キリンビール株式会社神戸工場様見学施設リニューアル事例紹介

お客様とのつながりを生む工場見学。より楽しく、身近に感じていただける仕掛けを取り入れた、おもてなしの場を構築。

業種：: ビール製造

1997年に操業を開始した、キリンビール神戸工場。見学施設「キリンビアパーク神戸」は、年間約15万人が訪れる人気の施設です。このたび2014年2月にリニューアルオープン。見学ルートの設計・デザイン、コンテンツ、一部什器を内田洋行が担当しました。

お客様の課題

・お客様を飽きさせず、見学時間を楽しんでいただきたい。
・おもてなしの心を表現したい。

UCHIDAの支援

・見学ルートの導線や個々のブースにおける滞在時間の見直し。
・キャラクターの投入で、エンターテインメント性を向上させる。

導入された商品・ソリューション

ポイント紹介

施設来訪者すべてを「おもてなし」したい

キリンビアパークは、週末ともなるとお子様連れのファミリー層でいっぱいになる、人気の施設。見学コースはツアー形式、見学が40分、試飲20分の合計60分のツアー形式です。
「お子様が飽きてしまったり、大人数の時には後方にいらっしゃるお客様にはどうしても説明が届かない状況があったりと、課題も多くありました。」そう話すのは、キリンビール神戸工場　工場長の石島さん。「こちらからの一方的な説明ではなくて、お客様が楽しんで帰っていただけるような、おもてなしを表現したいと考えました。」（石島さん）
その想いを形にするため、内田洋行の担当者は何度も工場見学コースに参加し、お客様の目線で解決策を提案しました。

JR三田駅から出ている、ラガーバス

ツアーのスタート地点はバスストップ

誰もが楽しめる、キャラクターを介したコミュニケーションの仕掛け

そこで登場するのが「ガンブリヌス王」です。諸説ありますが、ビールを世界で初めて製造した人物、ビールの王様と呼ばれる「ガンブリヌス王」を、お子様にも親しみやすい可愛らしいキャラクターに仕立てました。随所に映像で現れる王様は面白おかしく説明したり、ツアーガイドと掛け合いをしたりと、これまでにない見学スタイルが生まれ、お客様との接し方に変化が起こりました。
日々、現場で課題と向き合っていた、広報担当の中川様も「試飲がお目当てで来ているお客様にとっては、40分の説明時間はガマンの時間（笑）。」と言います。ガンブリヌス王は、キリンビール神戸工場の魅力はしっかりとお伝えしつつ、そのガマンの時間を短く感じさせてくれる存在。「ツアーガイドもキャラクターとの掛け合いを楽しんでいるので、その楽しい気持ちがお客様にも伝わっているのではと感じています。」（中川さん）

地域とのかかわりで、さらに工場の存在価値が向上

神戸工場ではJA兵庫六甲と協働で、毎月1回「ひょうごマルシェ」を開催しています。地元の農産物を取り扱う朝市です。また、レストランではオリジナルメニューも楽しむことができます。
「最近では、マルシェ目当てに来てくださる方も増えてきました。季節のオリジナルカクテルが好評です。」（石島さん）
また、環境配慮型の神戸工場は、県内の小学生が環境について学んだり、地域の方々が施設見学とビオトープの散歩を組合せたイベントを行ったり、と、工場見学の役割も広がり、ますます地域に愛される存在となっています。

ご担当者様の声

キリンビール株式会社

執行役員神戸工場長

石島寿也様

施設のリニューアルと言えば、設備やデザインだけに気持ちが行きそうですが、内田洋行は工場見学全体をよりよくするためにどうしたらよいのか、ソフト面も一緒に考えてくれました。何度も足を運んでツアーに参加してくれて、お客様目線で提案いただいたことが一番響きました。現在は、ツアーガイド以外の従業員も積極的に見学ツアーに参加して、一緒に工場見学の在り方を考える活動もあり、従業員同士の新たなコミュニケーションが生まれています。

キリンビール株式会社

神戸工場総務広報担当

中川寿子様

子供が誕生した喜びの乾杯、成人して大人の仲間入りの乾杯、新たな門出を祝う結婚式の乾杯、故人を偲び杯を捧げる献杯…。楽しい時も悲しい時も、人生の様々な場面にキリンが寄り添っていたいと常に思っています。そのために工場見学の役割は大きく、大切な場であると考えています。より身近に感じていただき、心地の良い時間を過ごしていただける場所でありたいです。

キリンアンドコミュニケーションズ株式会社

古田亜沙香様

ガンブリヌス王の登場によって、これまでとご案内の仕方が変わりました。より自分たちの言葉で、お客様をいかに楽しませることができるか、私たちも楽しみながら模索しています。

担当営業・デザイナーの声

株式会社内田洋行

オフィスマーケティング事業部

西日本営業部

上田孝尚

見学コース改修の話が持ち上がった時は「どうやって内田洋行らしさをアピールして受け入れてもらうか」を考えていましたが、先方の担当者にヒアリングをさせて頂いたり、見学コースに参加したりしているうちに、”ビール造りに対する想いや真面目さ”がひしひしと伝わってきて、「神戸工場の皆様の想いを伝えるお手伝いをしたい！」と思うようになりました。
改修の実施に当たっては、キャラクターの考察から演出に至るまで、工場長様、副工場長様、ご担当者様から気持ちのこもったご指導を頂き、制作メンバーも想いに応えられるよう精一杯奮闘した案件でした。すばらしい現場にして頂き、神戸工場の皆様に心より感謝しております。

（2014年10月取材）