日本航空株式会社 様 成田オペレーションセンター レイアウト変更 事例紹介

「JALらしさ」「コマンド感」の具現化により、日本の玄関口にふさわしい上質感のある先進的なオペレーションセンターを実現。

業種:
空運業
グループ企業理念の冒頭に「全社員の物心両面の幸福を追求」と掲げられている日本航空株式会社様。「JALで働いていてよかった」と思えるような環境を整えることで、「お客さまに最高のサービスを提供し」「企業価値を高め、社会の進歩発展に貢献」する企業を目指されています。

今回の成田オペレーションセンターのレイアウト変更におけるテーマの1つも、社員が誇りを持って働けるオフィスでした。内田洋行は、リフレッシュスペース「TREE CAFE」を中心に、異なる組織の社員同士のコミュニケーションや、社員が働きがいを感じることができる先鋭的なオペレーションスペースの構築をサポートさせていただきました。
お客様の課題
  • ・メンバーの一人ひとりが自律的に考え、行動し、仲間と助け合いながら自ら成長する集団。それを実現、サポートするオフィスレイアウトにしたい
  • ・社員が誇りを持って働けるよう、先進的かつJALらしさを追求したオフィスにしたい
UCHIDAの支援
  • ・ライン(実践)部門では、各部署の責任者が中心に集まる連携を重視したレイアウトを行うとともに、間接(管理)部門との一体感を促進するゾーニングを実施
  • ・人が自然に集い他部門の人とも会話がしやすい場所、情報収集ができ課題解決のヒントが生まれる空間として、「TREE CAFE」を提案

ポイント紹介

JALの司令塔でもある、飛行機の運航を支える専門集団が働くSCCには、「コマンド感」を追求

SCC:ステーション・コマンド・センターは、航空機が安全、円滑に運航されるよう、お客様、整備、貨物に関することなど、空港の中のあらゆる情報がすべて集まる場所であり、それぞれについての判断を下して指示する場所です。日本航空株式会社 成田空港支店様が、この場所にSCCを設置されたのは約20年前。以降、多少のマイナーチェンジは行なったものの、フロアの広い面積に及ぶリニューアルは今回が初となります。

「かつては国際便の発着は成田がメインで、機材もジャンボが大半。このセンターも、大型の機材をたくさんオペレーションするのに適したレイアウトになっていました。しかし、20数年で飛行機の性能がアップし、システムも技術革新してきた。さらに、今後は便がどんどん増えていく予定で、課題となったのは空港の機能強化。将来を見据えたSCC、そしてオフィスの構築に取り組む必要性に迫られました」と成田空港支店長の中野直人様。

 以前のレイアウトでは、実践部隊であるライン(SCC)と、間接部門(総務管理業務)がフロアの両端に分かれていました。「間接部門は基本的にラインの経験者が所属していますので、イレギュラーが発生して対策本部が立ち上がった時、ラインのサポートにあたります。1分1秒を争う事態ですから部署は隣接していたほうがいい。そこで、フロアを ➀ ライン・間接部門、➁ 会議室・応接エリア、➂ リフレッシュ・共有エリアにゾーン分けする方向でレイアウト変更をすることを決定しました」(総務部 アシスタントマネジャー 石田 周様)
 提案依頼書を受けて、内田洋行は、日本航空様のグループ企業理念を実現するステージとなる新しい働く場のデザインをご提出。新オフィス構築のパートナーに選んでいただきました。

リフレッシュスペース「TREE CAFE」により 人と人の知恵が繋がるオフィスを推進

SCCは中央にサークルを置き、すべての情報をそこに集約し、そこから発信するという指令系統を視覚的にも表現。サークル内には各部署の責任者が座り、部門間の連携もスムーズに行えるようにしています。また、間接部門の仕切りがない状態で隣接しているので、何かが起こってからではなく、起こりそうな雰囲気を察知して動けるようになったなど、万全な態勢が実現しました。

内田洋行は、このように機能的なライン・間接部門を構築したうえで、社員がしっかり気分転換できるリフレッシュエリア「TREE CAFE」を提案しました。さまざまな空港業務を示すアイコンを葉っぱに見立てた一本の木をシンボルデザインとしています。「この提案が、われわれが考えていたイメージと合致。アイデアをそのまま採用させていただきました」と石田様。当初はスペースに見合うほどの利用者がいるのかという心配もあったそうですが、ランチ時にはもちろん、それ以外の時間帯にも休憩や仕事、ミーティングなどで、多目的に人が集う場所になっています。

