働き方&オフィスレイアウト改革の挑戦 (味の素株式会社 様)

「味の素 東京支社 ワクワクプロジェクト」
働き方&オフィスレイアウト改革の挑戦 味の素株式会社 様

おいしさの素、”うま味”を発見し調味料「味の素 ®」として世に送り出して100年以上。今では、食やアミノ酸、バイオ・ファイン、医薬・健康など、いのちに深くかかわる様々な分野でグローバルに事業を展開している「味の素株式会社」様。

東京支社は、チャネル別に3つのビジネスユニット(BU)が同居したオフィスです。組織やチームの結束力を重んじており、先輩からの目配りや気配りを重視。また営業外勤者と内勤者の連携が密な組織ですが、他BUとのコミュニケーションがあまり活発ではないという状況が続いていました。

「ワクワクプロジェクト」と題したオフィスレイアウト改革の取り組みについて、同社の菊地さや子様にお話を伺いました。本プロジェクトをとおして、ウチダの移転・リニューアルサービスのポイントなどご参考いただけると幸いです。

味の素株式会社 様
組織: 東京支社/広域営業部
人数: 220名
広さ: 1420㎡
職種: 営業

KEY PERSONS

味の素株式会社
総務 菊地さや子 様
株式会社内田洋行
オフィス事業本部豊澄 浩明
パワープレイス株式会社
シニアコンサルタント後藤 辰之
パワープレイス株式会社
シニアデザイナー飯塚 嘉宏
パワープレイス株式会社
オフィスデザイナー小栗 教平
パワープレイス株式会社
プロジェクトマネジャー西村 正之
約1年前~ 2013年1月頃

ワクワクプロジェクト発足

スローガン「共創~Co-Creation」のもと、
部署の垣根を越えたプロジェクトが始動

プロジェクト発足の約1年前である2012年1月頃、総務部門のミッションとして、現状オフィスの最適化を検討しはじめました。オフィスの在り方や東京支社のあるべき姿を描き、社内答申を経てレイアウト改革のプロジェクトが立ち上がりました。

菊地様 -トップダウンでもボトムアップでもない、ミドルアップでのプロジェクトは当社としても珍しい取り組みでした。オフィスの最適化は総務部門の職責であるため、東京支社のオフィスにおける理想の働き方を追求したいと、当初から考えていました。

プロジェクト名の”ワクワク”は、” Work-style Work-place Innovation Project”の略称でもあります。まさに、働く場だけではなく、働き方も変えようとの想いを込めていました。現場から自主的に集まった28名のプロジェクトメンバーと共に、5回にわたるワークショップを開催。先進的なオフィスの見学や現場へのヒアリングも重ねて、徐々に理想とするオフィスのイメージを固めました。

菊地様 -ウチダさんを含め、数社のオフィスを見学させてもらいました。どのオフィスもデスク面が整然と片付いており、仕事がしやすそうな環境でした。「デスク周りがキレイ!」と印象に残った記憶があります。

新オフィスのコンセプト

「共創~Co-Creation」出来るオフィス
  • 組織を超えた交流・コミュニケーションが活発で一体感があるオフィス
  • 働き方にあった働く場があり、生産性高く仕事が出来るオフィス
  • 自信を持ってお得意先をお招きでき、家族にも誇れるオフィス
約5.5カ月前~ 2013年7月下旬頃

パートナー選定

レイアウトを変えて終わりではなく、
アフターフォローによる安心感が決め手

菊地様 -ウチダさんは、レイアウトだけではなくアフターフォローまで考えてくれていました。引越し(レイアウト変更)が年末と決まっていましたが、「契約期間は3月までですね」と言ってくださって。レイアウトを変えて終わりではなく、新オフィスになった1月からこそ本番と考えていたので、現場の担当として心強く感じました。また、オフィスの進化について、先のことまで考えてくれていることにも安心感がありました。 あとは、ウチダグループの方々の一致団結感や気合い?(笑)も感じましたね。

後藤 -今回のプロジェクトは働き方の見直しも大きなテーマでした。実際に新しいオフィスで運用してみなければ、当初の目的やコンセプトを達成できたか評価できません。そのために、実施後の評価・検証まで含めてご提案しました。

約5カ月前~ 2013年8月頃

ワクワクプロジェクト PartⅡスタート

ウチダのチームと合流し、
本格的にプロジェクトがスタート

ウチダのチームと合流し、「ワクワクプロジェクトPartⅡ」がキックオフ。東京支社の各職場から選定された24名とウチダのスタッフで、隔週の定例会と6つの分科会を開催しました。そのなかで、座席の形態、会議室やキャビネット(書類)の運用など、1つ1つ丁寧に検討を重ねました。

菊地様 -プロジェクトメンバーは通常の業務を抱えながらも、責任感をもって進めてくれました。時間の経過とともに新しいオフィス像がより具体的になり、チーム内での連帯感も生まれました。

