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会議室不足解消の新解答 ~なぜ今、オープンミーティングスペースなのか~

2025年02月28日

会議室問題 社内コミュニケーション

「会議室が全て埋まっている」「急な打ち合わせの場所が確保できない」――。オフィスで働く方々にとって、これらの言葉は珍しくないのではないでしょうか。特に昨今のオフィス回帰に伴って出社率が上がり、会議室不足はより深刻な状況となっています。会議室の予約を巡る調整や、場所探しに費やされる時間は決して少なくありません。そこで注目を集めているのが、「オープンミーティングスペース」という選択肢です。
このコラムでは、オープンミーティングスペースの主なタイプや構築のポイント、導入事例などをご紹介いたします。

目次
  1. 会議室不足がもたらす経営課題
    • 業務効率の低下
    • 働き方改革への障壁
  2. オープンミーティングスペースという選択
    • オープンミーティングスペースの定義
    • 従来型会議室との違い
    • メリット・デメリット
  3. オープンミーティングスペースの代表的なタイプと特徴
    • カジュアルラウンジ型
    • クイックミーティング型
    • プロジェクトスペース型
    • コミュニケーションハブ型
    • ラーニングコモンズ型
  4. 成功する導入のポイント
    • スペースデザイン
    • 柔軟性の確保
    • 照明と快適性
    • テクノロジー
    • 運用ガイドライン
  5. 導入企業の実例
    • 株式会社ダイセル 様
    • 富士通株式会社 様
    • ブラザー販売株式会社 様
  6. オープンミーティングスペースにおすすめの家具とICT
    • Puller(プラー)
    • corocoro(ころころ)
    • BAKE(ベイク)
    • ClickShare(クリックシェア)
    • SurfaceHub(サーフェスハブ)
    • モバイルバッテリー
  7. まとめ

会議室不足がもたらす経営課題

会議室不足の問題は、一見すると単なる設備の問題のように見えますが、その影響は組織全体に及びます。

業務効率の低下

最も顕著な影響が、業務効率の低下です。会議室予約の調整に費やされる時間は、企業規模が大きくなるほど深刻化します。一つの会議の予約に費やす時間がたとえ5分だとしても、会議の回数や従業員数に換算すればかなりの時間になってしまうことは容易に想像ができます。また、適切なタイミングで会議室が確保できないことによる、意思決定の遅れも見過ごせません。

働き方改革への障壁

近年、特に重要性を増しているのが、働き方改革推進における阻害要因としての側面です。イノベーションを生み出す異分野交流が求められる中、部門間のコラボレーションや、即興的なブレインストーミングといった創造的な活動も、場所の制約により制限されがちです。

オープンミーティングスペースという選択

このような課題に対する新しい解決策として、オープンミーティングスペースが注目を集めています。

オープンミーティングスペースの定義

オープンミーティングスペースとは、従来の会議室とは異なる壁や仕切りのない開放的な空間で、社内の人が自由に集まりミーティングや打合せが行える場所です。

従来型会議室との違い

従来型の会議室と比較した際の主な違いは、同じ面積でより多くの利用が可能なスペース効率の良さです。また、用途や人数に応じて柔軟な運用が容易で、即興的な利用やカジュアルな打ち合わせに適しています。

メリット・デメリット

導入にあたっては、以下のようなメリット・デメリットがあります。

①メリット

  • 必要な時にすぐに集まれる
    ちょっとした相談、急な打合せなど、いちいち会議室を予約することなくすぐに利用できるため、業務効率の向上や意思決定のスピードアップにつながります。
  • スペース利用効率の改善
    ミーティング以外にも個人業務やリフレッシュ、ランチなどの場所として幅広く利用ができ、スペース効率が上がります。仕事内容に合わせて自由に働く場所を選べる「ABW」(Activity Based Working)との親和性も高い空間です。
  • コミュニケーションの促進
    形式的な会議室とは違うカジュアルな空間は、リラックスして発言しやすい雰囲気が生まれます。また、誰でもが自然と集まりやすく、日頃接する機会が少ない部署の人との交流も生まれやすくなります。

