パナソニック株式会社 エレクトリックワークス社 様オフィス構築 事例紹介

働き方に応じて「場」を選択できるアクティビティ・ベースド・ワーキング(ABW)を実現。運用とさらなる進化を目指した改革を今後も続投

第32回日経ニューオフィス賞「近畿ニューオフィス推進賞」受賞

業種:
総合電機(電気・電子機器)
入居人数:
約170 名
面積:
約1,461 ㎡

国内でいち早く週休2日制を導入(1965年)するなど、他社に先駆けてさまざまなアプローチで組織改革、働き方改革に取り組んでこられたパナソニック株式会社様。2017年には、「社員の働きがいと成長を、Panasonicの成長につなげる働きがい改革『A Better Workstyle』活動」を始動し、時間や場所に縛られないフレキシブルな働き方の推進によって、個人と組織の双方が成長する働き方を模索されています。

同社4カンパニーの1社であるライフソリューションズ社様でも、2017年に働き方ワーキンググループを組織し、技術本部内のオフィス変革に着手されました。変革のキーワードは「ワイガヤ」。内田洋行はコミュニケーション強化の実現とともに、新しい働く場の創造をお手伝いしました。

お客様の課題

  • 働き方・働く意識を変え、生産性の高い職場とするためにオフィス改革を行う。
  • 衆知を集めることができ、また個人の意思や業務スタイルに合わせて働く場所を選択できるオフィスにしたい。目指しているのは新しいオフィスづくり。

UCHIDAの支援

  • さまざまなバリエーションのクイックミーティングスペースを多く配置するなど、活発に議論や検討の声が飛び交う、会話しやすい環境を構築。
  • 「見える・動く・出会う」ためのレイアウトを採用した執務ゾーンや、集中ブース、部屋ごとに装いの異なる会議室など、多様な働く場を提案

ポイント紹介

イノベーティブに仕事をするには、どのような環境が必要か。その議論から「ワイガヤ」という変革キーワードが誕生

パナソニック株式会社ライフソリューションズ社様のオフィス改革がスタートしたのは2017年6月。パナソニック全体のオフィス変革ポリシーに応じたパイロットオフィスとして、ライフソリューションズ社の技術本部が手を挙げたことが始まりでした。

まずは、オフィスで実際に働く30代前後のメンバー16名に、ファシリティ担当の2名をアドバイザーとして加えた、計18名の働き方改革ワーキンググループを技術本部内に設置し、「働き方をどう変えていくか」を議論されたと言います。
「それぞれのメンバーがものすごく前向きに取り組んでくれました。そこで出てきたのが、決まった業務をもくもくとするよりは、議論をしながらイノベーティブに仕事をしたいということ。その追求から変革キーワードを『ワイガヤ』としたRFPを作成し、コンペへの参加を募りました」とワーキンググループのリーダーを務められた見市伸裕様。

そして、「各社からさまざまな提案をいただきました。その中で、内田洋行さんに決めた大きな理由は、私たちの思いを取り入れた提案に加え、その熱意でした。プレゼンでやりとりをする中で、私たちときっちり付き合ってくれるのは内田洋行さんだと思い選ばせていただきました」(見市様)。

提案を実行するにはさまざまな課題が噴出し、その度に案を練って修正をするという作業が不可欠となります。そうした時にお客様の立場になって予算やスケジュール管理の調整を、万全の体制で臨めるのも内田洋行の強みのひとつになっています。
「変革のコンセプトが決まってからは見市と私、ファシリティの2人がプロジェクトを担当しましたが、実際、いろいろな課題が出ました。その度に内田洋行さんはしっかり対応してくれました」と薄木 泉様。

「見える・動く・出会う」ための揺らぎ感のあるレイアウトによりコミュニケーションを活性化

内田洋行は、パナソニック株式会社ライフソリューションズ社様のオフィス改革のご要望を受け、フリーアドレス運用を活かす「Active Commons」をデザインコンセプトに据えました。 そのポイントのひとつは「揺らぎ感のある空間」。秩序や効率性を優先した固定席・島形対向レイアウトから脱却し、揺らぎを与えることによってできる空間(隙間)を、いつでも気軽に打ち合わせができるクイックミーティングスペースに活用。動線が複雑化することで偶発的な出会いを生むこともあります。

さらに、プロジェクトスペースやカフェスペースなど「ワイガヤ」を後押しする仕掛けづくりを提案。フリーアドレスの実現によって起きる「誰がどこで仕事をしているかわからない」という課題は、同センターで開発中のローカルポジショニングシステムを活用することで解消。具体的には従業員にビーコンを携帯してもらい、オフィス内に複数設置している受信機でビーコンの電波を受信することで従業員の位置を特定することができます。

3階のオフィス改革にあわせて1階の会議・ミーティングスペースも見直しを図りました。会議室の大きさや部屋数の最適化と、内装などの設えの変更です。パナソニック株式会社様の製品である浴槽やシステムキッチンをテーブルに使ったユニークなデザインの会議室は発想の柔軟性をサポートし、「感性を刺激する」とお客様にも好評だそうです。また、オープンなスペースでは3階の執務エリアと合わせてフリーアドレスの一部として業務も可能となりました。
いずれも各製品担当部署メンバーも設計段階から参画し、「衆知を集める」働き方を実践されています。

