Change Working コラム

ファシリテータの役割

2016年02月26日

ワークショップのキーポイント

本コラムでは、前回よりワークスタイル変革の実務的なノウハウや要点についてご紹介しています。前回はワークショップを行う際に気を付けたほうが良いことについてご紹介しました。今回はワークショップの進行をサポートするファシリテータについてお話ししてみたいと思います。

ワークスタイル変革におけるワークショップでは、複数の小人数グループに分かれてディスカッションやグループワークを行うスタイルが多いと思います。私たち知的生産性研究所ではそれぞれのグループをサポートするファシリテータをテーブル・ファシリテータ、セッション全体の進行を担当するファシリテータをセッション・コーディネータと呼んでいます。以下にそれぞれの役割とポイントについてご紹介します。

テーブル・ファシリテータの最大の任務は、各テーブルの参加者が思っていることを忌憚なく発言できるように議論を活性化することです。そのために、参加者が発言しやすい場の雰囲気をつくることがファシリテータにとって最も重要な役割となります。具体的には、他のメンバーの発言をポジティブに受け止める雰囲気をつくるためにファシリテータが率先して「なるほど」「それ面白いですね」などといった相槌を打ちエンカレッジメントする、発言するチャンスを掴めない人にさりげなく発言を求める、いわゆる「声が大きい人」をうまくセーブする、といった行為を行います。また、初対面のメンバーが多く場の雰囲気が固い時は、最初に自己紹介をしたり、ちょっとしたゲームをして打ち解けた雰囲気をつくるといったアイスブレイクが必要な場合もあります。

テーブル・ファシリテータが気を付けなくてはいけないことは、議論をミスリードしないようにすることです。なにもしなくても議論が盛り上がり、重要なイシューや面白いアイデアがどんどん出てくる場合はファシリテータの出番はありません。しかし、意見が出なくなったり、本質と離れた論点でループしてしまったりしたときは、何らかのトリガー(議論を開始したり、論点を切り替えるきっかけ)を出さなくてはいけません。その時、ややもするとファシリテータが自分の意見を述べてしまうことが起こりがちです。特別なケースを除き、ファシリテータの役割は議論を深めるサポートをすることであり、解を与えるものではありません。実際には難しい場面もありますが、気を付けるべきポイントでしょう。

セッション・コーディネータの役割は、期待する成果を出すためのワークショップ・プログラムの設計と、決められた時間内でプログラムを完結させる進行管理です。ワークショップは生き物ですので、想定した時間内でディスカッションやグループワークが完結するとは限りません。またグループごとに進み具合がバラバラなこともあります。セッション・コーディネータは、全体で歩調を合わせて進める部分と各グループに委ねる部分を上手く使い分けながら、進捗をマネジメントしなくてはいけません。

また、プログラムを構成するディスカッションやグループワークなどの個々の作業の目的と手順を、参加者全員にしっかりと理解させることもセッション・コーディネータの重要な役割です。オリエンテーションの時にこの理解ができていないと、グループ作業に入れずテーブル・ファシリテータが改めて説明しなくてはいけなくなります。これはテーブル・ファシリテータにとって負担ですし、何より時間のムダです。セッション・コーディネータはオリエン上手がポイントです。

今回のコラムではワークショップのファシリテータの役割とポイントについてご紹介しました。ファシリテーション技術はワークショップ以外のいろいろな局面で活用できます。ぜひ身につけられると良いでしょう。
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