今回はワークショップの成果やインタビューなどの調査結果をもとに、イシューやアイデアをまとめていく時に使うツールであるワークシートについてお話ししてみたいと思います。
ワークスタイル変革のプロセスでは、問題を明らかにしたり、変革のアイデアを抽出したりするために、インタビューやワークショップで意見を集める場面が多くあります。うまく運営できたワークショップでは、短時間で膨大なアイデアが集まります。またインタビューを重ねると、やはり膨大な量の様々な立場の人から出された意見が集まります。これらの生な情報を素材とし、粒度を考えながら分解や統合を行ったり、グルーピングしたり、階層化したりしながら、全体の姿や重要な課題・施策を浮き彫りにしていく道具がワークシートです。
また、インタビューやワークショップを行うと確かに膨大な素材が集まりますが、構造的に整理すると、アイデアが出し切れていない分野があったり、偏っていたりする部分も出てきます。これを補い、問題やアイデアを出し切ることも、ワークシートの大切な役割となります。経験則ですが、ワークショップではワークシートで最終化された結果の7~8割程度の意見が出されるもの、と考えると良いでしょう。すなわち、ワークショップの成果を出発点として、ワークシート上で追記を行いながら、課題分析や施策創案を完成させるということになります。ワークシートは、その追記の際にどの部分の意見やアイデアが十分で、どの部分が足りないかを明らかにする分析ツールとしての役割も担います。
このように、ワークシートはワークスタイル変革を進めるうえで重要な役割を持つ道具です。私たちコンサルタントも多くのワークシートを利用します。ワークシートを使う際に重要なことは、変革を進めるなかで刻一刻と変化していく状況に対応し、アップデートできる形にしておくことです。また、実際に常に更新を怠らず、その時点の状況がワークシートに反映されているようにすることが大切です。ワークシートをみると、そのテーマに関して、今どのような状況なのかが一目瞭然で解る。これがワークシートの理想的な使い方です。
地味な存在ですが、働き方変革のプロセスで重要な役割を担うワークシート、実際にどのようなものがあるのか、どのように使うのか。ご興味があれば、ぜひ知的生産性研究所までお問い合わせください。