「組織の力は社員個々の力の総和」という考え方のもと、近年、社員のワーク・ライフ・バランスやエンゲージメント向上、加えて女性の活躍推進をはじめとするD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)に注力されているセコム株式会社様。その一環としてこの度、コントロールセンターの休憩&待機エリアの全面的なリニューアルを行われました。
内田洋行は、長年セコム様とお取引をさせていただいている株式会社文祥堂(内田洋行の販売パートナー)とタッグを組み、対象10ヶ所を短期期間で仕上げるという難易度の高い取り組みをご支援いたしました。
「セコム、してますか」というキャッチフレーズのインパクトで、社名そのものが「ホームセキュリティ」や「防犯対策」の代名詞になっているセコム株式会社様。日本初の警備保障会社として創業して60余年、社会の「安全・安心」のために企業努力を続けてこられています。そのオンライン・セキュリティシステムの中枢を担っているのが管制官の方々。契約先からの異常信号を監視し、異常発報時には緊急対処員に急行の指示を出すという緊張感の高い業務です。24時間365日稼働で宿直勤務や夜勤もあるため、長年、男性中心の職場で、女性は数パーセントの配置でしたが、女性が活躍できる職域拡大の社内プロジェクトが立ち上がったことから、女性管制官用の待機室新設の話が持ち上がりました。
本社総務部管財グループの皆様がまず行ったのは全国の拠点の実態調査。「女性待機室をつくるのが主目的でしたが、どこも改装の機会がないまま内装が相当古くなっていて、しっかり休める環境ではありませんでした。そこで、男性用待機室も含め、休憩エリアを全面的にリニューアルすることを決定した次第です」と実際に各拠点を視察された中山恭貴様。「女性採用を照準に始まった取り組みから、男性も現状に満足していないことがわかり、テコ入れをするきっかけとなりました。結果、男性の採用にもよい影響を与えられると思っています」と樋泉 久様もお話くださいました。


今回、リニューアルを行った10拠点のコントロールセンターの建物は、自社所有あり賃貸物件ありで、それぞれ構造や面積も異なります。そこにできるだけ同じ要素を取り込んで統一感を持たせるため、まずは社有物件で空間デザインに着手。そして、そのポイントを各本部に落とし込んで統一感を保ちつつ、それぞれの本部の方々のご意見もうかがって、地域や建物の特性も生かすプランを創出しました。
質の高い休憩を取っていただくために、内装は自然が感じられる木質調に。グリーンも積極的に取り入れました。その上でラウンジには、窓や壁に面して1人でゆっくり過ごすことができるソロ席や、隣あったメンバーとの会話で気分転換ができるソファ席やテーブル席など、気分や状況で選択できる居場所をご用意。冷蔵庫、レンジ、自販機など食事やドリンクブレイクを取るための設備も導入しています。また、人の24時間周期の体内リズムに合わせて、太陽光のように光の色温度や明るさを時間で変化させるサーカディアン照明も採用。限られた範囲の中、しっかり休憩をしてメリハリをつけて就業していただくための設備を盛り込みました。
「さまざまな提案をいただきましたが、印象深かったのがモス(苔)を使った壁面ディスプレイです。各本部に、デザインの異なるフクロウ(社章のモチーフ)が飾られていることで、統一感と個性が共存したように思います」と中山様。他拠点から訪問した際に話の糸口になって、コミュニケーションの円滑化にも一役買っているそうです。


当初は、女性活用の推進で始まったプロジェクトでしたが、実際、総務部 管財グループのご担当者様と一緒に、各本部を訪問させていただいたことで、男性の待機室に対する要望、たとえばパイプベッドの軋む音が気になる、いびきがうるさくてよく眠れないといった不満も浮き彫りに。それを受けて、耐久性や耐荷重性の高い木製の二段ベッドやカプセルを導入し、男性もゆっくり休息できる環境を整えました。
「実際に全国展開するにあたっては、さまざまな条件の中で工事仕様の統一化が不安でしたが、こと細やかに調整を行ってくださいました。また、24時間業務を行いながらの工事でセキュリティの担保も大きな課題でしたが、会社の機密性を理解した上で、期待通りの対応をしてもらえ感謝しています。これも、日頃からお付き合いがある文祥堂さん、内田洋行さんに一括で依頼できたがゆえのメリットだと感じています」と樋泉様。
女性が働きやすい職場は男性にとっても働きやすい環境につながるとよく言われますが、セコム様の今回のプロジェクトは、まさしくそれです。
「今回のリニューアルによって、コントロールセンターの休憩室や待機室にあったマイナスのイメージが払拭されたと思います。まだまだ改善すべき拠点がたくさんありますので、順を追って着手し、社員一人ひとりが存分に力を発揮できる職場環境を整えていきたいと考えています」(中山様)


今回、空間デザインと工事の全般、什器や備品の手配など含めて一貫してご対応いただいたおかげで、とてもスムーズでした。現地での細かい調整も相当ありましたが、我々との情報共有も密に対応くださり、非常に助かりました。今回の案件は、このプロジェクトチームでなければ難しかったのではないかと思っています。今後も、社員がより働きやすい職場の環境整備に取り組んでいきたいと思っていますので、引き続き、力を貸していただければと考えています。
セコム株式会社
総務部 管財グループ
樋泉 久 様(右)、中山 恭貴 様(左)
24時間365日、社会の安全を守る現場の皆様の姿を目の当たりにして感謝の念をいだきながら本プロジェクトを推進してまいりました。今回リニューアルを実施した10拠点は、広域かつ多様な規模・建物で構成されていますが、機能とデザインの統一を図りつつ、それぞれの現場に最適な環境を目指しました。プロジェクト期間中は、お客様や工事会社など協力パートナーも拠点ごとに異なり、分業体制の中で一気通貫した推進役を担うことを意識して取り組みました。約2年に及ぶ長い道のりでしたが、リニューアル後に訪問した拠点で、新しい施設を大切に使用していただいている様子を拝見し、大変うれしく思っています。
今後も、仕上がりにこだわったふくろうデザインのグリーンモスとともに、セコム様の現場を見守り続けていきたいと考えています。
株式会社内田洋行
オフィスマーケティング事業部 桑田 歩
* 写真左から、株式会社内田洋行 桑田 歩、株式会社ウチダテクノ 中野 真紀子、パワープレイス株式会社 中川梨花、パワープレイス株式会社 山田 恭子、株式会社内田洋行 稲葉 博和
1962年に日本初の警備サービス会社として、創業されたセコム様。いずれも日本で初めての企業向けのオンライン・セキュリティシステムの開発(1966年)、ホームセキュリティシステムの発売(1981年)により市場を開拓し、現在は国内で約274万6,000件(企業:約112万2,000件・家庭:約162万4,000件)、海外にも約107万3,000件のご契約先を有しています(2025年3月末現在)。また、セキュリティで培った安全のネットワークをベースに、セコムグループ様として、防災事業、メディカル事業、保険事業、地理空間情報サービス事業、BPO・ICT事業も展開。安心で便利で、快適なサービスやシステムをトータルで提供する、新しい社会システムづくりに取り組んでおられます。
セコム株式会社 企業サイト※記事内容や役職等は取材当時のものです。(2025年9月取材)