ヤマト インターナショナル株式会社 様 ワークスタイル変革 事例紹介

第30回 日経ニューオフィス賞「近畿ニューオフィス奨励賞」 受賞

若手社員の問題意識にクローズアップして、ワークスタイルを変革。それを実現できる職場環境として取り組んだオフィスづくり。

業種:
カジュアルウェアを中心としたアパレル製品の企画・販売・製造
面積:
約1,094 ㎡
2017年に設立70周年を迎えるにあたり、「時代・市場・環境の変化に呼応し、Changeし続けられる企業」への変革を決意されたヤマト インターナショナル株式会社様。2013年にまず取り組んだのは、若手社員を中心に構成された、「若手“Change!” Project」でした。これまでの働き方の問題点を洗い出し、これからどのような環境で仕事がしたいかを模索する過程のなか、内田洋行に見学にいらしたのを機におつきあいが始まりました。それから3年の月日が経過して大阪本社の移転、続いて東京本社のリニューアルが実現。従業員ひとり一人が力を発揮できる環境が整備されました。
お客様の課題
  • ・ 若手を中心としたプロジェクトで人事制度、オフィス環境などに関する意見をあぶり出し、これからのワークスタイルを形成したい
  • ・ 歴史とともに老朽化し、煩雑になってきたオフィスを変革。効率性とコミュニケーションの充実を図るとともに、アパレルらしさを醸し出す職場にしたい
UCHIDAの支援
  • ・ 「戦略マップ」の作成を提案し、課題およびめざす方向を可視化。ワークショップの開催でより深い議論を導き出す
  • ・ フリーアドレスの採用やバリエーション豊富なフリースペースを設けた開放的なデザインでコミュニケーションがとりやすい環境を構築

ポイント紹介

設立70周年に向けての課題「これからの働き方ってなんだろう」

ヤマト インターナショナル様が「若手“Change!” Project」を発足されたのは2013年8月。「当時、20代の社員の退職が連鎖反応的に起きていました。平均年齢が高めの我が社にとってそれはとても危険な状況です。そこで社長から若手とコミュニケーションが取れる仕組みを作ってほしいという依頼を受けて立ち上げたのがこのプロジェクトです」とプロジェクトリーダーを務められた伊勢美朝子さん。
若手のモチベーションをアップするだけではなく、社内研修制度の確立など、若手の育成も視野に入れ、まずは40歳以下の社員から社内公募で30人程度を選出し、「それぞれが描く10年後のヤマト インターナショナル」というテーマで社内プレゼンコンペを実施されました。

そのプレゼンで優勝したチームは、社員の不満をアンケート調査するとともに他社の調査も行い、人事評価、企業イメージ、社内環境の改善が必要とされていること訴えて提案。優勝メンバーの一人だった中山拓哉さんは「当時、私は入社2年目。そんな自分がまさかこんなプロジェクトにかかわれるとは思ってもみなかったので、ものすごくやる気が沸きました」と当時を振り返ります。
すぐに優勝メンバーを中心に「Yamato 70th“Change!” Project」を組織。どのようにプロジェクトを進めるか手探りする中、まずは他社事例を見て知識を貯えようと、アパレル業界に限ることなくオフィス見学を重ねられました。その1つとして訪ねてくださったのが内田洋行のライブオフィスショールームでした。

「戦略マップ」の作成により、揺らぎのないコンセプトを確立

プロジェクトスタート当時は、まだ予算がついていない状況ではあったものの、オフィスの変革を視野に入れてプロジェクトを進行しているというお話を伺い、戦略マップの作成を提案しました。
「ヤマト インターナショナルの戦略マップということで、YAMAPと名付けたのですが、この作成で会社が求めていること、自分たちのやりたいことを視覚的に整理したことにより、今後の活動の道筋ができました。また、コミュニケーション、コンパクト、コンフォートの3つはオフィス改革のコンセプトにもつながりました」(伊勢さん)

それから約2年、人事制度などの改革は導入されたもののオフィス変革については具体的な計画が示されない日々が続きます。しかし、プロジェクトチームは意欲を失うことなく、「Let’s断捨離」キャンペーンや、社員の健康を考えて安心安全な社員食堂を目指すなど、予算のかからない部分から着手し、情報や知識を蓄えるためにオフィス見学も地道に続けていました。
「いま思うと、この準備期間がとても重要だったと思います」と中山さん。プロジェクトチームにとっては、じっくり考えて学べる時間となり、その間にほかの社員に会社が変わろうとしていることを感じさせることもできました。
中山さんは「この期間がなければ、移転&リニューアルをあんな短期間で実施することはできなかったでしょう」とも。実は、大阪本社の移転は突然、決定したのです。

オフィス変革は変化のはじまり。これからも時流に応じて常にChange!

