フリーアドレス2.0 成功のポイント

なぜ今、再びフリーアドレスか

かつて困難といわれたフリーアドレスですが、近年成功事例が増えています。かつてのフリーアドレス(フリーアドレス 1.0)と、新しいフリーアドレス(フリーアドレス 2.0)の違いを考察します。

フリーアドレス 2.0 の登場

テクノロジーの進化

フリーアドレス 1.0 と 2.0 の大きな違いの1つが、ICT(情報通信技術)の進化によるコミュニケーションや情報の扱い方の劇的な変化です。1980年代から1990年代は、机上の固定電話、簡単には持ち運べないコンピュータ端末、膨大な紙文書、雑多なものが詰まったワゴンなどがフリーアドレスの物理的な障壁でした。内線電話を含めたモバイルフォン化、ノート型パソコンやスマートデバイスの普及、ドキュメントのデジタル化といったテクノロジーの進化が、これらの物理的障壁を下げたことは確かでしょう。

導入目的の変化

フリーアドレス1.0の多くは、デスクの共有化や空席の回転率を高めてスペースコストを減らすことをねらいとしたものでした。もちろんスペースコストの削減はメリットがありますが、単にコスト削減のため席を減らすというアプローチは、社員には共感しにくいものであったことが想像できます。最近では、コスト削減以上に働き方変革の舞台作りを重視するケースが目につきます。生産性の向上や活力ある組織風土作りといった経営視点でのメリットと、手際よく仕事をしたい、自分のスタイルで自由に仕事をしたい、といった社員のニーズが合致するため、自分の席がなくなることへの抵抗感が少なくなりました。

意識や行動様式の変化

自分の席でなくても仕事ができるという実感を持つオフィスワーカーが増えていることも、大きな要因です。実際、街のカフェや訪問先の企業のロビーの一角でパソコンを開いて仕事に集中している人を見ることは珍しくなくなってきました。もちろん、モバイルワーカーはまだ限定された存在かもしれませんが、フリーアドレス適性が高い社員の比率は間違いなく増えていくと思われます。

フリーアドレス導入のねらい

コミュニケーション活性化

最近のフリーアドレスの導入目的として最もよく挙げられるは、社内のコミュニケーションの活性化でしょう。それも、同じセクションやチーム内のコミュニケーションというより、組織や立場を越えたコミュニケーションの活性化への期待が高いようです。
席が決まっていないため、いろいろな人と顔を合わせたり会話をする機会が生まれ、部門を越えた顔見知りが増えることにより、組織の壁がだんだんと低くなるという成果が期待されているようです。

社員の行動様式の変革の促進

フリーアドレスの職場では、その日の仕事内容やスケジュールを考えて働く場所を選ぶことになります。一緒に作業をした方が効率的な仲間が集まり、近くに座ることもあるでしょう。気分を一新するため、午前と午後で別な場所に座ることもあるかもしれません。このように状況に応じた最適な働き方を日常的に意識することで、生産性への意識が高まりや、自律的な行動の醸成が期待できます。

社員の満足度の向上

フリーアドレス2.0では、そこで働くことが楽しくなるような魅力的な職場職場を実現する例が出てきました。多様な選択肢が用意され、好きな場所を選んで働ける、従来にはなかった執務環境を社員に提供し、満足度の向上をはかるアプローチです。

コストダウン

スペースコストの削減はフリーアドレスの大きな魅力の1つですが、社員の納得感を得るための導入プロセスが重要です。たとえば、削減したコストを使って最新のPCやデバイスを導入するなど、社員の利便性が向上すると、納得感が得やすいでしょう。

フリーアドレス導入のボトルネック

導入目的が不明瞭

前述のとおり、フリーアドレスは組織の生産性を高める、コストを削減する、といった経営上の目的を実現するための手段です。したがって、解決すべき課題がなければ、無理をして導入する必要はないわけです。ところが実際には、他社がやっているから、見学したオフィスがいい感じだったから、といったように目的が不明確なまま導入を検討しているケースが少なくありません。これでは社員の同意も得られず、何をもって成功とするのか評価もできません。まずは導入目的をはっきりさせることが、議論の出発点となります。

社員の納得が得られない

無理に導入すると、社員のモチベーションが下がる、結局席が固定化したフリーアドレスではなくなってしまう、などの失敗につながります。社員から大きな反対の声がないので安心して導入したが、協力を得られず、結局失敗してしまった、というケースもあります。たとえ共感しがたい施策でも、経営メリットが明らかな場合は社員も表立って反対できないものです。形式ではなく、本音の納得が重要です。

運用がうまくいかない

フリーアドレス導入の際は、固定電話のモバイルフォン化、無線LANの導入、文書のデジタル化(ペーパーレス化)といったシステム面での整備に加え、そのシステムを活用して成果を生み出すための運用上の仕掛けや仕組み作りが必要です。フリーアドレスは運用を考えることから始まり、運用を常に見直していくことで成長する、といっても過言ではないのです。

フリーアドレスの成功要件

目的と期待成果を明らかにする

目的があいまいなままフリーアドレスを検討する危険性は、前述のとおりです。フリーアドレスの検討に際して、真っ先に議論すべきは、「なぜフリーアドレスを採用するのか」です。

社員の共感を得る

当たり前に与えられるものと思っていた自席がなくなるのは、頭では理解できていても心情的に納得できない人も多いと思います。なぜそのような取り組みが必要なのかという背景を含め、しっかり共有し、社員の共感を得ることが重要です。
また、経営にとってのメリットだけではなく、個々の社員にとってどのようなメリットやチャンスがあるのかを理解してもらうことも必要です。フリーアドレスの導入においては、抵抗感を上回る期待感を持ってもらえるような、推進者と利用者との密なコミュニケーションが望まれます。

支援環境を整備する

ICT環境、中でもフレキシブルなコミュニケーション環境(インフラ・グループウェア・クラウドの活用など)と固定電話からの解放は、必要項目といえるでしょう。ほかにも、素早い情報共有のためのデスクトップ共有(簡単に自分のデスクトップを投影できる仕組み)、旬な情報共有のためのサイネージ、仲間の状況を簡単に把握するためのチャットツールやスケジューラーなど、フリーアドレスにおいてICTが果たす役割はとても大きいといえます。

魅力的な執務空間

オフィスを思いっきりおしゃれで楽しい空間にしてしまう方法も有効です。フリーアドレスでは、従来の固定席では考えられなかったような多様な選択肢を持つ執務スペースを実現できます。その特徴を活かして、あるときは家族が集まるリビングのソファのような場所で、またあるときはカフェの片隅で、というように、全く新しい概念の働く場を提供することもできます。これは自分の席がないことに対するトレードオフという意味だけでなく、そのような空間で働くことにより新しい行動様式や多様な価値観を育むといった効果も期待できます。

導入プロセスと運用体制

導入段階で運用体制、ルールやガイドラインといったツール、社員参画の仕掛けなどをしっかり準備し、稼働できるかどうかが、フリーアドレスの持続的な活用の重要な要件といえます。たとえばペーパーレスを例に挙げると、確かにICTの進化によりドキュメントのデジタル化が進み、ストレージや検索のソリューションも普及してきました。しかし、多くのオフィスにはいまだ紙文書があふれており、紙文書からの解放を実現するためにはICT環境の整備だけではなく、紙文書とデジタルドキュメントの役割定義、ドキュメントの取り扱い方の整理、利用者の意識改革といったさまざまな検討を、フリーアドレス導入と並行して進める必要があります。

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