アットホーム株式会社様(以下、アットホーム様)が日比谷オフィスの1階に、お客様である不動産会社や関係各所の方々をお招きするスペースを設けられたのは約10年前。社史や事業内容、CSRの取り組みについて知っていただくゾーンと、研修会などにも利用できる大会議室を設置され、「不動産にかかわるすべての方のお役に立つために」という活動を推進されてきました。
今回、創業55周年を機に、このスペースを「企業ブランド価値向上」「利便性の向上」を目的に全面リニューアル。内田洋行は、これからの時代を見据えたICT構築とオリジナルコンテンツの制作を柱に、不動産情報サービスを創造したパイオニア、リーディングカンパニーであるアットホーム様にふさわしいブランド発信の場づくりをご支援させていただきました。
「ここ数年来、数々のショールームやオフィスを見学する中で、内田洋行さんのFUTURE CLASS ROOM(フューチャークラスルーム)や会議室などを拝見し、コンテンツづくりを含むICTとオフィス空間構築がワンストップでできるのは内田洋行さんしかないと確信していました」とファシリティマネジメント部次長の倉本様。内田洋行は、そのご期待にお応えすべく、アットホーム様の指定業者である設計会社との協働で、魅力的なフロアづくりに努めました。その象徴ともいえるのが、ブランドコミュニケーションエリアに設置した「at home TILES(アットホーム タイルズ)」。10m幅の造作スクリーンへの投影です。
コンテンツは当初、内田洋行の「デジタル年表」というパッケージを使って作ることを検討していましたが、55年の歴史の魅力をより効果的に見せるには、既存システムだけでは不十分と判断。事業内容やCSR活動などのご紹介も必要となるため、内田洋行にてオリジナルのアプリケーション&コンテンツの開発・制作に着手しました。その際、重視したのは「誰でも簡単に、みんなが使える」こと。データ更新がExcelファイルを使ってお客様サイドで簡単にできるシステムに仕上げ、iPadでご来場者様に合わせたコンテンツの切り替えや、各種機器の調整ができる「codemari」も導入いただきました。
もう1つの目玉は、アットホーム様の社会貢献活動の1つ、日本の伝統文化を継承する若者たちを紹介するドキュメンタリー番組『明日への扉』の紹介コーナー。従来よりも実物展示を縮小し、代わって情報配信サイネージ「Energy Wall(エナジーウォール)」を導入。テレビ放映しているコンテンツを使い、来訪者とコミュニケーションを取りながら番組を選択して視聴できる形に整えました。
リニューアル前は、かつてのブランドコミュニケーションエリアの奥に、可動式の壁で2つに区切られた会議室が設けられていました。しかし、実際は1つの部屋にして使用することが多く、長年の使用でスムーズに開閉しなくなったスライディングウォール、かなり重量のあるキャスターなしのテーブルとイスを持て余していたそうです。また、プロジェクターを使用したり、オンライン会議などを行う際にはその都度の設置が必要でした。「使用する前後に設営および撤収時間を確保しなければならず、そのための人員も必要でした。ならば、すぐに使えるICT/AVを備えた1部屋をつくったほうが効率的で、この部屋の真の稼働率が上がると判断しました」(倉本様)
リニューアル前にはなかった機能が「スタジオ」です。
コロナ禍において、アットホーム様でも社内外向けのWEBセミナーが増加しました。また宣材写真や動画の撮影を会議室の壁にバック紙を貼ったり、照明を当てたりと、いろいろ工夫して行うものの、外部の音をマイクで拾ってやり直ししたりと、四苦八苦していました。
また、こうした業務を行うため、会議室が長時間占有されるということもあります。
今回、スタジオを作ったことで業務効率が上がり、レベルの高い映像も作れるようになりました」(倉本様)
当初は音漏れを懸念し、スタジオを奥側に作る予定でしたが、内装工事を担当したウチダテクノが遮音効果の高い壁材を扱っている建材メーカーを探し、アットホーム様のご担当者をデモルームにご案内。「この遮音性が確保できるなら大丈夫」と、フロアのセンターに配置し、ブランドコミュニケーションエリアから中の様子が見える小窓もつけました。
操作については、オンライン配信システムの制御がiPadで簡単にできる「codemari webinar(コデマリウェビナー)」を導入。これまで、一定の知識や経験がなければ扱えなかったAV機材を指先で使いこなし、クロマキーで撮った映像をCGと組み合わせるなどの加工も簡単にできます。
今回のリニューアルで、設備と機能ともに、自信を持ってお招きする場に生まれ変わり、外に向けてのブランド発信力の強化とともに、インナーブランディングの効果も感じています」(倉本様)
今回も、我々が求める使い勝手のよいICT構築をご提案くださいました。「at home TILES」のコンテンツづくりに関しても、アットホーム愛を感じるほど、「この会社のよいところは何か」「それをどう表現したら皆さんに伝わるか」を追求して、さまざまなご提案をしていただけたので、安心してお任せすることができました。すでに多くのお客様をご案内する中で、「この写真をもっと大きく見たい」など、アナログでは出ようがないリクエストも上がっています。そうした修正の相談にも対応くださり、とてもありがたく思っています。
アットホームホールディングス株式会社
ファシリティマネジメント部 次長 倉本 隆司 様
お話をいただいた時から、このフロアに対する倉本様の強く熱い思いを感じていました。内田洋行としてその思いを受け止め、さまざまな機能のある空間とコンテンツを作り上げ、それをしっかり評価いただけて、営業としてうれしい限りです。ご来場されたお客様の反応も良いとうかがい何よりですが、ICTは今後の運用や保守が重要となります。その体勢も万全に整え、常に成長・進化されるアットホーム様のオフィスづくりをご支援させていただきます。今後とも、よろしくお願いします。
株式会社内田洋行
オフィスエンジニアリング事業部 桐谷 徹
横浜で不動産図面配布業務をスタートさせたのが1967年。以来55年間、アットホーム様は不動産情報サービス業のパイオニア、リーディングカンパニーとして歩み、不動産情報メディアや不動産業務ソリューションなどの提供を通じて、不動産にかかわるすべての人に向けたお役立ちサービスを提供されています。現在、国内の不動産会社の約半数にあたる6万店超がアットホーム加盟・利用不動産店であることが、何よりの信頼の証し。また、『明日への扉』もYouTubeチャンネル登録者数11万人を超え、社会貢献度と注目度の高いコンテンツです。
アットホーム株式会社 企業サイト※記事内容や役職等は取材当時のものです。(2022年7月取材)