第25回:英語にまつわるエトセトラ【澤円の連載コラム】

【澤円の連載コラム】働き方の再定義 ~なりたい自分になるためのヒント~
AI時代でも英語は大事 強烈なアドバンテージ もう少し英語をがんばってみる

いま、働き方が再定義されようとしています。テレワークから出社回帰、働く場も多様化し人とのかかわり方も変わっていくなか、自分らしく、よりハッピーに働くにはどうしたら良いのでしょうか?連載コラム「働き方の再定義 ~なりたい自分になるためのヒント~」では、株式会社圓窓 代表取締役 澤円(さわ まどか)さんと一緒に「はたらく」について考えていきます。

こんにちは、澤です。

突然ですが、英語は得意ですか?
日本人にとって、英語というのは永遠のテーマになっていますね。
学校教育の中では常に必須科目として君臨していて、あらゆる試験の中に組み込まれています。
今は小学校から英語を学ぶ機会が用意され、大学に進学すると14年くらい学び続けることになります。
それだけ学ぶ機会があるにもかかわらず、日本人の英語に対する苦手意識は克服しきれていないようです。

世界最大規模の英語能力ランキング(非英語圏対象)において、日本は123カ国中96位(2025年版)と、5段階評価で最低ランクの「非常に低い英語能力」に位置づけられています。アジア圏内でも韓国(48位)や中国(86位)などを下回る水準になっています。
また、民間調査(スピークジャパン等)では、日本人の約76%が「英語で伝える自信がない」ことを理由に外国人との会話を避けた経験があると回答しています。
そして、英会話スクールも巨大市場になっていて、矢野経済研究所の調査では、語学ビジネス市場全体で約7,900億円規模になっており、その90%が英語を扱っているそうです。
ちなみに、ボク自身も英語習得アプリを宣伝する案件をいくつもやらせていただきました。
AIの発達に伴い、アプリの充実度合いも高まってきて、英語を学ぶ環境はどんどん発達してきています。

さて、今話題に出したAIですが、翻訳の精度はとんでもないことになっています。
英語のプレゼンを聴くときは、ボクは常にスマホで翻訳アプリを立ち上げて同時通訳をしてもらっています。
テキストになるので、何度も読み返して意味を確認することもできます。
逆に、自分が日本語で話した内容も瞬時に英語にしてくれるので、意思疎通もスマホを使えばスムーズに行える世の中になりました。
そうなってくると、学ぶ意味はあるのか?という疑問が浮かんできても不思議ではないですよね。

ボクはマイクロソフトでマネージャーをやっていて、自分のレポート先が日本人ではない期間がかなり長くありました。
必然的に、英語を話す機会が増え、それなりに話せるようになりました。
当時の翻訳アプリは、今ほど発達はしていなかったものの、そこそこ助けてはくれました。
資料作成の時などに英文法をチェックするためにDeepLというサービスに課金して、必死こいて英語の資料をこさえてました。なつかしーー
でも、最終的に大事なのは、Face to Faceによるコミュニケーション。
結局これに勝るものはありませんでした。
そして、マネージャーや本社の人たちから、英語力について指摘を受けることはなく、とにかく真摯に会話に付き合ってくれた記憶があります。
相当つたない英語だったと思うのですが「あなたが言いたいのはこういうこと?」と時折修正をしてもらいながら、会話をしていました。

AI全盛時代、人間にとってどんどん身体性や当事者性が重要になってきています。
身体性というのは、「時間と空間を共有し、人体の機能を使って表現すること」です。
これは、コロナ禍を経てさらにプレミアム度がアップしましたね。
オンラインでしか会えない状態に、強いストレスを感じていた人も多かったのではないでしょうか。
コロナ禍が明けてから出社をするように促す企業が現れましたが、これは身体性が生み出す効果を再認識した側面もあったと考えています。
そしてもう一つの当事者性。
生成AIによって、ドキュメントや画像などの制作物のクオリティは、一定のレベルまでならだれでも手軽につくれるようになりました。
そこで大事になってくるのが「誰がつくったのか」というコンテキストです。
人と紐づいていることの価値が相対的にアップして、「誰」という部分にフォーカスが当たるようになったのです。

さて、英語に話をもどすと、この「身体性」と「当事者性」を同時に満たしながら、世界を相手にビジネスをしたいのであれば、英語が話せるというのは強烈なアドバンテージになります。
声に出して話すという行為は、その人自身に紐づいた最も効果的な価値創造です。
少々間違ってようと何だろうと、一生懸命に自分のアイディアを話そうとする人には、多くの人が耳を貸すのではないでしょうか。
スムーズなコミュニケーションをすることだけを目的にするなら、AIにすべて頼るのも一つの手段です。
しかし、情熱や切実さを込めたいなら、やはり身体性と当事者性を両方満たす会話の方が、圧倒的なパワーを持ちます。

多くの日本人が英語を話すことにしり込みする理由の一つには、「日本人による批判」に対する嫌悪感があるのではないかと思います。
ボクの英語力について指摘をした海外の同僚はいませんでしたが、いちいちケチをつける日本人はいました。
確かにその連中の英語は達者だったかもしれませんが、今考えれば残念な人々だったなぁ、というのが正直な気持ちです。
そういう人々の指摘を恐れて、自分の世界を狭くしてしまうのはもったいないですね。

今は、英語を学ぶ手段がふんだんにあります。
日本語は全世界の1.7%の人にしか届きませんが、英語なら20%に跳ね上がります。
さらに、英語から別の言語への翻訳であれば、日本語に比べたらずっと楽になりますね。
世界に飛び出したい!とまで思わなくても、ちょっとでも自分の世界を広げたいなと思うなら、英語は今でも一番コスパのいい手段ですね。
ボクと一緒に、もうちょっと英語がんばってみるのはいかがでしょう。

▽最新情報をメールでお届け!メールマガジン(無料)にぜひご登録ください!
メルマガに登録して新着コラムを読む


[2026.9.14公開]

澤 円(さわ まどか) 氏
著者澤 円(さわ まどか)氏
株式会社圓窓 代表取締役
武蔵野大学 アントレプレナーシップ学部 専任教員(教授)
元・日本マイクロソフト株式会社業務執行役員。マイクロソフトテクノロジーセンターのセンター長を2020年8月まで務めた。DXやビジネスパーソンの生産性向上、サイバーセキュリティや組織マネジメントなど幅広い領域のアドバイザーやコンサルティングなどを行っている。複数の会社の顧問や大学教員、Voicyパーソナリティなどの肩書を持ち、「複業」のロールモデルとしても情報発信している。また、ファッションや美容、自動車などのインフルエンサーたちとも積極的に共創活動を行っている。

キーワード​

こちらの記事もご覧ください​

TOP

▲