前回のコラムは「あけましておめでとうございます」から始まる文章でしたが、早いものであっという間に3月になりました。日本では、官公庁や学校だけではなく、企業も4月スタートの会計年度を採用しているケースが多いと思いますので、今、多くの職場でいわゆる年度末の忙しさを迎えていることかと思います。
ちなみに、なぜ日本の官公庁や多くの企業が4月~3月の会計年度なのかをちょっと調べてみたのですが、4月~3月の会計年度を採用したのは明治17年で、そこに落ち着くまでには結構右往左往があったみたいですね。ウィキペディアによると、田中角栄首相の時に1月~12月のいわゆるカレンダーイヤーに変えようという話も出たようですが、結局は4月~3月制が継続したということのようです。
会計年度が何月スタートであっても、最終月度の忙しさはなかなか解決しないかもしれませんが、この年度末の忙しさ、というのは「働き方」という視点から見て悪いことなのでしょうか。もちろん、年度末に極端な忙しさにならないように年初に業務スケジュールをしっかりと設計し、負荷の平準化を図ることが基本かもしれません。しかし、変化が激しい環境下で、時点最適の運用を重視し、区切り区切りで調整する、といった考え方もあるかもしれません。
また、いわゆる年度末の忙しさには、慣習的に締切効果が表れるまで放置したことによるもの、すなわち解決すべき忙しさと、集中して一気にそこで片付けてしまった方がかえって効率的な、敢えて臨むべき忙しさの2種類がありそうです。後者の場合は、年度末にそのようなイベントが発生することを前提に、スケジュールにバッファを持たせておくことができると良いでしょう。
プロジェクトのような会計年度とは異なるスケールで動いている仕事でも、同じようなことが言えるかもしれません。フェーズドアプローチのプロジェクトの場合は、各フェーズの最後に調整シロを取り、そこでそのフェーズで積み残したことを一気に片付けターミネーションする、といった進め方もありそうです。
業務負荷の平準化を目標とし業務量のピークカットをめざすか、あえてメリハリをつけ一気にやっつけるか、トータルとしての生産性という視点から見ても面白いテーマだと思います。