生産性・効率性を上げる会議環境作り

運用の容易さを高めるアイデア

【要件】
● 会場のセッティングが短時間でできる
● 誰でも簡単に会議機材や設備を利用できる
● 目的や人数に合わせてフレキシブルに利用できる
● ファシリティの利用予約管理が容易にできる

1. 環境制御システム

便利なICTシステムですが、専門の担当者がいなければ使用できないシステムであると、せっかく導入したにもかかわらず効果を上げることができません。特に機器の台数が多く、さまざまなメーカーの機器を使用する場合は、リモコンのボタンの配置や操作方法も異なるために、覚えるのも大変です。

装備する機器台数が多い場合には、専用の制御システムを導入すると、簡単なユーザーインターフェイスのシステムで操作することが可能です。会議開始前に機器の事前準備に時間を要したり、操作方法がわからないということを減らすことができます。

専用の操作端末を使用するものの他に最近ではiPadなどの汎用的なタブレット端末で操作できる比較的安価なシステムもあります。

2. 会議室予約管理システム

会議室の予約管理にはグループウエアや Excel などのシートを活用している企業が多いと思います。ただし、これらのシステムはあくまでも予約の管理をするまでで、実際の利用の管理をすることは困難です。その結果、予約はしているが実際には利用されていない、いわゆる「空から予約」の状態が発生することがしばしば見受けられます。予約上はすべての会議室が埋まっているにもかかわらず、部屋は空室ですので、施設が非効率な運用になるばかりか、適切なタイミングで会議を開催することができない事態が発生するのです。

会議室予約管理システムでは、部屋前にタッチパネル式の小型ディスプレイを設置し、予約者が使用前に入室ボタンを押すことで、初めて予約が有効になる機能を持っています。入室ボタンを押さない限り、一定の時間で予約は自動的にキャンセルされる仕組みですので、空予約を減らすことができます。利用ログを取り出せるものもありますので、部署や個人別の利用状況や、部屋、付帯設備の利用状況を分析することで、継続的な施設の運用改善も可能です。


ここまで、会議の生産性や効率性を上げるツールを、ICTシステム中心にご紹介してきました。技術の進歩とともに、今までできなかったことが容易に実現するということが増えています。しかし、ただ単純に装備を増やすだけでは、生産性の向上には結び付きません。利用者が十分に活用し、運用が定着して初めて効果を上げることができると考えます。そのためには、どのような用途で何のために利用し、どのような効果を求めるのか、という要件をしっかりとまとめた上で、会議室の設計やICTシステムの導入を計画することが重要です。

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