東北大学 様 コミュニケーションスペース 事例紹介

第25回 日経ニューオフィス賞「東北ニューオフィス推進賞」 受賞

異次元への飛躍を求められた、頭脳循環のHUBとなる研究機構。

課題:
新しい学問領域を創出するための場づくり
業種:
大学

研究者の頭に溜まったアイデアを解放するための空間。

東北大学 原子分子材料科学高等研究機構(以下AIMR)は、2007年より始まった文部科学省の事業である、世界トップレベル研究拠点プログラム(以下WPI)に採択された、国内全6拠点のうちのひとつです。以前は複数箇所にあった関連研究室を一棟に集約し、研究環境を整えることに決まったのが2011年のこと。研究施設とは別に、新たに計画されたのが、新しい学問領域を創出するため研究者同士が交流するためのコミュニケーションスペース、そして研究活動を学内外へ発信するためのイベントスペースでした。

「私たちに求められているものが、研究所を1.5倍にすれば、成果が1.5倍になる…というようなタイプのものであれば、研究に使うための装置を置く場所を増やしたと思います。しかし私たちに求められているのは、次元を飛躍させた研究。そのためには豊かな気持ちでリラックスして、頭に溜まったものを解放させるような空間や仕掛けが必要だと思いました」(AIMR 小谷 元子 機構長)

そこで重要視されたのが5階の「交流スペース」と、1階の「多目的ホール」です。内田洋行ではAIMR 副事務部門長 池田 進 准教授とともに、具体的な運用アイデアの検討を重ね仕様を決めていきました。
お客様の課題
  • ・ 学内の研究者の交流を促し、新しい学問領域を創出したい
  • ・ 学外の人に、研究機構に親しんで欲しい
導入後の効果
  • ・ 所属する研究室に閉じこもりがちな研究者たちが、交流スペースで他の研究室に所属する研究者たちと議論を始めるようになった
  • ・ 多目的に使えるイベントスペースで、各種イベントを開催。科学に親しんでもらう機会が増加した

ポイント紹介

研究室から一歩外へ出て、“集まりたくなる・議論したくなる空間”

研究室内の連帯感は強くても、研究室の壁を超えた交流というものがほとんどないのが日本の一般的な研究所。それではWPIで課されている「新しい学問領域の創出」を達成することはできません。複数の研究室が集まり研究内容を発表する合同セミナーなどを開催してきたものの、「お互いを知る」というところまではいっても、「何かを生み出す」というところまではたどり着いていなかったというのが以前のAIMRでした。そこで5階「交流スペース」で重要視されたのは、研究者が所属する研究室から一歩外へ出て、“集まりたくなる・議論したくなる空間”です。

広々とした空間に遊び心を演出するユニークなファニチュアを採用。

椅子に掛ける、床に座る、横になって休むなど、研究者が自由な姿勢でコミュニケーションできるようにデザインされている。

研究室にはないリラックスした雰囲気を演出するためのスペースが構築されました。行儀良く座って考えるのではなく、時には寝転んでぼーっとすることで、ふとアイデアが沸いたり、偶然隣に居合わせた人とのちょっとした会話が研究のヒントになったりするという考えからです。その会話が盛り上がれば議論ができるように、黒板やホワイトボードも設置されました。さらに盛り上がったときには、集中して議論ができるようにセミナールームが用意されています。せっかく盛り上がってきたのに、セミナールームに別の予約が入っていて議論が中断してしまうということがないよう、セミナールームの事前予約は原則禁止。通りがかりの研究者も議論に巻き込めるよう、全面ガラス張りとなっています。

研究室の壁を超えて、アイデアを創出するための仕掛け

研究室内に閉じこもっていると発想が凝り固まってくる。そんなとき他の研究室のメンバーと交流し、自分たちになかった発想を取り込むことで新たなアイデアが生まれます。出会い→会話→議論→結論という流れを中断させないように、場を構築しました。