レイアウト変更の実施までの期間、社内への周知・認知のため、臨時の社内報「ワクワク通信」を8回ほどメール配信しました。

後藤 -プロジェクトの意図や目的、新しいオフィスでの「働き方」など、社員一人ひとりに関心を持ってもらうことが本当に大切です。そのために、「プロジェクト通信」の他にも様々なメニューを用意しています。

約1.5カ月前~ 2013年11月頃

全社員向け説明会

社員のベクトルを合わせて、
組織力を強める絶好の機会

「1月はゴールではなくてスタート。怖がらずに変化を受け入れ、楽しみ、自らの成長機会ととらえて大胆にチャレンジして欲しい。」 オフィスレイアウト変更の実施まで残り約1ヵ月のとき、東京支社長から全社員に向けて、本プロジェクトへの期待や想いを発信しました。

後藤 -ウチダはオフィス移転やレイアウト変更を企業にとり意味の大きな節目と考えています。新しいオフィスでの組織像や「働き方」を全社員が共有することで、強い組織へステージアップする機会として活用できます。

「何のために今、オフィスを変えるのか?」 いま一度、社内で目的を共有し、同時に、新しいオフィスでの働き方をムービーで紹介しました。

後藤 - 新しいオフィスへの期待感、ワクワク感を表現できるようなムービーに仕上げました。ムービーは柔らかいツールです。プレゼンテーション用ソフトや文書で伝えるよりも、より共感・浸透しやすく効果的です。

菊地様 -このムービーは、今でも異動で東京支社に配属された社員や新人さんに見せています。このオフィスでの働き方や業務に取り組む姿勢など、口頭で説明するだけよりも、共有・理解を深めてもらいやすくとっても役立っています!!

引っ越し
当日
2013年12月末

レイアウト変更実施

オフィスコンセプトに基づき、
レイアウト変更を実施



※書類キャビネットを約1/3削減。5Sによる書類削減と個人保有書類の共有化を図りました。

年末の休業期間中にレイアウト変更を実施しました。

レイアウト変更の主なポイント

  • 組織を超えた交流・コミュニケーションに視点を置き、これまでのユニバーサル型のレイアウトから導線がジグザグになるようなレイアウトに変更
  • ビジネスユニットごとに近くの座席に座る「グループアドレス」を採用。チームワークを発揮しつつ、組織を超えた交流も図りやすい
  • オープンなミーティングスペースを増やしつつ、クローズドな会議室も併設

菊地様 -両サイドにあるベンチタイプのオープンなミーティングスペースはよく利用されていますね。わざわざ会議室を予約しなくても、その場ですぐに集まり、ちょっとした打合せに最適です。会議室の不足も減りました。

飯塚 -偶発的な出会いとコミュニケーションを促進させる、ジグザクのレイアウトが最大の特徴です。また、導線上に全員が集まれる広場や、Bookcafe も新設しました。
多様な人材、組織を活かす「かかわり」が生まれる仕掛けを随所にしてあります。

現在 2014年1月以降

新オフィス運用スタート

「目指すオフィスコンセプトが実現できているか?」
評価・検証を継続

2014年1月から、新しいオフィスでの業務がはじまりました。
今回のプロジェクトの評価も兼ねて、3カ月後、半年後に社内アンケートを実施。アンケートで寄せられた提案や意見をもとに、オフィス活用術をまとめた「ワクワクアフター通信」も発行しています。また、実施(改善)・評価・検証を継続的に行うことで、オフィスの進化に繋げていきたいと考えています。

ワクワクプロジェクト アンケート結果(抜粋)

テーマ:「交流・コミュニケーションが図れるオフィス」

あなたが「交流・コミュニケーション」を活発に行っている?

コメント

  • ・フリーアドレス(グループアドレス)は慣れるまで苦労したが、今では毎日が新鮮に感じられ、部内メンバーとのかかわりも以前より増えた。
  • ・仕事のかかわりが無い方とも仲良くなり、業務知識を増やすことができた。

テーマ:「働き方にあった、生産性の高いオフィス」

検討議題や参加人数に合った会議・打合せの環境を選べる?

コメント

  • ・作業に集中したいとき、席を選んで環境を変えられることは非常に有意義。
  • ・ちょっとした打合せがしやすくなった。

お客様へのインタビュー

オフィスリニューアルを終えて、いかがでしたか?

アンケート結果でも示されていますが、少しずつ、交流が増えたり、会議のやり方が変わってきています。他支社や本社などからの注目度も高く、それだけのことをやったんだな、という実感もあります。今回はミドルアップのプロジェクトでしたが、総務が一丸となり他の部署と連携しながら進めたことが良かったと思います。自分一人では、決して成し遂げられませんでした。

今後の目指す姿などがあれば教えてください。

ポジティブな意見も増えていますが、これで満足していません。オフィスは常に進化し続けるべきと考えています。この夏からは、新たに「ワクワク町内会」がスタートしました。メンバーを募集したところ、新人、管理職、内勤者、外勤者、転入者とバラエティに富んだ24名が集結しました。このメンバーを中心に、東京支社の全社員を巻き込み、新しいオフィスでさらなる進化・成長を目指したいと思います。

本プロジェクトの工程表

新オフィスの様子

取材日:2014年10月

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