Change Working コラム

チェンジドライバーの見つけ方

2016年09月05日

ワークショップのキーポイント

本コラムをスタートして2年になりますが、その間、ワークスタイル変革の動きは益々盛んになり、いろいろな所で取り組みの話題を聞くようになりました。 
何故、働き方変革に取り組むのか。その具体的な理由は各社様々だと思いますが、変革に成功している企業に共通するのは、変革に取り組むべき必然性、すなわち変革要因が明解であることです。
そしてその変革要因をみると、多くは経営環境の変化に対応するために、より柔軟な組織、より強い組織の実現を目指したものであることが伺えます。

このような変革要因となる経営環境の変化をチェンジドライバーと呼びます。乱暴に言うと、チェンジドライバーが無いならば、特にワークスタイル変革など行う必然性は無いとも考えられます。ワークスタイル変革は、このチェンジドライバーを認識することから始まると言っても良いでしょう。

では、どのようにチェンジドライバーを見つけることができるのでしょう。基本は、自社を取り巻く環境変化を敏感に受け止められるようにアンテナを張り、変化の兆しに対する感度を上げるということでしょう。実務的には、システム投資や社屋の移転といった大きなイベントを計画する際には、必ず経営環境の変化に対する評価を行い、単なるシステム導入や施設整備で良いのか、イベントをトリガーとしたワークスタイル変革に着手する必要はないのか、という検証を行うことが考えられます。また中期経営計画等の策定時には、多くの場合、経営環境に対する分析や評価を行うと思います。その中からワークスタイル変革の必然性を示す動向を見つけ出すということも考えられます。

ワークスタイル変革のチェンジドライバーとなる環境変化には様々なものがあります。顧客のニーズの変化、競争環境の変化、技術革新、更には社会全体の変化などが、働き方にどのようなインパクトをもたらすのか、という想像力を持つことも重要です。このような環境変化に対応するために、今のままの仕事の進め方やコミュニケーションの在り方で良いのか、意思決定のスピードや社内協業の動きは大丈夫か、社員の危機感や意識は醸成されているのか、といった視点で確認し、変革の必然性を評価していくことになります。

逆に、チェンジドライバーの確認をしっかりとしないままワークスタイル変革に着手した場合は、「なぜ働き方を変えなければいけないのか」という社員の疑問に明快に答えるためにも、チェンジドライバーと変革要因を明確にしておくことが必要でしょう。これだけ社会や市場が変わっているのだから、その中身をいちいち考えなくても働き方を変えなければいけないのは当然だ、といった意見を聞くこともあります。しかし、何がインパクトでどこをどのように変える必要があるのか、ということが明確な方が、変革が進捗することは間違いないでしょう。ぜひ、「我が社のチェンジドライバー」を考えてみてください。
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