アンケートやオフィス改善提案ボードで意見を抽出するとともに、オフィス改革の情報を共有

パナソニック株式会社ライフソリューションズ社様では、今回のオフィス改革にあたって、2017年10月~2018年3月までのコンセプト構築から工事・入室までをフェーズI、それに続く2018年4月~2019年3月をフェーズⅡと位置づけて活動されました。働き方改革はある意味、フェーズⅡからが実質的なスタートとなりました。

「フェーズⅡはフェーズIでつくったオフィスをさらに進化させようという取り組みです。イノベーションセンターとして、このフロアをより良く使っていくためにはどうすればいいか、実際に動き始めたところで見えてきた課題をどう改善していくかなどに注力しました。このフェーズは私と小林が担当しました」と、三舩達雄様。
照明などを変えることによるメリハリのあるゾーニングの実現、「ワイガヤ」と集中の両立のための音制御、健康で快適な空気質を保つための気流制御をはじめ、さまざまな視点で課題を炙り出し、優先順位をつけて解消に向かって稼働されました。「何度もアンケートをお願いしたので従業員に、また? と思われたかもしれません。それでもいつも7~8割の回答を得ることができました」と小林絵美様。

また、執務室内に「オフィス改善提案ボード」を設置。従業員が気付いたことを付箋に書いて貼り付けると、それに関して三舩様、小林様が返答をするというものです。さらに、オフィス改善の情報を自社製品の65インチ4Kコミュニケーションディスプレイで共有化。こうしたプロジェクトメンバーの方々の細やかなフォローによって、オフィスは進化するということ、その大切さを改めて感じることができます。

オフィスに導入されているPanasonic製品の中には、まだ開発段階のものもあるといいます。「実際にオフィスで使うことによって課題を洗い出し、商品化につなげていきたいとも考えています。それができる実証実験の場として、ワイガヤの環境をより進化させていきたいですね」(三舩様)

第32回日経ニューオフィス賞「近畿ニューオフィス推進賞」受賞

近畿ニューオフィス推進賞

ご担当者様の声

ご担当者様の声

最初のコンセプトづくりから最終的な修正まで、いろいろ無理なお願いもしましたが、内田洋行さんはそれを飲み込んでいい方向に導いてくださいました。オフィスづくりのプロとして、これからも支えになっていただきたいと考えています。

パナソニック株式会社 中国・北東アジア社
技術本部
主幹 見市 伸裕 様

パナソニックグループ内において、「研究所」のオフィス改革としては初のケースとなり、かなり多くの方々が見学にお越しになりました。社内外の評判も良く、オフィス改革の参考にしたいという声も聞き、とてもうれしく思っています。

パナソニック株式会社 ライフソリューションズ社
技術本部 企画・管理部 運営管理課
主務 薄木 泉 様

WELL Beingの領域に踏み込んで行きたいなと考えています。会社に来たら健康になる、すごくリラックスできる、そしてそれがビジネスにも繋がるというように進化させていきたい。そのためにも、もう少し長いスパンでお付き合いをいただきたいと思います。

パナソニック株式会社 ライフソリューションズ社
技術本部 企画・管理部 技術企画課
課長 三舩 達雄 様

技術本部ということから、同じ部署の者が毎日固まって仕事をしなければいけないというイメージがあるかもしれませんが、実際にはそんなことはなく、フリーアドレスを有意義に使って仕事をしています。若手にもとても好評で、いいオフィスになったと思っています。

パナソニック株式会社 ライフソリューションズ社
技術本部 企画・管理部 技術企画課
主務 小林 絵美 様

担当営業・デザイナー・PMの声

プロジェクトメンバーの方々との構築プロセスがとてもスムーズに運び、オフィスポリシーで目指されている衆知を集めるオフィスづくりをお手伝いすることができました。会議室の浴槽テーブルなども面白がって利用されているとのこと。個人的にもとても楽しい仕事でした。今後とも、お付き合いをよろしくお願いします。

パワープレイス株式会社
エンジニアリングセンター 西日本デザイン部 大阪デザイン室長 山室 光弘

プロジェクトメンバーの皆様の熱い思いを感じながらお手伝いをさせていただきました。新しいオフィスは運用が始まってからも進化し続けており、そのスピードには驚かされます。オフィスの至る所でコミュニケーションが活性化し、まさにイノベーションが生まれる「空気感」を感じるすばらしいオフィスだと思います。 今回のプロジェクトに携われたことを大変光栄に思います。そして、今後の更なる進化にわくわくしています。

株式会社内田洋行
オフィスマーケティング事業部 西日本営業部 長木 正幸

お客様について

パナソニック株式会社 ライフソリューションズ社

住宅をはじめ、オフィスや商業施設、スマートタウンといった街・社会を形づくる領域や、自転車や車室空間等のモビリティ領域にいたるまで、人々の「くらし」に関わるあらゆる場面で事業を展開しているパナソニック株式会社 ライフソリューションズ社様。事業を通じて、「A Better Life (より良いくらし)」をグローバルに広げるべく、一人ひとりがより力を発揮できるオフィス環境、働き方の改善に全社を挙げて取り組まれています。

※記事内容や役職等は取材当時のものです。(2019年3月取材)

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