Change Working コラム

「組織風土」とワークスタイル

2014年09月11日

「組織風土」とワークスタイル

今回は、ワークスタイルと密接な関係にある「組織風土」について考えてみたいと思います。前回取り上げた「情報」や「知識」と同様、「組織風土」も良く使われる言葉ですが、ひとによりその定義が違いを見せる言葉と言えるでしょう。ここでは、「組織(チーム)のメンバの価値観や行動様式が集積された結果表れる組織としての特性」と捉えてみたいと思います。

そう考えると、同じ会社であっても、組織(チーム)が違うと組織風土も違いを見せるというケースも見られます。実際、同じ会社でもエンジニアと営業ではチームの風土が違う、同じエンジニアでも、製品設計の部門と基礎研究の部門では風土が違う、といった状況は良く見られることです。もちろん同じ会社の社員ですので、部門や職種が違っても共通する根っこみたいものはあるでしょう。ただ、「我が社の組織風土はこうだ」とひとくくりに括ってしまうのは、ちょっと乱暴かもしれません。

実際、組織風土を可視化する調査プログラムで調べてみると、部門、職種などにより、顕著な違いを見せるケースも少なくありません。更に、在りたき組織風土という視点で調査をすると、同じ部門であっても、職位や立場により方向感が異なっている場合もあります。

なぜ組織風土の違いを認識する必要があるか。それは、会社の中で他の部門とコミュニケーションする時に、「同じ会社の仲間なのだから、皆、自分と同じような価値観を持ち、同じように判断するに違いない」という認識の落とし穴に落ち込まないためと言えるでしょう。複雑で変化のスピードが速い社会では、皆同じような考え方を持つ同質化した組織より、多様な価値観や行動様式を持つ組織の方が、対応力があると言われています。お互いの違いを認識し、その違いを強みとしたコラボレーションをできると、きっと良い成果を産み出せることでしょう。

ワークスタイル変革の狙いのひとつは、「働き方」を変えることにより自分たちが理想とする組織風土に近づけていく、という視点があります。そして、この「在りたき組織風土」は、会社全体で共通する部分と部門やチームごとに異なる部分がある。ワークスタイルと密接な組織風土、ぜひ機会を見つけて、自分たちはどのような組織風土を持ち今後どのような姿を目指すのか、会社全体でどこが共通していてどこが違うのかなど、考えてみると良いと思います。


TOP

▲