やめるつもりは、ナイ
オフィスの移転にあたり招集された「分科会」。活動が始まった頃は「まだ特別な気持ちはなかった」と言うのは、現在、研究会推進分科会リーダーを務める相原正孝だ。
「営業課長という本業も忙しかったし、最初はただ『参加している』という感じでしたね。でも一方で、お客さまの場づくりを20年やってきても、自分たちの事務所づくりをプロデュースしたことはない。新鮮に感じましたし、実際とても魅力的な作業でした」
限られた準備期間の中でバタバタと移転を終えたところに、「営業ワークスタイル変革プロジェクト」の事務局から新たな分科会のリーダーにアサインされた。「いま思うと、あのとき最初の火が点いたんだと思う」
もう躊躇しない。本当のボトムアップを始めよう
提案したのは14の研究会からなる「研究会活動」だ。肝は「営業の全員参加」。
「『働き方変革』はボトムアップが重要な鍵でしたから、全員参加は必須。でも、社員の自主性や主体性がなければ、本当の意味でのボトムアップはかなわない。そこで、少人数の研究会活動を提案しました」
1チーム4〜5人で構成する研究会は、所属部署はもちろん年齢もバラバラに。この結果が、取り組みから2年が経つ今、成果を見せ始めているという。
「移転までの時間がなかった分、『移転後には○○をしよう』という余地を残していたので、スパイラルアップする意識は強かった。そこに、研究会の活動が始まり、部署を越えたコミュニケーションが活発に。自主的に活動するメンバーが増え、他部署のメンバーと組む面白さも感じているようです」
ソリューションマインドを鍛える、絶好のチャンスだ
悩ましいのは、やはり「時間」だ。研究会の活動時間の捻出が難しい―― リーダーとして、参加者のモチベーションアップのための工夫は続く。
「研究会の参加者には、このオフィスを実験場にして、お客さまへの提案を具現化するよう求めています。研究会の成果が本業につながれば、参加者のモチベーションにもつながるはずです」
自分自身の時間の制約も厳しい。参加者に十分な時間を与えられない苦しみもある。まだ、大きな成果が出ているわけでもない。
「でも、この活動で私たち商社マンとしてのソリューションマインド、チームビルディング力は鍛えられる。だから、短期的な視点でこの活動を判断するべきではないし、絶対にやめるべきではない。
そういったメッセージを経営側に送るのも、私の役割だと思っています」
相原の心の火は、どんな嵐にも負けない強い炎になっている。
「Change Working」のプロセスで誕生した主な研究会
- ノンテリトリアルワークプレイス研究会
- エコ研究会
- テレワーク研究会
- 「からだ」と「こころ」研究会
- コミュニケーションツールを使い倒すための方策研究会
- モバイル端末と時間創出研究会
- 学習と成長研究会
- 家具研究会
- ショールーム研究会
- 快適性研究会
- あしたの会議・プレゼン研究会
- 食と仕事と遊び研究会
- BCP研究会
- ホスピタリティ研究会
チームをつくったら、あとは任せる。
それが自主性の一歩。
「働き方変革」は私たちにとって商材だけれど、
それ以上に自分を鍛える場なのだ。