②デメリット

  • 機密性の高い会議には不向き
    会話の内容が周囲に漏れてしまうことや、集まっているメンバーも周りから見えてしまいますので、機密性の高い会議には適していません。
  • 音環境の管理が必要
    周りへの音漏れに対する配慮と、集まっているメンバー間での会話の聞き取りやすさの両方を考える必要があります。特にオンライン会議を行う場合は超指向性のスピーカーや吸音材質の家具、ゾーニングの工夫での対策が有効でしょう。

従来の会議室と上手に使い分けましょう。

オープンミーティングスペースの代表的なタイプと特徴

主なタイプと特徴をまとめました。

1.カジュアルラウンジ型

[特徴] 雑談や自由な会話で気軽に立ち寄れる開放的な空間
[向いている用途] アイデア出し、気軽な1on1、インフォーマルな打ち合わせ
[人数の目安] 2~6名程度
[あると良いもの] ソファやローテーブル、観葉植物、コーヒーマシン

2.クイックミーティング型

[特徴] さっと集まり短時間でのミーティングに最適な立位での打ち合わせ空間
[向いている用途] 短時間のミーティング、立ち話の延長、情報共有
[人数の目安] 2~4名程度
[あると良いもの] ハイテーブル、ハイチェア、ホワイトボード

3.プロジェクトスペース型

[特徴] プロジェクトの進捗管理がしやすい視覚的な情報共有ツールが充実した空間
[向いている用途] プロジェクト進行、チーム作業、ブレインストーミング
[人数の目安] 6~12名程度
[あると良いもの] 大型モニター、可動式の机と椅子、充実したホワイトボード(壁面・移動式)

4.コミュニケーションハブ型

[特徴] 部署を超えたメンバーとも集まりやすく、交流や協創を促す空間
[向いている用途] 部門横断ミーティング、プレゼンテーション、社内ミニイベント
[人数の目安] 10~20名程度
[あると良いもの] 大型モニターやプロジェクター、音響設備、様々な形態の座席

5.ラーニングコモンズ型

[特徴] 学びと交流を両立させるデザインで、オンラインと対面のハイブリッドにも活用できる空間
[向いている用途] 社内勉強、ナレッジ共有、新人研修、OJT
[人数の目安] 15~30名程度
[あると良いもの] 大型スクリーン、複数モニター、音響設備、充実したホワイトボード、参加者から意見収集ができるツール、可動式の机と椅子

成功する導入のポイント

オープンミーティングスペースの導入を成功に導くためには、以下の要素が重要となります。

1.スペースデザイン

①適切なゾーニング

適切なゾーニングは、多様なミーティングに対応する鍵となります。
  • 静寂エリアと活発な議論エリアの分離
  • 動線を考慮した配置
  • プライバシーレベルに応じたエリア設定

②音環境への配慮

音環境対策は、オープンミーティングスペースにおいて大変重要です。吸音パネルや間仕切りを配置した騒音の抑制、マスキングのためのBGMの活用、また、周辺の執務エリアへの影響を考慮した運用ルールなどを組み合わせて対応します。
  • 吸音パネルや可動式間仕切りの効果的な配置
  • BGMの活用検討
  • カーペットや柔らかい家具による音の拡散防止

2.柔軟性の確保

可変性の高い家具は、目的や人数に応じたミーティングに迅速に対応できます。簡単に再配置できるレイアウトは、組織の変化や新しいプロジェクトに柔軟に適応できる環境を創出します。
  • 多目的に使用できる什器
  • 簡単に再配置できるレイアウト
  • 可動式の家具やミーティングツール

3.照明と快適性

自然光を取り入れることで、明るく開放的な雰囲気を作り出します。温度管理や換気にも細心の注意を払うことで、快適で生産的な空間を実現できます。
  • 自然光の最大活用
  • 温度や換気への配慮

