株式会社 YSK e-com 様は創業以来成長を続けられており、現在、本社のほか、甲府市内に3カ所のオフィスを構築し、東京と福岡にも支社を設けられています。
今回、本社の隣の150坪の土地の購入が実現。「山梨県一の最新の働きやすいオフィス」を目指して、既存の本社に連結する形で3階建のビルを建設し、ワーキングエリアとコミュニケーションを高める場の創造に着手されました。家具、什器の選択をお任せいただいた内田洋行は、YSK e-com 様の本社新館の魅力をさらに引き立てるため、こだわり抜いた建造物、内装にふさわしいレイアウトと製品のご提案に尽力しました。
1986年の創業以来、『武田節』の「人は石垣、人は城」という一節を胸に、「企業の発展は人にあり」を信条として歩まれている株式会社 YSK e-com 様。代表取締役会長の飯室元邦様は常に社員目線で、働きやすい職場の実現に取り組まれています。
「一般的に離職率が高い業界ですが、わが社はこの1年間の退職者はゼロ。オフィス環境と福利厚生をはじめとする制度の両輪による成果だと考えています」と語られる飯室様が会社全体のコンセプトに掲げられているのは「アンバランス」。安易なところで妥協して平均化するのでなく、いろいろな尖った要素を取り入れ、そこから得たインスピレーションをチャレンジにつなげていくという発想です。
「SEは真面目な人が多い。そうした社員に新しい感性に触れる機会を与えるのが経営者の仕事だと考えています」と飯室様。その思いが新館にも随所に込められており、フロアやコーナーごとに変化や刺激、あるいは癒しを感じられる設えとなっています。健康経営を推進されていることから、階段には昇ることで消費するカロリーを表示。さらにリラックスして仕事ができるよう、オフィス内は靴を脱ぐスタイルになっており、それがカーペットによる空間演出の広がりを導き出しています。
1階は、打ち合わせブースやパントリーに加え、オンライン対応の機能を持つ10人規模の会議室を2部屋設置。テーブルとイスのセレクトによって全くイメージの違う空間に仕上げました。
2階は約70席のフリーアドレスのワークスペースを確保。当初、SEの業務でフリーアドレス化は難しいと反対の声もあったそうですが、社長や専務、若手社員の方々が内田洋行に来社され、フリーアドレスでの働き方をご見学。実際の働き方を目にし、ワーカーの声や運用のポイントを参考に、固定電話を廃止し、モニターやノートパソコンも一新されて実現されました。
木製品中心の温かみのある空間に、多彩なイスがアクセントとなっており、視覚的にも楽しい空間に仕上がり、社員のみなさんにも好評とのこと。ワークテーブルの機能も異なるので、業務ごとに最適な場所を選択することができます。
3階は、セキュリティーの高い部署のワーキングエリアを1つ設置し、その他は富士山が見える眺望を生かした多目的スペースとなっています。特に目を引くのは、「SmartInfill」を用いたガラス張りの会議室。その透明性は会社の姿勢でもあります。
コロナ禍を過ごし、リアルな対面の重要性を再認識されたという飯室様。人が集うことで雑談が始まり、情報共有や共創、協働のきっかけとなり、新人の学びの場ともなります。そして、それがやがて企業風土やその伝承になることが期待されます。
現在、山梨県下の27市町村のうち7割から業務を受諾し、県内企業との連携も多い YSK e-com 様。まさに会社の成長が、地域の元気の後押しにもなっています。実際、コロナ禍には市内の飲食店から昼食用の弁当を取り寄せて社員に配布する取り組みも実施。また以前からバナナや甲府市内のメーカーのアイスクリームが食べ放題というユニークな社員サービスも実施されています。
「きれいで働きやすい環境だと自然に効率が上がり、これまで4時間かかっていた業務が3時間でできるようにもなります。その1時間を学びやリラックスの時間に当てれば、さらなる効率アップや質の向上にもなる。よってオフィス改革は経営戦略に欠かせないファクターです」と飯室様。これからのテーマは、本社新館に一部のセクションが移動したことで空きができた本社本館の活用。今度はどんなアイデアが生まれるのか期待されるところです。「当社のシンボルマークは亀。これからも確実に一歩一歩成長をして、地域に貢献する所存です。そのために大事なのは社員が気持ちよく元気に働ける会社であること。オフィスづくりのための投資は、必ず大きな成果となって返ってきます。そこを惜しむような企業に成長はないと思いますね」(飯室様)
いいオフィスをつくるためには、発注する側も情報を収集し、実際にオフィスを見学するなどして知識を深めることが重要だと思います。今回も私のこだわりで、レイアウト図を何枚もあげていただきましたが、その都度ブラッシュアップされ、精度が上がりました。それも、ビルの設計段階から打ち合わせに参加いただき、私どもの思いを汲んでくださった営業努力の賜物でしょう。内田洋行の野沢さんとは、十数年来のお付き合いですが、今回もいい仕事をしていただきました。
株式会社 YSK e-com
代表取締役会長 飯室 元邦 様
YSK e-com 様は以前からオフィスづくりをご支援しておりますが、今回はとても大きな案件をお任せいただき、感謝とともに緊張をいたしました。製品数も飛び抜けて多く、特注家具もあったことから納期の心配もありましたが、早め早めの手配で無事に納品ができました。飯室会長が思い描かれたオフィスが具現化できたことを、私たちも大変嬉しく思っております。今後とも、よろしくお願いします。
株式会社内田洋行
広域地域事業部 野沢 純一
山梨県下の雇用と情報化に貢献したいという思いで1986年12月に創設された株式会社YSK e-com様。常に「お客様本位」のシステム開発に取り組まれ、現在は県内システム開発業界のトップメーカーに成長されています。「新しい豊かさの創造」のために高いSE技術が求められる中、その技術者である社員の満足度向上にも心を配っている成果で、県内トップ大学からの就職希望も年々増加中。今回の本社新館新設も各地で高い評価を得ています。
株式会社 YSK e-com 企業サイト※記事内容や役職等は取材当時のものです。(2022年10月取材)