憎まれ役になってもいい!
内田洋行のペーパーストックレスを牽引したのは、自らの実践分科会ペーパーストックレス推進の8名だ。
「ペーパーレスとは違う『ペーパーストックレス』が、社員にとって『当たり前』になるにはどうしたら良いか。それを考えることに一番エネルギーを使いました」と語るのは、リーダーの寺門 創だ。移転前のワークショップで芽生えた「やるぞ」という気持ちが、憎まれ役になってもペーパーストックレスの活動をやろうと決意させた。
ペーパーストックレスは、ただ捨てるだけの行為ではない。大切なのは、各人の手元に何の書類があるかを認識させ、捨てる理由・残す目的を明確にし、捨てるのか電子化するのかを決めることだ。まずは分科会メンバーが実行してみせた。実物のパーソナルロッカーを配置し、自分たちの手持ちの紙を90%も削減させたのだ。
実感や体感が継続を生む
「『やってみよう』と呼びかけるだけでなく『やればできる』と伝えたかった」と言う寺門らは、書類の「廃棄デー」を幾度も設け、廃棄用ダンボールをあえて社員が見える場所に山のように積み上げた。廃棄のモニュメントだ。視覚的な刺激が周囲の社員の動機づけになることを狙ったのだ。さまざまな理由で作業ができない社員の廃棄や電子化も手伝った。「移転後は、本当に身軽になったとみんなが感じています。電子化の良さを体感してからは、紙が増えることがあってもスムーズに廃棄ができています。整理されたオフィスや電子化された提案書を見ると、自分たちの取り組みが定着したと実感します。お客さまには『まず、やってみせる』ことを伝えたいですね」
営業として「ありたき姿」の実現のために行っていたペーパーストックレス活動が、自分たちをも成長させていたことに気づいたという寺門ら自らの実践分科会メンバーは、社員への定着とともに終了。成果を出した今は、次のステップとして会議の効率化に取り組んでいる ――継続の火が燃えている。
目的は「ありたき姿の実現」
ペーパーストックレスは「手段」
成果は自らの成長
責任は自分自身にある。