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再考、あらためて生産性を考える

再考、あらためて生産性を考えるChange Working Forum 2017 セミナーレポート

内田洋行が2010年から毎年開催している働き方変革をテーマにしたイベント「Change Working Forum 2017」より、パネルディスカッション「再考、あらためて生産性を考える」に関するセミナーレポートです。
イノベーションを生み出す組織風土をつくるために、現場は何をすればいいのか。効率性・創造性・躍動性を高める施策はあるのか。このセッションでは、人事・総務・ITの各分野のスペシャリストにご参加いただき、現場の話題を中心にお話しいただきました。

パネラー&モデレーター

  • パネラー石原 直子
    リクルートワークス研究所人事研究センター長 『Works』編集長
  • パネラー豊田 健一
    ウィズワークス株式会社取締役
    『月刊総務』編集長兼事業部長
  • パネラー舘野 真人
    株式会社アイ・ティ・アール取締役 シニア・アナリスト
  • モデレーター平山 信彦
    株式会社内田洋行 執行役員
    知的生産性研究所 所長

一人または同じ知識・経験の人ばかりでは、イノベーションは生まれない石原 直子

 昨年秋から「時短」がクローズアップされました。働き方改革はそればか りではありませんが、時短はとても大切。単に残業時間を減らすだけではな い、さまざまな要素が含まれています。

 時短の促進に数値目標はとても重要です。たとえば「20時以降の残業は禁止」 というように、みんなが把握できる目標がなければ、絶対に成功はしないでしょう。しかしこれは、マストであって もイナフではないと私は思っています。

 働く時間に数値の目標を入れるということは、自分の行動の「コスト」を把 握する、ということと同義です。予算管理と同じように時間を配分し、予実管 理(予定に対して、実際にはどれくらいの時間をかけてしまったのかの確認)も しっかり行うことです。2時間で終わると思った仕事が4時間かかったという場 合は、自分の仕事のスピードや能力がうまく見積もれていないということ。それ 以外にも、効率が悪い、集中できない、マネジャーが適切なアサイメントをでき ていないなど、何らかの理由も見えてきます。それを把握し、改善することの繰 り返しによって効率性が上がり、本当の意味での「時短」が実現すると思います。

 そうして空いた時間をどう使うか。私は、できるだけ早くオフィスを出て、 会社以外の世界に接することが重要だと考えています。働き方変革はイノベー ションが生まれる組織風土をつくることにあり、そのイノベーションは一人では起こせません。

 一人でないとしても、同じ知識、経験、暗黙知しか持っていない、同じセ クションの人間が、机を囲んで話をしているだけでは、イノベーションが生まれないということも自明です。

 働き方改革では、空いた時間を使って、早く家に帰って育児に参加する、 自己啓発のための学習をすることなどに焦点が集まりがちですが、実は私は、その時間ですることは、何でもいいと 思っています。新しいレストランを開拓する、映画を観る、趣味のギターのサークルに入るのでもいい。何か、会社の 他のメンバーがしていないことをする、会社の人が参加していないコミュニティに入ることがポイントで、そうして、 職場のみんなが、職場とは「別の世界」に所属することで、他のメンバーが知ら ない知識や情報を持った集団になるわけです。「昨日、こんな話を聞いたよ」「そ ういえば、私も……」「いや、僕の周辺は……」といった話になりますよね。そこに、イノベーションの種が見つかるのだと思います。

 会社の風土、カルチャーを変えることはとても大変で、一朝一夕で終わるもの ではありません。ですから、統制や管理を増やすだけではなく、楽しい、おも しろい、ワクワクする、といった要素も詰め込みながら、実は改革の手を緩め ない、ということが大切ではないでしょうか。長い期間には、経営層の交代な どいろいろなことが起き、雑音も入ります。しかし、企業の人事部の方々は、それにめげずに 10年はやると腹を決めて取り組んでいただきたいと思います。

不要な仕事の効率化ほど非効率なことはない。ゼロベースでの見直しも重要豊田 健一

 働き方改革をどう捉えるか。これは、総務のみならず全体に言えることです が、働き方改革は目的ではなく、あくまでも手段です。そこを取り違えると、真の目的は果たせないと思います。

 働き方改革を進めるにあたって、優秀な総務の方は、まず、自社の軸を定 めています。そもそも自社はどうあるべきか、その結果として働き方をどう 変えるかを固め、それを噛み砕いて中間的なコンセプトをつくって現場に落 とす。それが、効率性、創造性といったキーワードになります。

