Change Working コラム

プロセスとコミュニケーション(その3)

2014年12月19日

プロセスとコミュニケーション(その3)

前回、前々回と2回にわたり「プロセスとコミュニケーション」という切り口から「働き方」変革ついて考えてみました。前回は、フェイス・トゥ・フェイス、すなわち時間と場所が同期(一致)したコミュニケーションをテーマとしましたが、今回はICT(情報通信技術)を活用した、時間あるいは場所が必ずしも同期しない形のコミュニケーションについて考えてみたいと思います。

ICTの普及とともに、この非同期型のコミュニケーション、特に離れた場所どうしのコミュニケーションの手段が、ますます便利となり、かつ多様化しています。PC・タブレット・スマートフォンを使いこなし、いつでも・どこでもコミュニケーションが取れる働き方は、今や日常光景となっています。

また、ICTを介したスクリーン・トゥ・スクリーン、すなわちテレビ会議形式のコミュニケーションも様々なサービスやデバイスが普及しています。テレビ会議もちょっと前までは、専用の「テレビ会議室」があり、予約を取ってセッティングをしておもむろに会議を始めるといった「イベント」でしたが、最近は自席や近くの打合せコーナーでPCのカメラやタブレットを使って電話代わりにテレビ会議を行うシーンがあたりまえの光景になりつつあります。

こう振り返ってみるとICTの普及のスピードは目を見張るものがありますが、そのなかにいくつか課題も見つけることができます。ひとつは、普及していると言っても、それを自由自在に使いこなして生産性が高い仕事ぶりを見せている人と、そうでない人の格差がどんどん広がっていることです。自己責任と言えばそれまでですが、組織全体の生産性という視点で見るとやはり問題です。

ふたつ目は、過度な依存です。本当はフェイス・トゥ・フェイスで打ち合わせたほうが相手も十分に納得するようなテーマを、ついついチャットですましてしまう。その瞬間は合意できたと思っても、本当は相手は腹落ちしていなかった、なんて場合もあるかもしれません。フェイス・トゥ・フェイスにはしぐさや顔つきといったノンバーバルなメッセージが附随しており、それが相互の意思疎通に大きな役割を果たしているケースも少なくありません。道具への過度な依存は、そのことを見落としてしまう危険を孕んでいます。

最後は、サービスやデバイスの進化の速さです。これはリスクというよりは、より高度な利便性を提供してくれる機会なのですが、その進化をキャッチアップして利便性を享受できるひとや組織と、取り残されるひとや組織の格差がますます開いていくことは否めません。すべてのオフィスワーカーが最新のICTサービスを使いこなさないと競争に勝てない、とは断言できませんが、コミュニケーションのスピードや、インタラクションの強度は、意外と組織の体力に影響を与えるのではないかと懸念されます。

このような課題も含みながらも、ICTを活用したコミュニケーションはこれからも進化を加速していくことでしょう。「働き方」変革という視点では、これらをうまく使い、かつ過度な依存に陥らず、フェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーションとの両輪で活用していく、ということが重要かと思います。

「プロセスとコミュニケーション」という視点では3回目となる今回は、ICTを活用した非同期型コミュニケーションについて考えてみました。今回で、「情報と知識」「組織風土」「プロセスとコミュニケーション」というワークスタイル変革の「3つの切り口」からの考察は終了します。次回は、また別な視点で「働き方」について考えてみたいと思います。

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