成果に満足しない「見える化」が次なるステージへの道を示す
内田洋行が、「Change Working」をキックオフしたときに、「Active Commons(アクティブ・コモンズ)」を導入した目的は2つ。「チーム・ビルダー」を達成するための部門を越えたコミュニケーション強化と、他者とのスピーディーな情報共有や自己作業の集中といった仕事の内容に合わせた場所選択を可能にするためだ。使いこなせている者、そうでない者、若干のばらつきは見られるものの、分科会活動や自治会活動の効果もあり、他部門メンバーとのコミュニケーションが増加し、情報共有の機会が増加していることは調査結果でも明らかになっている。その鍵として「アポイントなしの短時間のミーティングがしやすくなった」という声も多く、当初の仮説が間違っていなかったことが証明された。
進化を止めない!
内田洋行では、さらなる生産性と躍動性の向上のために、改めて入居部門へのヒアリング、WPV(Work Performance Viewer)、TCV(Team Culture Visualizer: 組織風土診断)などの調査を行った。結果、次のような傾向が見えてきた。
1.アカウント系営業部門(※1)は、アクティブ・コモンズの特性を生かした働き方が定着し、自分たちの働き方が顧客 からの評価を得ていることもあり、満足度が高い。
2.パートナー系営業部門(※2)は、マネジャーと担当者との連携作業が多く、アクティブ・コモンズのメリットは感じているものの、それ以上に、上司と部下のコミュニーションを重視する傾向が強い。
さらに、部門方針の共有や動機づけといった点で、アカウント系営業部門は一人ひとりの自立した行動と成果を求める傾向が強いことに対し、パートナー系営業部門はチームとしての一体感や求心性を求める傾向が強いという違いが見えてきた。
これは、営業一人ひとりがプロジェクトマネジャーとしてプロジェクトを推進するアカウント系営業部門と、マネジャーと担当者が緊密に連携し販売店との協業を進めていくパートナー系営業部門の、活動スタイルの違いによるものと推察された。
「業務特性によりマッチした働く場の設えが必要だ」ここに、変革3年目のテーマが明確になった。チームの求心力を高めるBASE(集まる拠点)を設けるパートナー系営業部門用セッティング。案件ごとにチームで活動がしやすいアカウント系営業部門用セッティング。2つの顔を持つ「Active Commons 2.0」が、2014年夏に誕生する――ワークプレイスのあり方に答えはない。「働き方」「働く場」の検討はスパイラルアップし続けている。