夢に職場が出てくる そこでいつも笑っている自分がいる
研究会に参加したいと積極的に手を挙げたのが、現在「家具研究会」のリーダーを務める植松雅之だ。
「それはもう、やる気をアピールをしましたよ! オフィスに関わる仕事をしているからというのもありますが、何より
自分が心地良い環境で働きたい。自分が働くオフィスをつくるなんて魅力的じゃないですか」
植松はあれこれ首を突っ込んで、物事に関わるのが好きな性分。熱い火の持ち主だ。「家具研究会」の発足を自ら提案
し、同研究会リーダーにも立候補した。部署も年齢も違う4人で構成される「家具研究会」メンバーの中で、植松は最年少だ。
「売れる製品には、その製品に関わった人が思わず語りたくなるようなストーリーが必ずあると思うんです。実際、ストーリー性がある製品の販売状況を調べてみると、やっぱり売れているんですよね。その家具に込められた想いをきちんと伝えることができれば、それは売れる製品となる。それを実感し、研究会の1回目のテーマは、『ストーリーのあるものは売れる』に設定しました。家具好きで構成される研究会の話し合いは、みんな忙しいのに集まると話が止まりません。チーム内では一番年下でしたが、リーダーをやりにくい、などとは感じませんでした。むしろ研究会の時間は楽しく、毎回盛り上がりすぎるくらいで」
研究会をきっかけに社内でのコミュニケーションが活発に
営業として自分の商材を見つめ続けていた植松だが、意外にも製品企画や開発のメンバーと語り合う機会は少なかった。尊敬するメンバーに出会えたのも、「働き方変革」が始まったおかげだ。レイアウト変更だけの「働き方変革」では得ることのできない、このコミュニケーションが植松の心にさらに火を点けた。ただ一つ、研究会のリーダーとしてつらいのは時間がないことくらいだろうか。「何事も効率を求めるとつまらなくなる。成果も必要だと分かっていますが、今、研究会に効率は求めていません。楽しくないとうまくいかないと思っていますし、楽しいからこそ忙しくても活動する気になるんです。自分自身、何事も楽しむように心掛けています。たまに仕事の夢を見ることもあるのですが、その夢の中でも自分が笑っているんですよ」
植松は、現在、製品開発ワーキンググループも立ち上げて製品企画も始めている。働く人に役立つ製品をつくりたいと営業マンが感じ、実際に製品をつくる、この試みこそが「働き方変革」の原点だろう。
働く場を変えるなんて機会は
人生でそうそうあるものじゃない。
部門、年齢を超えたコミュニケーションは
刺激的な創造の場だ。