おいしさの素、”うま味”を発見し調味料「味の素 ®」として世に送り出して100年以上。今では、食やアミノ酸、バイオ・ファイン、医薬・健康など、いのちに深くかかわる様々な分野でグローバルに事業を展開している「味の素株式会社」様。
東京支社は、チャネル別に3つのビジネスユニット(BU)が同居したオフィスです。組織やチームの結束力を重んじており、先輩からの目配りや気配りを重視。また営業外勤者と内勤者の連携が密な組織ですが、他BUとのコミュニケーションがあまり活発ではないという状況が続いていました。
「ワクワクプロジェクト」と題したオフィスレイアウト改革の取り組みについて、同社の菊地さや子様にお話を伺いました。本プロジェクトをとおして、ウチダの移転・リニューアルサービスのポイントなどご参考いただけると幸いです。
ワクワクプロジェクト発足
プロジェクト発足の約1年前である2012年1月頃、総務部門のミッションとして、現状オフィスの最適化を検討しはじめました。オフィスの在り方や東京支社のあるべき姿を描き、社内答申を経てレイアウト改革のプロジェクトが立ち上がりました。
菊地様 -トップダウンでもボトムアップでもない、ミドルアップでのプロジェクトは当社としても珍しい取り組みでした。オフィスの最適化は総務部門の職責であるため、東京支社のオフィスにおける理想の働き方を追求したいと、当初から考えていました。
プロジェクト名の”ワクワク”は、” Work-style Work-place Innovation Project”の略称でもあります。まさに、働く場だけではなく、働き方も変えようとの想いを込めていました。現場から自主的に集まった28名のプロジェクトメンバーと共に、5回にわたるワークショップを開催。先進的なオフィスの見学や現場へのヒアリングも重ねて、徐々に理想とするオフィスのイメージを固めました。
菊地様 -ウチダさんを含め、数社のオフィスを見学させてもらいました。どのオフィスもデスク面が整然と片付いており、仕事がしやすそうな環境でした。「デスク周りがキレイ!」と印象に残った記憶があります。
パートナー選定
菊地様 -ウチダさんは、レイアウトだけではなくアフターフォローまで考えてくれていました。引越し(レイアウト変更)が年末と決まっていましたが、「契約期間は3月までですね」と言ってくださって。レイアウトを変えて終わりではなく、新オフィスになった1月からこそ本番と考えていたので、現場の担当として心強く感じました。また、オフィスの進化について、先のことまで考えてくれていることにも安心感がありました。 あとは、ウチダグループの方々の一致団結感や気合い?(笑)も感じましたね。
後藤 -今回のプロジェクトは働き方の見直しも大きなテーマでした。実際に新しいオフィスで運用してみなければ、当初の目的やコンセプトを達成できたか評価できません。そのために、実施後の評価・検証まで含めてご提案しました。
ワクワクプロジェクト PartⅡスタート
ウチダのチームと合流し、「ワクワクプロジェクトPartⅡ」がキックオフ。東京支社の各職場から選定された24名とウチダのスタッフで、隔週の定例会と6つの分科会を開催しました。そのなかで、座席の形態、会議室やキャビネット(書類)の運用など、1つ1つ丁寧に検討を重ねました。
菊地様 -プロジェクトメンバーは通常の業務を抱えながらも、責任感をもって進めてくれました。時間の経過とともに新しいオフィス像がより具体的になり、チーム内での連帯感も生まれました。
レイアウト変更の実施までの期間、社内への周知・認知のため、臨時の社内報「ワクワク通信」を8回ほどメール配信しました。
後藤 -プロジェクトの意図や目的、新しいオフィスでの「働き方」など、社員一人ひとりに関心を持ってもらうことが本当に大切です。そのために、「プロジェクト通信」の他にも様々なメニューを用意しています。
全社員向け説明会
「1月はゴールではなくてスタート。怖がらずに変化を受け入れ、楽しみ、自らの成長機会ととらえて大胆にチャレンジして欲しい。」 オフィスレイアウト変更の実施まで残り約1ヵ月のとき、東京支社長から全社員に向けて、本プロジェクトへの期待や想いを発信しました。
後藤 -ウチダはオフィス移転やレイアウト変更を企業にとり意味の大きな節目と考えています。新しいオフィスでの組織像や「働き方」を全社員が共有することで、強い組織へステージアップする機会として活用できます。
「何のために今、オフィスを変えるのか?」 いま一度、社内で目的を共有し、同時に、新しいオフィスでの働き方をムービーで紹介しました。
後藤 - 新しいオフィスへの期待感、ワクワク感を表現できるようなムービーに仕上げました。ムービーは柔らかいツールです。プレゼンテーション用ソフトや文書で伝えるよりも、より共感・浸透しやすく効果的です。
菊地様 -このムービーは、今でも異動で東京支社に配属された社員や新人さんに見せています。このオフィスでの働き方や業務に取り組む姿勢など、口頭で説明するだけよりも、共有・理解を深めてもらいやすくとっても役立っています!!
レイアウト変更実施
※書類キャビネットを約1/3削減。5Sによる書類削減と個人保有書類の共有化を図りました。
年末の休業期間中にレイアウト変更を実施しました。
菊地様 -両サイドにあるベンチタイプのオープンなミーティングスペースはよく利用されていますね。わざわざ会議室を予約しなくても、その場ですぐに集まり、ちょっとした打合せに最適です。会議室の不足も減りました。
飯塚 -偶発的な出会いとコミュニケーションを促進させる、ジグザクのレイアウトが最大の特徴です。また、導線上に全員が集まれる広場や、Bookcafe も新設しました。
多様な人材、組織を活かす「かかわり」が生まれる仕掛けを随所にしてあります。
新オフィス運用スタート
2014年1月から、新しいオフィスでの業務がはじまりました。
今回のプロジェクトの評価も兼ねて、3カ月後、半年後に社内アンケートを実施。アンケートで寄せられた提案や意見をもとに、オフィス活用術をまとめた「ワクワクアフター通信」も発行しています。また、実施(改善)・評価・検証を継続的に行うことで、オフィスの進化に繋げていきたいと考えています。
テーマ:「交流・コミュニケーションが図れるオフィス」
テーマ:「働き方にあった、生産性の高いオフィス」
取材日:2014年10月