4.テクノロジー

テクノロジーとの統合も不可欠です。安定したWi-Fi環境、充電ステーション、大型モニターの配置は、シームレスなコラボレーションを支援します。
  • Wi-Fi通信環境の整備
  • モバイルバッテリー
  • プロジェクター・ディスプレイの配置
  • 電子ホワイトボードや無線投影システム

5.運用ガイドライン

円滑な運用のためには適切な運用ガイドラインを策定し、社内周知を行います。新しい仕組みを定着させるためにも大切なステップです。
  • 導入目的の明確な発信
  • 長時間利用への対応方針
  • 混雑時の利用ルール
  • 日常清掃の範囲と頻度
  • 設備不具合への対応フロー
  • フィードバック収集の仕組み

導入企業の実例

株式会社ダイセル 様

ホワイトボード機能を兼ねた可動式間仕切りで自由に空間構成が変えられるプロジェクトワークエリア。テーブル、チェア、モニターもすべて可動式。

関連リンク:株式会社ダイセル 様(オフィス新設移転 事例紹介)

富士通株式会社 様

可動式ホワイトボードとキャスター付き什器によって、用途や人数の制限なくオープン・ディスカッションができる空間。

関連リンク:富士通株式会社 様(研究所部門移転 事例紹介)

ブラザー販売株式会社 様

各フロアの入り口横に壁面はホワイドボードとマルチインフォメーションウォールを設置。最新の情報がそこにあることで、会話のきっかけにもなり、情報の発信と共有を実現。

関連リンク:ブラザー販売株式会社 様(オフィスリニューアル 事例紹介)

オープンミーティングスペースにおすすめの家具とICT

  • Puller(プラー)
    Puller(プラー)
    キャスター付きで簡単に移動させることができる“境界”。モニター、ホワイトボードなどさまざまなオプションで柔軟な空間を構成します。同シリーズでウォール、テーブル、チェア、カートがあります。
  • corocoro(ころころ)
    corocoro(ころころ)
    誰でも動かしやすく軽量で、多様なワークシーンに対応するパーティションです。人・モノ・情報の心地よいつながりを生みだし、効率的でかつ創造性にあふれた仕事を実現します。
  • BAKE(ベイク)
    BAKE(ベイク)
    働く場のコミュニケーションシーンを豊かに彩る総布張りソファシリーズです。背の高さはローバック、ハイバックの2種類、C字タイプやコーナータイプとの組み合わせでお好みのミーティングラウンジが構成できます。
  • >ClickShare(クリックシェア)
    ClickShare(クリックシェア)
    ケーブルを抜き差しすることなくノートPCやモバイル端末内の情報を簡単に投影できるツールがあれば、レイアウトに縛られることなく、気軽に各自の考えや意見を出すことができます。投影される情報量が増えることで、コラボレーションの促進にもつながります。
  • >SurfaceHub(サーフェスハブ)
    SurfaceHub(サーフェスハブ)
    SurfaceHub のホワイトボードに直接アイデアを書きこむことはもちろん、スマートフォンやタブレット、パソコンからの同時書き込みやデータの共有ができるのは、電子ならではのメリットです。ワンタッチで遠隔地と簡単に接続でき、その場にいない相手ともライブ感のある議論が行えます。
  • >モバイルバッテリー
    モバイルバッテリー
    オープンミーティングスペースでの電源の確保は不可欠です。モバイルバッテリーを用途に合わせて使い分けることで場所にとらわれないフレキシブルな働き方をサポートします。

まとめ

オープンミーティングスペースは、単なる会議室不足の解消策を超えて、働き方改革を推進する重要な施策となり得ます。導入に際しては、自社の課題やニーズを正確に把握し、適切な計画のもとで進めましょう。特に、スペースデザイン、運用ルール、社内浸透策の3要素を適切に設計し、継続的な改善を行うことで、より大きな効果を得ることができるでしょう。

会議室不足という「課題」を、新しい働き方を実現する「機会」として捉え、積極的に取り組んでみてはいかがでしょうか。
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[2025.2.28公開]

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著者オフィス分野 コラム編集チーム
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