いま、働き方が再定義されようとしています。テレワークから出社回帰、働く場も多様化し人とのかかわり方も変わっていくなか、自分らしく、よりハッピーに働くにはどうしたら良いのでしょうか?連載コラム「働き方の再定義 ~なりたい自分になるためのヒント~」では、株式会社圓窓 代表取締役 澤円(さわ まどか)さんと一緒に「はたらく」について考えていきます。
皆さん初めまして、澤と申します。
株式会社圓窓の代表取締役をやっております。
といっても、ボクしかいない、いわゆる「ぼっち社長」です。
一人でのんびりと仕事をしています。
今回から「働き方」をテーマに連載をさせていただく運びになりました。
第一回のこの記事では、ボク自身が「働く」をどうとらえているのかについて書いてみたいと思います。
ボクは1993年に社会人になりました。
バブル崩壊元年、といったあたりですね。
幸い就職はまだ氷河期には入っておらず、複数の会社から比較的楽に内定をもらうことができました。
そのうちの一社に入社することをぼんやりと決めて、内定者懇親会などにも出たのですが、どうしてもその会社で数十年勤務するイメージがつかめずに、大学の4年の12月に内定を辞退してしまいました。
氷河期時代なら自殺行為ともいえるこの行為ですが、当時は「まぁどうにかなるかな」と思えたのはラッキーでした。
そこで初めて「自分は何をしたいんだっけ?」「自分は何をしたくないんだっけ?」ということを自問自答しました。(遅すぎ)
そこで考えたことが・・・
この二つに集約されました。
どう見ても薄っぺらいですね(苦笑)
ここまで集約されてから選んだのが、プログラマという職業でした。
内定辞退をして仕事をゼロから選べるようになったとき、「憧れる仕事」についてあれこれ考えました。
そして行き着いた一つのロールモデルが、映画007シリーズに登場する、「Q」というキャラクターです。
Qは、主役のジェームズ・ボンドが乗る車や扱う武器などを、最新のテクノロジーを駆使して開発するエンジニアのリーダー。
長年、おじいさんが演じていたのですが、最近の作品では若返って青年になっています。でも担う役割は変わっていません。
ジェームズ・ボンドはQがいなければ、30秒もたたないうちにあの世行きでしょう。
それくらい、映画の中で重要な役割を担っているのです。
ただ、あくまでも黒子であり、裏側から支える役どころ。
でも、主役はこの人がいなくては生きていけない。
これこそ、ボクが目指す仕事人像ではないか!!と気づいたのでした。
とはいえ、ボンドのために車を作る仕事はちょっと見つけられないので、他のアプローチはないかなと思ったときに、プログラマという職に行き着いたのでした。
ボクは経済学部出身で、高校からはすっかり理系から遠ざかった生活をしていました。
ただ、幸いなことに家にはずっと昔からPCが置いてありました。
というのも、兄貴がバリバリの理系で、発売されたばかりのPC8001やPC8801などを家に持ち込んでカタカタやっているのを横で見ていたのです。
そのため、パソコンというものにはまったくアレルギーはありませんでした。
これ、大事なところですよね。
仕事の内容にアレルギーを感じてしまうと、どうしても続けることができません。
ボクが仕事を続ける上で大事な要素と定義しているのが、この「アレルギーがない」ということです。
アレルギーがあるのに、続けているとどうなるか。
どこかのタイミングで、心身が折れてしまうのではないでしょうか。
仕事というのは、「自分に嘘をつくことなく続けられる」というのが極めて大事なことだと思っています。
大変な思いをしたり、つらい思いをすることで成長する場面もあると思います。
でも、「自分に嘘をついて働かせる」というのは、もっとも深刻なダメージを与えることになりかねません。
ボク自身、正直プログラマの仕事はとてもしんどいものでした。
なにせまったく理解できないことの連続で、エラーを出し続ける画面に呪いの言葉をぶつける日々でした。
でも、まだやっている人が多くなくて、かつ文系ならほとんどいないプログラマという職業に就いているのは、ボクにとっては非常にいい経験でした。
そして、転機が来ます。
そう、インターネット元年です。
ネット時代の到来によって、世の中にリセットがかかりました。
誰もが初心者に戻ったのです。
この瞬間に立ち会えたのは本当に運がよかったです。
ボクは、当時の最高スペックのパソコンをローンで購入し、毎日必死にネットサーフィンしまくりました。
ただ遊んでいただけなんですけど、どんどん発展していくネットの世界にのめりこみました。
そして、社内ネットワークとインターネットがつながる時代に一気に突入し、ビジネスのありようが大きく変化しました。
1997年にボクはマイクロソフトに転職し、そこでもえらい苦労はしたものの、とても充実したサラリーマン人生を送ることができました。
マイクロソフト時代の仕事のことについては、また連載の中で触れていくことにしましょう。
ボクにとって働くということは、自分をユニークな存在にしてくれるものだと思っています。
これは、働き始めた当時からずっと変わっていないようです。
結果的に、常にボクが自分に嘘をつくことなく受けられる仕事に、ずっと巡り合うことができています。
今、世の中は「個の時代」になりました。
会社というプラットフォームに乗っかっていたら安心、という時代は終わりを迎え、個としてのビジネスパーソンの立ち方が問われる時代になっているのです。
でも、これって自分なりの幸せを追求できるってことでもあるので、いい時代だと思うんですよね。
なりたい自分になることを仕事が後押ししてくれるって、ステキじゃないですか?
この連載を通して、そんな考え方をお伝えできたらいいなと思っています。
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[2024.7.29公開]
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