が確実性が増すということなので、英訳も同時にお願いしました。
何度かのやり取りの結果、出てきたプロンプトは以下の通り。
@madoka_sawa performs continuous, perfectly executed backflips along the coastline of San Francisco at sunset.
He flips repeatedly and gracefully without stopping, maintaining perfect form and rhythm like a professional gymnast.
The camera is a drone flying smoothly above and around him, following his motion in one continuous tracking shot.
The sun casts a golden glow over the waves and the beach, and the Golden Gate Bridge can be seen in the distance.
His movements are fluid, powerful, and elegant, blending athleticism with cinematic beauty.
No dialogue or music ? only the sound of the ocean and wind.
Ultra-realistic, cinematic 4K tone, gentle slow motion, aerial drone perspective.
日本語にするとこんな感じ。
夕暮れのサンフランシスコ海岸線沿いで、@madoak_sawaが完璧なバックフリップを連続して決める。
プロの体操選手さながらの完璧なフォームとリズムを保ち、止まることなく優雅に繰り返し宙返りを見せる。
カメラはドローンが彼の頭上と周囲を滑らかに飛行し、一つの連続したトラッキングショットで動きを追う。
夕陽が波と浜辺に黄金の輝きを投げかけ、遠くにはゴールデンゲートブリッジが見える。
彼の動きは流麗で力強く優雅、運動能力と映画的な美しさが融合している。
台詞も音楽もない??聞こえるのは海と風の音だけ。
超リアルな映画的4Kトーン、穏やかなスローモーション、空撮ドローン視点。
そしてできたのがこんな動画。
※実際の動画はこちら(SoraのWebサイトへリンクします。ログインしてご覧ください)

今までできたためしのないバック転を、連続で決めている動画ができました。
プロンプトを作り始めてこの動画に辿り着くまで、10分。
生成AIの進歩を感じるには十分な体験でした。
このように、今までなら専門知識がないとできなかった動画の作成も、日本語で文章を書くだけで出来上がります。
何が出てくるかわからないという不確実な部分があるものの、「こんなのできないかな?」というぼんやりとしたイメージを言葉にするだけで動画などが生成されるのは、数年前なら考えられない技術の進歩と言えるでしょう。
生成AIの発展については、毎日さまざまな議論が活発になされていますが、ボク自身はめちゃくちゃポジティブに捉えています。
今まで時間がかかりまくっていた作業の大半を簡単なプロンプトで受けてくれるようになり、人間は自由に使える時間がどんどん増えていきます。
今までは、「やらなくてはならないこと」と言われていた「作業」に多くの時間を費やしてきました。
しかし、生成AIは一気にその「作業」を引き受けてくれるようになりました。
となると、人間は何をすればいいのか、という実に大きな問いが持ち上がってきます。
ボクは自由に使える時間を「なりたい自分になるため」に使えばいいと思っています。
最近、ボクがあちこちで実施しているワークショップがあります。
これは、「向いてるー向いてない」と「やりたいーやりたくない」の二軸で自分の考えをまとめるというものです。

自分が今向き合っている仕事を、それぞれの象限に割り当てていくことで、自分のキャリアをデザインするというワークなのですが、これがなかなか好評をいただいています。
そして、この四つの枠で左下にある「やりたくないし向いてない」の領域に入るものこそが、生成AIをはじめとしたテクノロジーにやって貰えばいいものだとボクは考えています。
向いてないしやりたくないことは、大抵の場合時間がかかったりストレスを感じたりするものです。
いかにその時間やストレスを軽減するかというのが、生成AIを使いこなすヒントになるのではないかと思っています。
左上の「向いてるけれどもやりたくない」ことについては、自分のノウハウを生成AIに学習させて、自動化させることがしやすい領域です。
やりたくないことをやらずに済むのは、これまたストレス軽減には効果的ですよね。
ボクのバック転の動画は「やりたいけど向いてない」という右下の領域を動画にしたわけですね。
これは、動画の中で満足するのも一つの方法だし、「実際にできるようになるイメージを作る」という意味を持たせることもできます。
そして、「向いているしやりたい」という右上こそ、時間を投下する価値のある領域と言えるでしょう。
生成AIは、この部分を最大化するための相棒となってくれる存在だと言えるでしょう。
この四象限のワーク、よかったらご自身で試してみてください。

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