 効率性向上における「時短」についてですが、総務には、自身の時短と、 現場社員の時短をどうサポートするかという二面があります。

 総務には各部署からさまざまな依頼事項が常時、舞い込みます。そんな総 務の業務のスリム化は、「そもそもその業務は必要なのか」という観点から検 討すべきです。あのドラッカーも「最も非効率な仕事は、不要な仕事を効率 化することだ」と言っています。時代とともにツールもニーズも変わり、それに仕事のやり方が対応できているか、ゼロベースで考えてみてください。

 総務の仕事は現場社員とのやりとりが大半ですから、総務自身が業務を見 直せば、結果として現場社員の負担が減るということが多々あります。その 上で、現場社員が本業に専念できるように付随的な仕事、たとえば切符や飲 食店の予約などをコンシェルジェのように請け負う体制がつくれたら、さらに現場社員の効率・生産性が上がり、時間短縮につながるはずです。

 創造性については、これぞ総務の本流ではないでしょうか。部門の違う人 たちを交じらせ、イノベーションを起こすとなれば、当然、オフィス環境の 整備に着手しなければなりません。偶発的なコミュニケーションを育むマグ ネットポイント、インスピレーションを得る会話ができるリフレッシュルー ムなど、総務がオフィス環境で培ってきたノウハウが発揮できる機会です。 各部署とやりとりをしている総務ならば、どこに協力を求めればいいか心得 ています。「こんなことをしてイノベーションが起きるの?」という茶々が入ることもあるかもしれませんが、やらなければイノベーションの可能性はゼロです。

 総務が音頭を取ると、働き方改革がうまくいくという話をよく聞きます。 それには社内はもちろん、経済、社会、政治、あるいは環境、技術、これらの 動向を見ていく必要があります。優秀な総務の方は、外に出て情報を得て、 刺激を受けています。そうして時代を読み解く力を身に付けていけば、働き方改革においても、総務が戦略的な力を発揮できるはずです。

ITは仕事の6割レベルまで効率を高める。しかし100%にするのは人の力舘野 真人

 平山さんから、「時短」の特効薬というものはあるかというご質問をいただ きました。ITの立場であえて言うなら、紙をなくすことだと思います。自 宅に業務を持ち帰れない、テレワークができないという理由の大半は、参考 資料が持ち出せない、承認を紙で取らないといけないなど、仕事が紙に縛られているからです。

 ペーパーレスにこだわっている方が「1枚刷れば、絶対業務が1個発生する」 とおっしゃっています。実際、ある会社では、ペーパーレスを徹底したところ、全員が定時で帰れるようになった そうです。紙をなくすことは、テレワークの促進、効率性アップの両面で時短に効くと思います。

 テレワークについてお話しすると、マネジャーに週一ぐらいの割合でテレ ワーク業務を強制している会社があります。マネジャーはアサインメントを しっかり考えないと、自分がオフィスに丸1日いないという状況をつくれま せん。それが結構、マネジメントのトレーニングになっているようです。「自 分がいなくても意外に回るじゃないか」と部下との関係を見直すきっかけに なったり、部下も自分たちで考えて行動するようになって成長するといった効果が出ていると聞いています。

 今後の会議は、2、3割の自宅勤務者はリモートで入ってくるというケース も増えるでしょう。それに向けて、マネジャーはチームビルディングをすることも重要な仕事になると思います。

 ITは、6割くらいまでの仕事の効率を非常に高めてくれるものだと私は 理解をしています。時間がないから今回はとりあえずこれでもOKというレ ベルにまではITで速く進めることができます。テンプレートなどがある程 度共有されているような職場であれば、ITによって、仕事時間がグッと短縮できるのではないでしょうか。

 ただ、最近いろいろなITツールが出てきていて、働き方改革=ITみた いな言われ方もされていますが、必ずしもそうではありません。ITのツー ルをうまく使えば、多くの業務を効率化すること、効果的に業務管理をする ことなどができますが、裏を返すと統制の強化やモチベーションを簡単に萎 えさせてしまうこともできる、ある意味、非常に強いツールです。よく「ど うやったらサボらないようにできるか」と聞かれるのですが、「サボっていいと 言ってください」と答えています。やはり、ある程度のことは許容しないと ITのツールで、ガツガツに縛る会社に残ろうと思う人は少ないでしょう。 そこにはハピネスはありませんから。

 ITで自動化をしても、最終的に人間でないとできない作業が必ず残る。 そこを見つけるためにもITをうまく活用していただきたいと願っています。

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