いま、働き方が再定義されようとしています。テレワークから出社回帰、働く場も多様化し人とのかかわり方も変わっていくなか、自分らしく、よりハッピーに働くにはどうしたら良いのでしょうか?連載コラム「働き方の再定義 ~なりたい自分になるためのヒント~」では、株式会社圓窓 代表取締役 澤円(さわ まどか)さんと一緒に「はたらく」について考えていきます。
こんにちは、澤です。
この記事を読んでいる方の中には、「メンバーのマネジメントをしています」という人と、「一兵卒として仕事をしてます」という人がいるでしょう。
今回は、マネジメントをしている人にも、そうでない人にも、両方に読んでもらいたいなと思って書いてみます。
「自分はマネジメントをする気がないよ」って人もいらっしゃると思いますが、そういう方こそ「マネージャーの視点」を知ることで、より一層仕事がしやすくなると思うからです。
そして、もちろんマネジメントをしている人は、是非ともこの心得を持って欲しいなと思って書きます。
では、さっそく内容に入っていきましょう。
すでにお気づきの方もいるかもしれませんが、ボクは「管理職」という言葉を使いません。
理由は明確で、マネジメント職の仕事の本質は「管理ではない」と思っているからです。
管理というのは、「進捗状況は適正であるか」とか「営業活動がスムーズに行われているか」とか「業務は効率的に行われているか」とかいったことをチェックするということではないかと考えています。
そして、その内容をメンバーに会議などで逐一確認をして、問題があれば改善するための指示を出す、というのが主な業務になるでしょう。
ボクは、これらの仕事の大半はもはや人間がやる仕事ではなく、ITによって自動化するものだと考えています。
マネージャーがあれこれ言うまでもなく、メンバーが自発的に改善できるように行動を引き出せるシステムを作る方が大事ではないでしょうか。
「いや、それは理想論でしょ!」ってお思いの方もいるでしょう。
確かにそうなんですけど、その理想を形にしようと思う意思がなければ、いつまで経ってもいろんなタスクに振り回されて、マネージャーは「なんか知らないけど忙しい」という状況から抜け出せなくなります。
そこでぜひ見直してみていただきたいことが、仕事における「ホウレンソウ」のあり方です。
ホウレンソウ、すなわち「報告・連絡・相談」ですが、どの部分に一番時間をとられているのかを俯瞰してみることが大事です。
ボクは、ホウレンソウを以下のようにとらえています。
ホウ=過去
レン=現在
ソウ=未来
ホウすなわち過去は、すでに起きていることなので変更はできません。
なので、できるだけ速やかに状況が理解できるようにしておく必要があります。
いちいち会議を招集するまでもなく、データを直接見ることで確認できるようにしておくことが求められます。
この「データを直接見る」ということは、セキュリティやコンプライアンスの観点からも極めて重要です。
というのも、過去は「不変性」が求められるものです。
しかし、報告書を作る際に人手を介するようにしてしまうと、「ちょっとこの部分はぼやかして書こう」とか「この数字は都合が悪いから変更しておこう」とか、過去を変更する余地ができてしまいます。
なので、ビジネスにおける様々なアクションは、自動的にデータになるようにしておくことが大事です。
「いやそんなシステムないんですけど」って声も聞こえそうですね。
大企業であれば、本当にそのようなシステムが存在しないのかを確認する価値はあるでしょう。
社内を探してみると、実は別の部署で導入されているツールが自部署でも使えるかもしれません。
また、本当にないのであれば、導入を上層部に提案することも考えましょう。
セキュリティ・コンプライアンスと生産性のすべてを満たすシステムなら、導入を渋る方がおかしいですからね。
次は現在につながる「レン」です。
連絡の時間的特徴は「今」にフォーカスされることです。
連絡においては、即時性が高い優先度を持ちます。
また、履歴を残すことも重要ですね。
即時というと電話を思い出す方もいるかもしれません。
しかし、最近では「いきなり電話をかけてこられるのは迷惑」と考える人たちも増えていますね。(ボクもそうです)
電話は、相手の作業をいったん中断させ、耳と口を独占することができるツールです。
そして、基本的に「完全な同時性の中で行われるコミュニケーション」なので、時間共有が強制されてしまいます。
なので、やはりチャットを使う習慣をつけていく必要があります。
もうすでにたくさんの方が様々なチャットツールになじんでいますよね。
ビジネスシーンにおける連絡ツールは、チャットを主役にすることをボクはお勧めします。
チャットのいいところは、緩やかな同時性と同時に「履歴を残す」という側面もあるからです。
電話は、なかなかのちの記録として共有しにくい部分があります。
しかし、チャットなら非常に手軽にやり取りの履歴を他者と共有できます。
メンバーとのコミュニケーションで「言った・言わない」の不毛なやり取りが起きないように、ぜひチャットを使いましょう。
そして最後の「ソウ」。
これぞマネージャーの仕事です。
相談に乗る相手になることこそ、マネージャーの矜持であるとさえ思っています。
なぜなら、相談とは「未来」の話だからです。
過去は変わらないですし、現在をいきなり変えるのも大変。
でも、未来は変えられますしデザイン自由です。
いい未来を創ることこそ、仕事の本分です。
マネージャーたるもの、相談に乗ってなんぼだと心得ましょう。
では、相談を受けやすくするためには何が大事でしょうか?
それは、マネージャーが「ご機嫌」であることです。
不機嫌な状態は、相談を極めてしにくくします。
そして、不機嫌は簡単に職場に伝染します。
マネージャーにとって、機嫌がいいことは重要な仕事です。
いつも笑顔で明るくコミュニケーションを・・・とまではいいません。
しかし、「不機嫌である」ことは避けようとする意志を持つことは、仕事だと考えてください。
そして、ボクが気を付けているのは「上司」「部下」という呼称を使わないことです。
マネジメントは、単なる役割です。
「自分の方が上である」という意識は、相手に威圧的な態度をとることの抵抗感を軽くするとボクは考えています。
「上下なんてない、フラットである」と考えることで、コミュニケーションは円滑になるものです。
そうすれば、メンバーはいろんなことを相談してくるでしょうし、問題が大きくなる前に手を打つことを可能にするでしょう。
ぜひ、常にご機嫌であろうと心得てください。
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[2024.11.25公開]