「実は今回のリニューアルを機に、これまで別の場所にオフィスを構えていたグループ企業のJALグランドサービスとJALスカイのメンバーもこのフロアに集結しました。われわれの業界は、それぞれ専門性が高いので職務ごとに縦割りになりがちなのですが、TREE CAFEで例えばJALグランドサービスの課長がJALスカイの若い社員と話をしているという環境が生まれた。制服がいろいろ入り混じっている。この光景がとても重要だと思います」(中野様)

景色を生かした透明性の高い会議室には、 地域との繋がりを意識した仕掛けも

TREE CAFEに設置したエナジーウォールはSNSと連動していて、JALグループ内の情報はもちろん、他の航空会社の情報、加えて成田空港の周辺にある9市町の情報を得ることができます。
「実は私たち従業員の9割は他所の出身で、成田空港で働きながらも周辺地域のことを案外よく知りません。皆さまのご理解のもと、仕事をさせてもらっているという意識を常に持っていてもらいと思っていました。」(中野様)。

その想いは、会議室、応接室にも反映。各部屋のルームサインに9市町のキャラクターを採用し、吸音パネルもその色調でコーディネートしました。
「以前は窓もなく、パーテーションで区切っただけの部屋でしたが、プロジェクターなどの設備も整い、胸を張ってお客様をお招きできるスペースになりました」(石田様)。特に窓から見える空港ならではの景色は圧巻。部屋に入るなり、歓声をあげるお客様も多いそうです。

「JALでは、地域の小学生などを招いての施設見学会も実施しています。その子供たちが、成田空港で働きたい、JALで働きたいと思ってもらえるオフィス、空港のオペレーションの臨場感を味わっていただけるようなオフィスを作りたかった。それには単にデザインがかっこいいというだけではなく、社員が生き生きと輝いて働いていることが重要です。今回のリニューアルはその一歩になったと思います。しかし、まだまだ取り組まなければいけないことがたくさんあります。今後も理念の実現のために、邁進していく予定です」(中野様)。

ご担当者様の声


日本航空株式会社
成田空港支店長 中野 直人 様(左) / 総務部 アシスタントマネジャー 石田 周 様(右)

木の温かみなど、素材の質感を生かしたデザインのクオリティの高さを感じました。創り上げようとしているものが、われわれが目指しているものと近しいとも思いました。今後もぜひ、さまざまな夢を共有して、互いが成長できる関係を築いていきたいと願っています。(中野様)

調整に時間を要したり、直前にお願いごとをしたりと、かなりなわがままを言いましたが、内田洋行さんはすべてを受け止めてくださいました。私たちの思いを具現化するため、水面下で相当な努力をしてくださったことと思います。ありがとうございました。(石田様)

※記事内容や役職等は取材当時のものです。(2019年7月取材)

担当営業・デザイナーの声


株式会社内田洋行
オフィスエンジニアリング事業部
氏井 裕章

今回、お客様の働く方々とそれをマネジメントされる方々両者のお声を反映し、先進でトレンドをとり入れた素晴らしい空間構築が出来たことは、内田洋行の総合力が発揮できた結果だと思っております。


パワープレイス株式会社
オフィスデザインセンター
シニアデザイナー
渡辺 充

JAL様のウェブサイトから、多くの人のチームワークによって飛行機を飛ばすことができていることを知り、働いている方1人1人が一つ木の下で力を合わせる様子を「TREE CAFE」として空間デザインしました。社内のデザイナーのアイデアを結集して形にし、それを高く評価いただけたことを嬉しく思います。

お客様について日本航空株式会社

日本初の航空会社として世界の空に羽ばたいて以降、挑戦する気持ちとお客さまを想う心を大切にして、「世界で一番お客さまに選ばれ、愛される航空会社」を目指している日本航空株式会社様。昨年の2018年5月には、成田空港からの旅客便運航開始から40周年を迎えられています。現在、国際線40便、国内線6便を運航(コードシェア含まず)している成田空港をはじめ、各地の空港において、安全かつ快適な空の旅をお客さまに提供するため、スタッフ一人ひとりがより良いサービスができるように取り組まれています。

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