2016年8月に大阪本社を移転するとプロジェクトチームに内示があったのは同年3月。ただでさえ時間がない中、5月の全社発表までは極秘とされました。この2ヶ月を無駄にしないため、移転の件は内密にしたまま、ワークショップをスタート。それと同時に、内田洋行を含む数社でコンペも実施しました。
「できれば内田洋行さんにという思いはありましたが、願いだけでは稟議は通りません。しかし、プレゼンの内容がずば抜けていて、金額も妥当ということで内田洋行さんにお願いできることになりホッとしました」(伊勢さん)
「私たちの思いを図面上にデザインしていただけたことがとてもうれしかったことを今でも覚えています」(中山さん)

大阪本社はこれまで4つのビルに分散していたものを、創業の地でもあるデリポート(ロジスティックセンター)の1階一部に集約するという計画。元倉庫だった場所なので通常のテナントビルへの移転と比べ制約や困難も少なくはありませんでした。
「それをうまく調整して、驚くほど短期間でハイクオリティなデザイン、施工をしてくださったことに感激しました。もちろん、実際にもとても働きやすいオフィスになりました」(中山さん)
大阪本社は、2017年8月に「第30回日経ニューオフィス賞 近畿ニューオフィス奨励賞」を受賞。外部からも高く評価されました。

2017年5月には、前年の9月に施工工事を開始した東京本社のリニューアルも完了。通常業務を行いながらの工事となったため、少しずつ席を移動してもらうなど、細かなスケジュール管理をしつつの施工でしたが、期待に応えるでき上がりとなりました。
「やっと社員が誇りを持って働ける場づくりができました。しかし、今どんなに最新のものでも時間が経てばやがて古くなります。そうならないように、オフィスも制度も時流に応じてチェンジし続けることが大事だと思います。これからの課題はこのオフィスをいかに運用していくか。新しいスタート地点に立った気持ちで、今後も気を引き締めてワークスタイル変革に臨みたいと思っています」(伊勢さん)
「第30回 日経ニューオフィス賞」 受賞[大阪本社]
受賞オフィス

ご担当者様の声


ヤマト インターナショナル株式会社
人事部 人事課 東京 課長
伊勢 美朝子 様
(2017年8月までの職務は、経営戦略課 マネジャー)

オフィス変革を終えてから、そんなに時間は経っていませんが、業績も少しずつよくなってきています。ただ環境をきれいにするだけでなく、会社が成長していくためのオフィスづくりがもともとのコンセプトでしたから、この効果をとてもうれしく思っています。これからも、内田洋行さんには新しい商品や情報をどんどんご紹介いただけるよう、長いおつきあいを期待しています。


ヤマト インターナショナル株式会社
事業戦略室 事業戦略課
中山 拓哉 様

とてもすてきな環境を提供いただけたと内田洋行さんには感謝しています。あとは、我々がこの場をどう使い、どんな成果をあげるか。細かな部分では、まだ社員の方々が使いこなせていない機能もあるので、それがいかに便利かを伝えていくことも責務だと思っています。いろいろ大変なこともありますが、このプロジェクトに関われたことに大満足しています。

担当者の声


株式会社内田洋行
営業本部 オフィスマーケティング事業部
星野 剛文(写真)

パワープレイス株式会社
エンジニアリングセンター プロジェクトマネージャー
平野 大輔

長い期間、密にお話しをいただきながら、ヤマト インターナショナル様が描いておられるものを実現すべく、さまざまな提案をさせていただきました。その中で、我々が気づかされる点も多々あり、私個人としても非常に大きな経験ができたととても感謝しています。移転やリニューアルのプロジェクトが終わるとみなさん、トーンダウンされるのですが、ヤマト インターナショナル様はやる気満々。そのお気持ちに、今後もお応えします。

(2017年9月取材)
※事例の内容は、取材当初のものです。

お客様についてヤマト インターナショナル株式会社

ワニのワンポイントで知られる「クロコダイル」ブランドなど、カジュアルなファッションを展開するアパレルメーカー。今年、設立70周年を迎えるにあたり、4年前からワークスタイル変革に積極的に取り組まれています。若手社員を中心としたそのプロジェクトの活動は注目を集め、さまざまなメディアでも紹介されています。

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