■AIMR本館 5F 情報共有のしくみ


左:研究室を越えたコミュニケーションがない / 中:交流スペースでの会話が新しいアイデアのタネに / 右:集中した議論から成果を生み出す

研究所のイメージを変え、一体感が味わえる空間に。

1階「多目的ホール」は、外部に対してAIMRのことを発信するという役割を担っています。研究所は暗くて、雑然としている、というこれまでの一般的なイメージを払拭し、新しいことに挑戦する研究所であるということをアピールするため、吹き抜けのエントランスには「SmartInfill(スマートインフィル)」を使用して空間を構築しました。SmartInfillを使用することにより、吹き抜けの広々とした心地良い雰囲気を壊すことなく空間を構築でき、情報発信やイベント開催など、空間自体にさまざまな機能を持たせることができます。所属する研究者や研究内容を外部に対して、より効果的に印象づけるため、ディスプレイではなくグラスビジョンを採用し動画を流しています。

関連商品:SmartInfill(スマートインフィル)

従来の研究所のイメージを覆す、明るい雰囲気のエントランス。グラスビジョンでは研究者のインタビュー動画などが流されている。
来訪者を迷わせないよう、タッチパネル式の電子掲示板システム 「ボードマンタッチ(Board Man Touch)」で施設案内も発信することにしました。この多目的ホールでは、学内外のさまざまな人に向けた企画が今後も予定されています。
「AIMRに所属する研究者の半分は外国人です。異国で研究に没頭しているだけだと精神的に大変な部分もありますから、上映会をしたり、ミニコンサートをしたり、研究者の家族も呼べるイベントを開きたいと思っています。イベントを共有することで、研究所内も活性すると思います」(小谷機構長)

関連商品:Board Man Touch(ボードマンタッチ)

訪問者を迷わせないよう、エントランスに設置された「ボードマンタッチ」。施設案内などのコンテンツが用意されている。
「第25回 日経ニューオフィス賞」
受賞オフィス

ご担当者様の声


東北大学 原子分子材料科学高等研究機構
機構長 博士(理学)
ディスティングイッシュトプロフェッサー(数学)
小谷 元子 教授

研究者同士の交流を進めるきっかけづくりをしたいと思っています。

今後は私も時間を決めて交流スペースに顔を出し、“あの時間に行けば、機構長と話せる”と知ってもらうことで、研究者同士の交流を進めるきっかけづくりをしたいと思っています。交流することで新たな何かが生まれる体験をしてもらえれば、さらにこの場が活用されるようになると思います。


東北大学 原子分子材料科学高等研究機構
副事務部門長 博士(理学)
池田 進 准教授

自由に参加できるセミナーなどを開催していきたいと考えています。

1階のエントランススペースは、閉鎖的な雰囲気にならないようにSmartInfillの設置角度を何度も検討してもらった甲斐があって、とてもオープンな空間にすることができました。今後はここで一般の方が申し込みなしで自由に参加できるセミナーなどを開催していきたいと考えています。


東北大学 原子分子材料科学高等研究機構
用度係長 平山 博隆 さん

より交流が活発になるように日々工夫して運営しています。

交流スペースには、英語の雑誌や新聞を置いたり、プロジェクターを導入したりして、より交流が活発になるように日々工夫して運営しています。“ここへ来れば誰かがいる”という期待感が増せば利用者がもっと増えると思うので、そのためのメンテナンスを心がけていきたいです。

(2012年6月取材)

お客さまについて東北大学 様
原子分子材料科学高等研究機構(AIMR)

資源や環境など人類に課せられた問題の解決に貢献する

文部科学省の「世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI)」による世界トップレベル研究拠点のひとつとして採択され2007年10月に発足。2012年4月から世界的に著名な数学者である小谷元子教授が機構長に就任。「研究第一主義」「門戸開放」「実学尊重」の理念を掲げ、多くの人材・研究成果を世に送り出している。

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