生産性・効率性を上げる会議環境作り

創造性を高めるためのアイデア

創造性を求められる会議シーンというと、ブレインストーミングや企画会議などが挙げられます。

主な要件としては以下の項目です。
● 会議での情報の流通量を高める
● 参加者全員が多様な意見を表出しやすい
● 情報を比較検討しやすい
● 即興的に情報を提示できる

参加者の持つ情報やアイデアを容易に表出させ、できるだけ多く会議参加者に共有させることが、ディスカッションをより活性化させます。以下に、活性化を促進させるICT機器を紹介します。

1. ホワイトボード/電子ボード

意見やアイデアを書き出すホワイトボードは、いうまでもなく情報を可視化し共有するために必須のアイテムといえるでしょう。できるだけたくさんの情報を書き出すほか、整理、追記していくことを考慮して、壁一面の大型のホワイトボードや、必要に応じて持ち込める小型の可動式ホワイトボードも便利です。

パソコンと大型ディスプレイやプロジェクターを組み合わせて使用する、電子ホワイトボードも活用できます。電子ホワイトボードを使用すると、ホワイトボードの機能に加え、板面の面積に依存せずに書き出していくことが可能です。板書が電子データとして保存されていますので、前回の振り返りやディスカッションをさかのぼって議論の確認をすることができます。

電子ホワイトボードの特長として、書き出した情報は電子的にオブジェクト化していますので、ボード上で位置を動かすことができます。この機能は、KJ法やポートフォリオ検討では有効です。写真や図表などを挿入することもできますので、それらを貼り込んだ上に注釈を入れることも容易で、よりわかりやすい情報の共有が可能です。また、電子ホワイトボードは、パソコンのデスクトップ画面を大画面表示する装置としても利用できます。パワーポイントで作成したコンテンツを電子ホワイトボードで投影し、議論した内容を直接パワーポイントのデータに書き込めるので、メンバーの意見を書き込むなどして共有するのに便利です。

▼選定のポイント

電子ホワイトボードは、高機能なボード一体型の据え置きタイプと、持ち運び可能な小型ユニットタイプなどがありますので、運用・用途に合わせて選択します。

基本的な機能はおおむね近いものが多いですが、誰にでも操作が容易か、書き心地は良いか、再利用しやすい方法で板書を保存できるかなど、単純な機能比較では判断の難しいポイントもありますので、購入前にはできるだけ実機で確認されることをお勧めします。

ボード一体型の据え置きタイプ
SmartBoard

小型ユニットタイプ
Deldea

2. 大型ディスプレイ&プロジェクター

参加者がパソコンに格納した情報やアイデアを共有するために、プロジェクターや大型のディスプレイを用意しましょう。大画面に投影し可視化することで、情報の共有、理解の促進と、そこからの新しい発想が期待できます。

▼選定のポイント

利用する人数や部屋の面積、レイアウトにより、サイズや台数を選定します。投影コンテンツや会議のスタイルにより、高精細なディスプレイまたは、大型投影可能なプロジェクターを選定します。また、投影するパソコンやコンテンツによって、表示装置の解像度や画面アスペクト比(縦横の比率)の適切なものを選定します。

プロジェクターの投影方式は、液晶、DLP、LCOS等複数の方式がありますが、価格、寿命、色の再現性などでそれぞれ特徴がありますので、同じく用途に合わせて選定しましょう。スクリーンの前でプレゼンテーションなどを行う際に、超短焦点や短焦点タイプのプロジェクターを使用すると、発表者がスクリーンに近づいても投影面に発表者の影が落ちにくいのでお勧めです。

3. ワイヤレス投影システム


無線対応プレゼンテーション用機器
ClickShare(クリックシェア)
プロジェクターやディスプレイへの画像の表示は、通常ケーブルで接続して行います。しかし、ケーブルの場合、発表者が代わるたびにケーブルの受け渡しや接続に時間が取られ、ディスカッションの流れを妨げることがあります。また、他人が使用しているケーブルを外して借りることに心理的な障壁を感じる人もいますので、共有すると効果の高い情報であるにもかかわらず、表出せずに個人が持ったままになることもあるでしょう。

これらの対策として、ケーブルを使わずに無線でパソコンの画面を投影する装置を活用する方法があります。
このような装置を利用すると、参加者全員が情報を発信したいタイミングでデータを投影できますので、会議でやり取りされる情報の量は格段に増加します

最近、導入の進むタブレット端末やスマートフォンに対応している機器では、さらに多様な情報を気軽に共有することもできるでしょう。

また、ディスプレイやプロジェクターの仕様によって、VGA、HDMI、DVI、ディスプレイポートなど複数の接続コネクタタイプがありますので、無線化することでそれらの利用条件の違いを一元化し同じユーザーインターフェイスで使用できる利点もあります。

プロジェクターにパソコン画像を投影開始するまでに、あなたの使用する会議室では通常何分程度かかっていますか? うまく機器をつなぐことができず、15分程度格闘したのちにようやく遅れて会議が始まったという経験はあるのではないでしょうか?

もし、毎回 10 分程度準備にかかっていたとすると、どれくらいのロスになるでしょう。
たとえば、ある会議室で 5 名参加の会議が 1 日 5 回行われ、社員の人件費が 1 時間当たり 4,000 円とします。そうすると、以下の計算式で、準備にかかるロスタイムのコスト換算ができます。

[ 5 名 × 5 回 × 5 日( 1 週)] × 4 週( 1 か月)× [ 10 分 / 60 分 × 4,000 円 ] = 約 33 万円 / 1 か月

ICTシステムを導入することで、このロスタイムがなくなるのであれば、投資する価値はあると考えられます。

4. マルチスクリーン

複数の表示装置を装備することで、異なる情報を比較検討することや多面的なインプット情報を表示させることが可能です。片面に会議のアジェンダを表示しておけば、参加者が絶えず議論の流れや会議のゴールを意識してディスカッションする助けになるでしょう。

前項のワイヤレス投影システムと組み合わせると、参加者から関連する情報やアイデアなどが次々に投影されるので、活発な意見交換やタイムリーな情報共有が行われ、より議論のスピードアップやアイデアの創出が期待できます。

TOP