最終回:ここが分岐点!コロナ後の働き方は社員の幸福、well-beingに通じる - 白河桃子の働き方改革コラム -

コロナ後 新しい働き方

コロナ禍になってから、すでに1年超。コロナで私たちの生活は大きく影響を受け、特に働き方に関しては2020年「パラダイムシフト」が起きました。これから私たちの「働き方」はどのように変わっていくのでしょうか?白河桃子氏による連載コラム「働き方のパラダイムシフト(全6回)」では、ビジネスパーソンの方へ、未来志向でこのパラダイムシフトをチャンスとして生かすための Tips をご紹介いたします。

緊急事態宣言も解除となり、ワクチンの摂取率が上がり、徐々に社会が開かれつつあります。すでに社会を動かしている、他国の状況から日本の今後を考えてみましょう。あなたの会社の働き方は?コロナ後にどう向き合いますか?

新型コロナ肺炎のパンデミックによる移動の制限は、「働く場所の柔軟化」という思わぬ働き方のパラダイムシフトを進めました。さてそれでは今後、withコロナ、postコロナの働き方をどうするのか?
企業経営者に聞くと多くの企業が迷っています。コロナがおさまったらすぐに「強制出社」という企業もあれば、テレワークという選択肢をどう残していくべきか迷っている企業もあります。
テレワークの制限もすでに始まっています。今後は「週一日」「週二日」など、制限付きでテレワークを運用していくという企業です。
「テレワークは緊急対応のためなのでもう終わり」という会社もありますが、それはちょっともったいない。コロナで進んだテレワークは今後「働き方の選択肢のひとつ」という武器にもなります。その選択肢を持たない会社は「選ばれなくなる」リスクもあります。
なぜなら、テレワークを経験した人の「時間」の概念が変わったからです。テレワーク経験者は、場所の柔軟性だけでなく「時間」の効率と柔軟性を求めます。仕事に使える時間は「無限」ではなく「有限」であることがわかったからです。
現場にいかなくてもできることを、わざわざ1時間の移動時間をかけてやる。その感覚がテレワーク経験者には「非効率的」と思える。通勤時間の2時間があれば、ほかにできることを今まで捨ててきたのだと実感しています。
今後は「移動しなくてはできないこと」と「移動しなくてもできること」を分けていく「ハイブリッド勤務」、その配分はそれぞれのチームが「ベストミックス」をみつけていく。これがポストコロナの最適解でしょう。

コロナが終わったから、「会いましょう」というのは簡単です。しかし往復2時間かかる場所だったら?対面にこだわることで、犠牲になった生産性があった。それに気がついたら、もう次のフェイズに行くしかないのです。非常にシンプルなことで「自分の時間」を大切にするように、「他人の時間」も大切にすればいいということです。
また「効率性」を担保するデジタル化もコロナで急速に進みました。テレビのCMでも「会社に行かなければならない経理の仕事」を昭和としてアピールしているものがあります。紙とリアル出社に支えられたバックオフィス業務などは、もっとも効率化が進む分野になるでしょう。

週休3日という新しい働き方は?

働き方のさらなる未来形といえば「週休3日」などの根本的な働き方改革です。2020年6月、政府の「骨太の方針」に「選択的週休3日制」が盛り込まれています。
先駆者として、実験、実施をしようとする企業もあります。みずほフィナンシャルグループ、リクルートグループ、日本マイクロソフト、ファーストリテイリング、Zホールディングス、佐川急便などです。
行っているのは以下の3つのタイプです。
① 時間も給与も減らす
② 給与は減らさず効率をあげる
③ 給与は減らさず稼働日の時間を長くする

① は役職定年後の社員などに適用することで「人件費削減」になるという考え方もあります。しかしこの制度のメリットは ② ③ のように「社員の力を最大限に発揮してもらうこと」です。その目的に向かって、どのような時間の使い方がベストかという議論が導いたものです。その過程に「移動時間を減らす」という場所の柔軟性も入ってきます。
労働時間を短くし、しかし生産性を落とさないことは可能なのか?
時間が短くなって仕事が溢れる場合、以前は「人手」を増やすか、今いる社員の時間を増やすことで対応していましたが、今はさまざまなITによる効率化があります。効率化して時間に余裕ができたらさらに違う仕事をしてもらいたい。経営者としてはそんな思惑もあるでしょうが、忘れてはいけないのが「人の労働時間は有限」だということです。24時間働くロボットやAIとは違います。

社員が、どのようにしたら健康で持続可能で、持てる個人の能力を精一杯発揮することができるのか?
ここに「社員の幸福への投資」というデータがあります。アメリカでは「従業員の幸福」と生産性の両立に関する研究が盛んです。「幸福度の高い従業員の創造性は3倍、生産性は31%、売上げは37%高い」という結果が得られており、また病欠、離職、燃え尽きなどの確率も顕著に減少します。幸福という言葉が耳なれない場合は「well-being経営」と置き換えてもいいでしょう。

それでは社員を幸福にするwell-being経営とはなにか?
組織の健全性なども必須ですが、社員が自律的に働ける制度設計も大切です。時間や場所に縛られず、また、今目の前の仕事意外のやりたいことができる時間もある。家庭生活、趣味、ネットワーキング、勉強、スポーツなど。今目の前の仕事以外をすることが、いずれは仕事に寄与することも働き方改革の狙いでもあります。
例えば「男性育休1ヶ月」の100%実施をしている積水ハウスですが、その効果は「会社へのロイヤリティも上がっているし、予想通り生産性も下がっていません」(仲井嘉浩社長 積水ハウス)
という言葉にあらわれています。働き盛りの男性社員が1ヶ月休みをとってもロイヤリティ向上という効果があります。社員を幸せにするためにと仲井社長はイクメン休業制度の目的を語っています。これも「男性育休」という「働き方改革」の一つです。

社員の幸福と生産性の両輪が回りだす。それこそが働き方改革の醍醐味です。
未来の望ましい働き方、その答えはひとつではないのですが、「場所と時間の柔軟な働き方」や「週休3日」は、大きな役割を果たすものと感じています。ぜひコロナで得たさまざまな体験を生かし、未来の働き方に大きく舵を切っていただきたいと思います。

出典:ハーバード・ビジネス・レビュー JAN-FEB 2012


[2021.11.02公開]

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