生産性・効率性を上げる会議環境作り

事業環境が複雑性を増し、グローバル化した現代では、従来以上に企業間の競争が激化しています。企業が生き残りをかけ、競争力を高めていくためには、継続してイノベーションを起こし続けることが重要になってきています。イノベーションを起こし、創造性の高い成果を生むためには、自社だけではなく多様な知識やノウハウを融合させられるパートナーとの協業が成功の鍵です。そのためには、社員の持つ創造力を十分に発揮できる環境や、社員同士やビジネスパートナーとの間でコラボレーションの促進やリレーションを強化できる環境作りが重要になってきます。

オフィス移転は、ワークスペースやワークスタイルを見直す大きなきっかけです。この章では、従業員やビジネスパートナー、顧客とのコラボレーションを促し、創造力や知的生産性を高める会議環境作りについて考察します。

会議室に求められる要件

生産性を高める会議環境に求められる要件とは、どのような項目なのでしょうか。

創造性を高め、発想力豊かな考えやアイデアを生み出させるためには、多様な意見を出しやすくすることや、ストレスなく情報の流通量を高める仕掛けが必要です。ディスカッションの流れを妨げず、情報が発信され、共有されることで、さらなる新しい発想が生み出されるのです。グローバル化や外部パートナーとの協業が進む現代では、一か所に集まってディスカッションをするだけではなく、国内や海外の遠隔地にいる相手ともコラボレーションをする機会が増加していますので、遠隔地ともシームレスに情報のやり取りができることは必要な機能となってきます。

また、会議の開催には、事前の準備や終了後の情報共有など、間接的な活動にも多くの時間が割かれます。これらの活動を効率的にすることで、生産性向上に直結する会議本来の時間に集中させることができます。会議の運営には、参加者の人件費や移動費、資料の印刷代などの費用が掛かりますので、効率化によりこれらのコストを削減することも生産性を上げる大きなポイントになります。

一方、装備した高機能な設備も、参加者が利用しなければ意味がありません。会議室の装備やシステムを誰でも簡単に使用できる仕組みにすることや、用途や参加人数に合わせてフレキシブルに使用できる設えにすることで、利活用を促進し成果の拡大に結び付けることができます。したがって、ユーザビリティやフレキシビリティの観点で備品や機器を装備することも肝要です。

生産性を高める会議環境に求められる要件例を表にまとめました。
ポイント求められる要件例
創造性の向上・会議での情報の流通量を高める
・参加者全員が多様な意見を出しやすい
・情報を比較検討しやすい
・即興的に情報を提示できる
・情報やアイデアをたくさん書き出せる
効率性の向上・資料を印刷せずペーパレスで情報共有できる
・モバイルデバイスなどの新しい機材でも利用できる
・出張しなくても会議ができる
・議事録を簡単に共有できる
運用の容易さ・会場のセッティングが短時間でできる
・誰でも簡単に会議機材や設備を利用できる
・目的や人数に合わせてフレキシブルに利用できる
・ファシリティの予約利用管理が容易にできる

ポイントは、ICTの活用

前項では会議に求められる要件を整理しましたが、これらの機能を実現し、生産性の高い会議、ディスカッション、プレゼンテーションなどを行うためには、家具や内装設備などの空間面のファシリティに加え、会議の運用を支援するICT機器やシステムが非常に重要な要素となります。ICTとはInformation and Communicatio nTechnology の略で「情報通信技術」のことです。

会議の流れに沿ってタイミング良く情報やアイデアを手持ちパソコンから参加者全員で共有する、遠隔地のメンバーとも同じ部屋にいるようにディスカッションやブレインストーンミングができるなど、会議室の機能を最大化し、参加者の創造性を高める支援をするためには、ICTシステムの下支えが必要です。会議の運用や用途を考慮して会議室の設計を行う際に、ICTシステムをいかに戦略的に装備し利活用していくかが、創造性や生産性の向上のための大きなポイントになるのです。

次項から、「創造性の向上」、「効率性の向上」、「運用の容易さ」の三つの観点で、生産性を高めるためのICT装備アイデアと効果についてご紹介していきます。


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