第1回:「働く」の現在地 - 知的生産性研究所のナカシマコラム

ハイブリッドワーク これからの働き方

2020年、「働く」を取り巻く環境や認識は大きく変化しました。この1年以上に及ぶパンデミック禍の中で、何を経験し学習できたのでしょうか。また、未来のためにどのようなことを考えていくべきなのでしょうか。「知的生産性研究所のナカシマコラム ~働くを前へ。働くを明日へ。(全5回)」では、それらの問いを、社会環境の変動と進化する働き方を30年あまり見つめてきた知的生産性研究所の所員の視点から紐解き、これからの働き方を皆さまと一緒に考えていきたいと思います。

ハイブリッドワークへのシフトは本当に進んでいるのでしょうか。
今更語るまでもないことですが、2019年に起きた世界規模のパンデミックによって働き方に大きく変化が生じ、日本でも多くのワーカーが同僚や上司・部下と働く場所を同期しない働き方を経験しました。

センターオフィス以外の場所も働く場の選択肢に入れるといった考え方自体は以前からあったものの、あくまで実験的な導入、もしくはうまくいかなかった事例の方がはるかに多く、完全在宅勤務制度を導入していた企業も結局は原則出社の制度に戻してしまうなど、働き方の移行はなかなか進まないのがハイブリッドワークを取り巻くこれまでの状況でした。しかし、パンデミック時の移行では、多くの企業にとっては緊急対策としての段階も踏めないような導入であったにもかかわらず、想像以上にうまく対応できていたように思えます。

私自身もこの移行を体験したワーカーの一人でしたが、「自宅でも十分仕事ができる」と感じたことを覚えています。知的生産性研究所で実施したWebアンケート調査によると、一人で行う作業はもちろんのこと、他人と協力する必要のある共同作業についても問題なくできると答えた人が78%いました。このことからも、多くのワーカーが初期段階の移行については手ごたえを感じていたのではないでしょうか。

共同作業をテレワークで実施することは可能ですか?
知的生産性研究所:新時代のワークスタイル考察(2020.11調査)

さて、話をハイブリッドワークに戻しましょう。
初めの緊急事態宣言から1年以上の時間が経ち、ウイルスの新規感染者数も落ち着いてきた状況下で、通勤の時間帯における電車内の様子や台風・地震等による交通機関のトラブル発生時に混雑する駅の映像などを見ると、あまり新しい働き方への移行が進んでもないとも感じてしまいます。

そこで実態を見るべく、国土交通省による調査を参照すると、雇用型の就業者(収入のある人、かつ自営業・自由業・家庭での内職以外の仕事を本業にしている)の内、19.7%のワーカーが制度等に基づいたテレワークを実施しています。この数字は、平成29年に閣議決定されたテレワーカーの割合の目標値である15.4%を上回っています。
出典: 国土交通省 テレワーク人口実態調査

さらに、前述の知的生産性研究所で実施したWebアンケート調査によれば、比較的リモートへの移行がスムーズにできると考えられる、上場企業や大企業のホワイトワーカーという条件においては、2020年11月時点では63%、2021年1月時点で58%、6月時点では73%ものワーカーが平均して週1日以上の頻度で在宅勤務を実施していました。全体を通して6~7割程度と、比較的高い割合で在宅勤務が継続的に実施されていることがわかります。

平均して週1日以上在宅勤務を実施するワーカーの割合
知的生産性研究所:新時代のワークスタイル考察(2020.11調査)

もちろん、2021年という年は、9月末時点でも東京では211日間、大阪では162日間もの期間にわたって緊急事態宣言が発令されていることなどから、かなり特殊な状況だと言えます。しかし、国内外の企業動向を見ても、リモートへの移行が可能な職種や業種においてはただの安全確保のための手段という枠を超えて、新しい時代の働き方の制度として活用や定着が進みつつあると考えられます。

このように、パンデミックによる変化でオフィス以外の場所でも働くハイブリッドワーカーがもはや例外的な存在ではなくなりました。そして今、多くの企業を悩ませていることはこのハイブリッドな働き方を継続するか否か、ということではないでしょうか。

継続の判断は簡単にできるものではありません。移行に伴うメリットも十分に体感できた一方で、困り事や心配事も露呈しているからです。パンデミック以前からある問題はもちろんのこと、「同僚との気軽なコミュニケーションの取り方がわからない」、「上司とほとんど会わないため正当に評価をしてもらえるか心配」、「リモートだと若手育成が進まない」などこれまではあまり耳にしなかった困り事も散見されます。仕事を取り巻く前提が大きく変わった今、向き合うべき課題も変化しつつあります。

今後、安全確保のための在宅勤務がウイルスの終息と共に減少していくことは予想されますが、ハイブリッドワークへのシフトは進み、全く以前の働き方に戻ることも難しいように思われます。新たな課題への対処とメリットの活用、そのバランス感覚が企業側へと求められていくでしょう。あなたの企業におけるバランスはどうでしょうか?

著者
著者中島 崇博(株式会社内田洋行)
知的生産性研究所のコンサルタントとしてお客様の働き方改革プロジェクトを現場でご支援する傍ら、オフィスや働き方に関する文献調査、レポート作成などを担当している。携わった主なプロジェクトは、経営幹部意識改革プロジェクト(製造)、 働き方変革プロジェクト(サービス)、製造工場改革プロジェクト(製造)など。

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